2017年11月9日 8:37

「構造塾」東京会場で受講してきました。

「構造塾」を受講してきました。

今回は午前中は「地盤構造塾」(地震力の算出)でした。

前半の「建物の重量算出」に、ついては子どもの頃から父親に教えられてきていて、尚且つ、社会人になってからも「曳家」として、家を持ち揚げるために、ここの部分にはこの程度の荷重がかかるので、上手く分散してやらないとホゾや壁を傷めてしまうからと日々、現場で憶えてきたことを、明確に数字や法令に合わせて説明していただけました。

なので、今後のお施主さんへの説明が今まで以上にスムースに出来るだろうな。などとニヤニヤ。

地震力に関しても、曳家はある意味、いつも振動実験しているようなものですから、細かな計算は苦手ですが。「そうかこう考えれば良いのか!」と納得できました。

午後からの前半戦は、

「長期優良住宅耐震等級等の設計のポイント」

ここでは水平構面についてのかなり詳しい説明がありました。

吹き抜け部分の脆弱性についての解説も、吹き抜けがあると、家を持ち揚げる段階で躯体が変形しやすいので気をつけないといけないことは、あったり前田のクラッカーですから(笑)ふむふむと聞きながら・・風呂場も床がつながっていない以上は「穴」だと考えるというのは・・なるほどな~~。風呂場やトイレは狭い範囲に柱が多いので、強いと考えていたけど。水平構面という捉え方で解釈すると違うんだな。と。

休憩をはさんで最後の講習は・・

「地盤調査」(主にSSについて)

これはねーー。曳家にとっては、まあまあ、密接な世界ですから。現場で憶えてきたことをきれいに勉強しなおしている感じでした。

大手地盤会社さんのパンフレットを拝見すると「既存住宅の究極の地盤改良は曳家しておいて、改良してから新しい基礎を造ってそこに据えつけ直すこと」だそうなんです。

地盤補償会社と地盤調査会社の関係性などの解説を含め、実証が不十分な工法を販売しているベンチャーに対する辛口の警鐘などは聴いていて爽快でした(笑)

夜は「構造塾」東京会場では珍しいという懇親会

20名ほどの参加者でした。

みなさん。丁寧に名刺交換をされていらっしゃったんですが・・田舎者の自分は気遅れして、お声をいただけないと対応できない駄目じじいです。

それでも、「曳家岡本」の代表として、髭を剃って、シャワーを浴びて寝癖は直してくるくらいの配慮はして来たんで赦してつかーさい(汗)

来年の「構造塾」全国大会の実行委員である京都の地盤改良会社、伸洸の西村社長とSXLの設計部の宿野部さんの仕切りに甘えさせていただきました。

 

自分は隅っこの方で、新しくMs構造設計に入社された地盤品質判定士の千葉さんに、曳家についてご質問いただきまして。

あまりに彼女は真摯に尋ねてくれるので、こちらも真面目に答えていたのですが。場所が居酒屋ということもあり、喉が痛くなりまして、中途半端にしかお返事できなかったです。

千葉さんには、傾いている家が、どれだけ沈下している側に荷重が集まっているか?それが水平に直った途端にいかに軽くなるか?をリアルな実例を挙げながら説明させていただきました。

「床で水平直せますよ」という馬鹿なリフォーム業者に気づきを与えられるよう頑張ってゆかなくてはなりません。

 

そんなわけで、曳家が「構造塾」をどんな風に考えながら聞いているか?でした(笑)

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。