新潟市西区寺尾で沈下修正工事しつつ安全対策を考える
最近、宮崎で震度6. 茨城で震度5の地震が相次いで起こりました。
そうした中でも、ここ新潟市西区をはじめ各地で元旦に起きた「能登半島地震」で傾いた建物の修復作業は行われています。
基礎修復の際の細工を少しだけ変更しました。
これまでも、揚げ幅が10cmを越える箇所には横筋を取り付けるために鋼製束を設置していました。
今回からはそれを少し拡大して、スペーサーを挿入する際に、施工中の危険が少ない箇所もスペーサーを使わず低床型の鋼製束で対応することにしました。
これは施工性を上げるためではなく、芯材として鋼製束を使った方がモルタルを多く巻けるので「より基礎の強度が確保できる」からです。
鋼製束そのものは、4トンまでの耐荷重性能がありますので荷重に対しては何ら心配ありません。
問題は施工中に地震などが起きた際の横揺れに対しての脆弱性です。
今回のお家の場合だと、風窓があるので全ての風窓に鉄板でブリッジ受けをして横揺れに対する危険率を下げる細工をしました。
もちろん全てを鋼製束に換えることは危険ですので行えません。
それでも、土台のコンディションを診ながらスペーサーの大きさを選びます。
少しでも小さい方がモルタルを巻いた時に一体性が増します。
今回は、内装を傷めないための判断から、アンカーボルトの再緊結は溶接と伸ばしナットの併用です。
溶接の被りは最低3cm以上獲ってます。
今回も新潟で家を建てるなら、注文住宅、自然素材の木の家 山川建築事務所 (machinaka-sansou.com) 山川さんに現場管理をお願いしました。
良い鉄工所さんをご手配いただき曳家岡本一同感謝です。
もちろん「伸ばしナット」を使えるところはナット優先です。面倒だから、原価がかかるからと「どうせ溶接するんだから全て溶接でも良いんでない?」と思う方もいらっしゃるでしょうが、お家を預からせていただいて出来ることはなるだけやっておきたいです。
さくら事務所の田村さんも言われてますが「基礎と構造は後から直すのは手間も費用もたいへんなので新築時に出来る限りやっておくこと」です。新築ではありませんが、出来る限りのことやっておきます。
沈下量の少ない車庫、玄関部分は自分が担当しました。
造り付けの靴箱の下
既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが、堅田職長は左利きです(右も使える)。
なので床下で右手だと体制的に作業が辛い部分も重宝します(笑)
夏休みと云えば学生アルバイトです。
新潟日建工科専門学校で勉強中で将来は「祖父のような大工になりたい」という渡辺くんです。
今回は、床下の人通口をモルタル運んでもらうことをメインに1週間来て貰いました。
知らないおじさんたちの間に一人で入ってくる気持ち、建築業に進みたい。という気持ちがたいへん可愛いです。
おじさんたちは「力結び」(南京結び)や「8の字巻き」なんかもお節介で教えます(笑)
安定の基礎修復です。
休憩時間には、お施主さんが庭で造られているマスカットを食べさせて頂きました。
「あまり手入れしてないけど」と言われて食べたからか野生の味がしたのは気のせいかな(笑)
最期の撤退の際に奥様が「これでお嫁さんに泊まってもらえる」と嬉しそうに言ってくださったのはこの仕事を続けてゆく大事なモチベーションアップになりました。
ありがとうございました。
夏の日射しに負けているのか?エンジンが掛かり辛い日が何度かありましたのでバッテリーを交換して来ました!
新潟に来てから、オイル交換、タイヤ交換、車検、ナビ交換、
そして今回のバッテリー交換となんだかんだで45万円くらい車両維持費を使いました。
当り前ですが、旅先でトラックが壊れると現場の進行にも影響が出ますので気をつけてます。
お盆休み期間中も、曳家岡本では昨年より「お盆は新潟県で家揚げて過ごす」と決めてますので、完工まで休みません。
色々な考え方があるでしょうが、お施主とすれば途中で休まず一気に終わらせてもらいたいだろうし、こちらも施工中は普段よりは危険ですから早く安定させたいからです。
ps
9月6日(金曜)群馬県伊勢崎市で「住まいるlab」さん主宰のセミナーにゲスト講師させて頂きます。
北関東の皆さまどうぞよろしくお願いいたします。
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