2023年4月16日 5:34

千葉県柏市での土台揚げ沈下修正工事 完工しました!

人間だれしも、人生に1度くらいは自分の観たい映画を製作しようと挑戦するもんだと思う。

自分の場合も、今から18年前に、加藤あいさんに女性版ブルース・リーに扮していただいて、その姫様を守る老師範役で倉田保昭さんを主演に「大陸美姫伝」というカンフー時代劇の企画書を書いたことがあります。

↑は加藤さんでなくて、カラワイさん。

この企画書を持参して、
3つの製作会社を訪ねたのですが、その中の一つは、敬愛する江戸木純さんの会社でした。
その時に江戸木さんに言われた深い言葉があります。
「岡本さん 妥協して良くない映画作るくらいなら1本も作らない方が良いですよ」
深い。あまりにも深い。

曳家岡本の現場にハズレ無し。常に駄作は作らないつもりでやってます。

千葉県柏市で、土台揚げ沈下修正工事完工いたしました。
しっかり監理してくださいました柏密着「町の大工さん」田所さんインテック株式会社|住まいの屋根・外壁リフォーム (intech-ex.jp)ありがとうございました。

まあ、親方は熱いラブコールに応えて博多うどん食べに行ったりして、現場を抜けたりしてましたが。
素晴らしい工事が出来たと思います。


いつもの様に、土台下面にはイタウバ(ハードウッド)を挿入します。
昔は樫を使用する親方さんもいらっしゃいましたが、今では外材のハードウッドが入手できますので、「暴れる」樫より、
イタウバ、オーストラリア檜とかを使います。

で・・こちらのお家は猫土台となってましたので、それに近い復元をします。

↑基礎天端に「板」が挟まれていて、通気するように細工しているのを「猫土台」と言います。


で、基礎パッキンに交換してゆくのですが。
まず、基礎パッキンを土台下面にボンドで貼り付けてゆきます。
逆打ちしてゆくわけですから、新築と違って、置いてゆくだけ。と云うわけでは施工できません。
落ちてこないように、乾くまで、楔(キャンパー)を打ち込んでゆきます。


↑楔が足らなくなったんで、現場で作りました。久しぶりに自分で作ったキャンパーは急ごしらえの雑なものです。
でも、まあ撤去するもんですから、赦してつかーさい(汗)


基礎パッキンがくっつきましたら、今度は基礎パッキン下面に天端の幅(120mm)に切ったガルバを敷いてゆきます。
こうしておかないと、詰めたモルタルがパッキンの通気孔を潰してしまいますから、この細工をしなくてなりません。

アンカーボルトのある部分は、ガルバをこんなふうにカットしてゆきます。

こうして挿入したガルバの下面にモルタル詰めをしてゆきます。

外側から見るとこんな感じです。

ちなみに今回も、伸ばしナットを使ってますが、4本だけ取り付け施工不可能だった部分は諦めて溶接しました。

それなら、全て溶接してしまった方が楽でないか?と思うでしようが・・そうなんですけど。
引き抜きに対する強度や、火事のリスクを考えますと。出来るだけ「伸ばしナット」を活用したいと考えています。

さて、前回のブログで書きました、何故か?隅柱の下、周辺がブロック基礎だったものを、コンクリート基礎に造り換える作業。

どうだっ!(笑)

見事に完成しました!オリジナルの基礎より強度出来ていると思います。


ピーコンを外してます。

そうそう、風呂場の高基礎のコンクリートは丁寧にドリルで穴を開けてから斫りました。
ここからへんのこだわりは各業者さんで考え方の違いが出てきますよねー。

床下を見てくださいませー。


配管あると、すごく動きに制限が出来ます。

床下から出てきた配管屋さんが「きれいに詰まるもんですね」と言ってくださいました。
謙虚に「薬剤の力ですよ」と答えましたが・・
「腕ですよ。技術で勝負です」と嘘ついておくべきかな(笑)

PS
この後、柏市の大工学校の先生もされている武藤棟梁の現場を少しだけ手伝わせていただきます。
その後、月末から1か月ほど、福岡県遠賀郡に参ります。
九州は、まだまだ地元の曳家さんも多く残っていらっしゃいますから、ご招聘頂けるのは光栄です。
九州の曳家さんに、恥じない工事を頑張ります。

お気軽にお問い合わせください&お近くの建築士さん、大工さんお逢いしましょう!
hikiyaokamoto@gmail.com

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2件のコメント

  • 島田昌明 より:

    現場を拝見させて頂き、良い経験をさせて頂きました。
    丁寧な仕事に感動しました。

    • hikiyao より:

      島田さん
      ありがとうございます。駄目な業者はアンカーボルトの緊結方法を真面目に取り組んでませんよね。
      これからも真摯に頑張ります。よろしくお願いいたします。

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。