2018年1月6日 7:05

日本の曳家職人による「あるノルウェーの大工の日記」感想

あるノルウェーの大工の日記

みなさんは、お正月休みは何をして過ごされましたでしょうか?

岡本家は、元旦が次女の誕生日なんで、小さなお誕生会を開きました。意外と次女が喜んでくれていたのが嬉しかったです。

で・・元旦から、かつお棟梁と近所のショッピングモールでコーヒー飲んで税金のことなど話しながら・・2人して、昨年夏に施工させていただいた、いすみ市のお施主さんにお薦めいただいた「あるノルウェーの大工の日記」を買って読もう。となりました。(結局、在庫が1冊しか無くて、かつお棟梁が見つけて購入して「先に読んで」と貸してくれました)

書いてあることは、

段取りについて(駐車場の確保からクレーンでの搬入のタイミングなども!)。

お施主さんとの信頼関係の創り方。

税金を含む見積もりや事務仕事について。

などなんですが・・・

万国共通なのはwebでの一括見積りサイトのような価格優先のサービスを利用しておいて、完成したものに「安っぽい出来で不満足」と云う人たちに対する警鐘です。バーで作業服を着ていたために、(webサービスを利用した)見知らぬ人から職人に対しての不満足を訴えられて、やりこめる場面には快哉の拍手を贈りたくなりました(笑)

また、「安い・高いは主観的なものなので適切な価格とそうでない価格」があるとして、建築職人でも知識や技術があって、適切な価格を提案する方もいれば、勉強不足のくせに、不適切な価格を要求する者もいることも同じです。

でも、寒い国だけあって結露に対する対策は流石だな。と感心しました。

基本的に建築職人目線を知っていただくために良い本なんですが、少々、気になったのは中盤の「大工の目線」での社会批判が続く部分は、ややクドくて、ここは編集担当者か?もしかするとゴーストライターの存在が大きいのかな?と疑問を持ちました。間違ったことは書いてはいないのですが、職人はここまで設計士や建築士に対して敵対的感情を持っていません。

優れた職人はお互いの領分を守って、良い工事を行えると思うんですけど。

 

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。