曳家岡本が沈下修正工事「コロナ割」始めます!

今回は、土佐派の曳家ならではの社寺、古民家等の石場建ての建築物を嵩揚げ、曳家する際の「柱の掴み方」の特徴を解説させていただきます。

ほとんどの同業者は、柱を掴む場合、柱の片側に鋼材(H鋼で、あったりレールであったりします)を通して縛りつけます。

こんな感じです。

一方、土佐派の曳家は柱に直接、鋼材を縛りつけることなく、柱の左右に鋼材を通して、その上に枕木を渡したものの上に「添え柱」」を取り付けます。

もっとも、かつての土佐派の曳家は、添え柱を取り付けるために専用の金具など使うこともなく、渡した枕木の上に置いた添え柱にボルトを貫通させて掴んでいました。
石場建ての柱を持ち揚げる為に、全ての柱に2か所づつ穴を開けていたということです。

こうした細工をされている方は、令和3年の現代に於いてもいらっしゃいますが、正しくは「後で埋め木するから大丈夫」と言ったとしても、柱に対する欠損はもっとも避けるべきことですから。
強度や耐久性をまじめに考慮するならば、そうした施工は避けるべきです。
しかし現実には、それを実現するためには柱を掴むための金具や鉄板を大量に制作、保有しなくてはなりませんから、専業でやっていないとなかなか難しい部分はあります。

ワイヤー締めをされる方もいらっしゃいますが、それは毎日、締め直さないと緩んできますし、時間もかかりますのでたいへんです。

片側だけに鋼材を通した場合の真上から見た図です。

実際の建築物では、この図のように均等に柱が並んでいるわけではありませんので、どう鋼材を通すか?色々と細工のやりがいがあるわけです。


土佐派の曳家の1本の柱の両側に幅を採って鋼材を通す。という技術の場合、「片持ち」にしない。という強い思想があります。

これまた、片側のみに鋼材を通す工法に比べると輸送する資材が増えますから、コストが嵩みます。
それでも弊社のような零細曳家は、他社様とは違う努力をしなければ、お声かけいただけませんのでこれしかありません。


さて、この両側にH鋼を通す。施工方法の最大のメリットは、最後の据え付けの際に発揮されます。

両側に組んだ鋼材から反力を獲って、真横に突くことの出来るジャーナルジャッキを使うことでX軸、Y軸を合わせてゆくことが出来ます。

手順としては、土台を敷く前に建物の4隅の柱の立てりをレーザーポインターや下げ振りを使って合わせておきます。
その後、全ての柱の梁もしくはなるだけ上部から下げ振りを降ろしてもらって、ホゾ穴の墨付けをしていただきます。

柱は鋼材の上を渡している枕木の上を自在に滑らせて動かせることが出来ますので、舐めた素人がやるような「1本くらい大丈夫」と負荷を抜くようなことはありません。
場合によっては1本の柱に5トン近い荷重が掛かっている場合もあります。
自分はそんな勇気にある行動は出来ません。


もちろんこの工法には大量の資材を必要とする、以外にも、柱を縛りつけていないので曳家工事中に柱が動く。というデメリットも含まれています。
それでも自分なりに42年、曳家工事に携わってきてみて、この工法の方が「家を傷めない」と考えています。

ps
少し前に、山門の曳家工事の打診を頂きましたが、金額で負けました。
実は30代のころから、山門の曳家工事を依頼されたら、こう補強して並みいる建築士の方々に「こう来たか!」と云う施工方法を考えていました。
とりあえず悔しいんで堅田部長には自分の組み方のアイデアを伝えておきました。
彼がいつか実現してくれることを夢見てます。

ps2
韓国ドラマ『梨泰院クラス』が日本でリメイクされると話題になってますが。
主演のパク・セロイ役は竹内涼真で内定しているそうです。
次女と、じゃあスア役は齋藤飛鳥?チョ・イソ役は平手友梨奈?などとLINEしました。
ほとんど逢うことも無く逢っても何を話しても良いか?困る次女と、LINE出来て嬉しかったです。
サンキュー『梨泰院クラス』!


曳家岡本 初軽井沢です。
長野県にご招聘いただくのは9年前の安曇野以来です。

軽井沢と云えば、避暑地!別荘地として有名ですが。
そんなわけで景観優先で傾斜地を利用して建てているお家が多いです。
なので、自分らは初めてですが、薬液注入工事のパイオニア「平成テクノス」さんとかは、今までも大きなホテルや別荘の沈下修正工事で訪れていらっしゃるそうです。


もちろん傾斜地ですので、堅田部長と自分の2人して宏くんに。
「気をつけて!こけるなよ」と何度も言いますが、まあ5回はこけましたね。
一応、宏くんの名誉にために書いておくとお尻からこけたのは2回ありましたが、
山の中を転がってゆくほどに、こけたのはありませんでした(笑)

ジャッキアップが終わりますと、みんな大好き「伸ばしナット」で、アンカーボルトの緊結をします。
元のアンカーボルトが少し曲がってましたので、上手く嵌まりませんでした。
なので堅田部長がカッターで少し削って頭を入れてくれました。

室内では1か所だけ、1mmの誤差範囲で水平に直せました。

軽井沢が、こんなにも坂道の勾配がきついと考えが及ばず、資材を満車、積んで来たのですが、現場に到着したら嫌な臭いがしてました。
なので、帰りは2便に分けて千葉県いすみ市の倉庫に片付けます。
予定外でしたので1日で軽井沢~いすみ市を往復する(片道4時間30分)の旅に出たのですが渋滞に嵌まって往復11時間ほどかかりました。
自分はホントに甘いよな。

ps
「軽井沢と云えば「千住博美術館」(の建築)は見ておくべきですよ!」と、敬愛するtop | オフィス村 (o-mura.net)の田中さんにお教えいただいて合間に見学に行きました。
館内は撮影禁止ですので、拾い画像です。
「左官さんたいへんだったろうな~」というのが馬鹿な土方の感想です。
すみません。すみません。

ps2
手土産用に、軽井沢にあるスーパーマーケット「ツルヤ」さんのオリジナルトマトジュースと、りんごジュース買いました。
全国うろうろしてますから、あまり高額なものは買えませんが、ご当地ものってお渡しすると喜んでいただけるんですよね。

軽井沢の皆さま
もし別荘が地盤沈下などで傾いていたら「曳家岡本」お声かけくださいませ。
hikiyaokamoto@gmail.com

 

再び古民家の曳家工事のお問い合わせを頂いています。
今回は、弊社の考える社寺・古民家など石場建て建築物を曳家する際の留意点を担当工務店様、建築士さんに説明するためにイラストを書きましたので、
それを使って、どこに拘っているのか?を解説させていただきます。


一般的に石場建ての建物は、土台がありません。
あったとしても、GL(地盤の表層部)から10cm程度しか上がっていませんので、近年の熱帯化で、ボロボロに腐っているのが一般的です。

ですので、柱を掴んで持ち揚げます。

柱は敷居の上で掴みます。
この時に、多くの曳家は、外側だけにジャッキを掛けてしまいます。
この工法の利点は床を剝がすことなく施工できますので、曳家中の水平構面が確保されていることです。

しかし・・・

よほど軽い建物なら大丈夫ですが。
両端だけでは「中ほどが垂れます」。
そこでこのイラストをよく見てください。
中の添え柱の下には、楔を打ち込んで建物を水平に保っているわけです。
ですが、これは実際には家を載せて運ぶために鋼材が水平でありませんから、
曳家する過程で微細なダメージが行かないわけがありません。

しかも、こう組むと、曳家する際に柱の下面がレールに当たってしまわないように、レールの上に取り付ける車輪の上にかませる枕木の量が増えます。

これは「揺れます」そして、角度を変えようとしている時に無理がかかると、かませた枕木が飛んで落ちるリスクがあります。

そこで曳家岡本では、石場建ての建物を曳家する際は一旦、下腰工法で曳けるように、
鋼材を組みます。

こう組めば、柱の下面に当たる心配がありませんから、自由に組めます。

但し、その代わり鋼材を組むにあたって、GLを掘らなくてはなりません。

こうしておいて、ジャッキアップした後にレールを敷けば、両端だけで支えているのと違って荷重を分散させられます。


さらに、曳家岡本では、揺れないように曳家するために、多くの場合、レールの下にも鋼材を入れて「鉄橋」のように組んでいます。

こうして曳家しておいてから、据え付けするために鋼材を全解体して、上腰工法に組みなおしています。

この手間をかける?かけないで、正直な話、40坪程度の古民家であれば60人工程度と、余分な鋼材を運搬、持参しなくてなりません。
なので、価格重視の方は、もし近隣に曳家さんいらっしゃれば輸送費と手間の多い弊社では太刀打ちできません。
逆に規模が大きくて、大量の工具が必要とされる現場であれば弊社をご検討いただければありがたいです。
ざっくりですが、小さな曳家さんの6倍程度の資材を保有しております。

全て敷居より上に組みなおした鋼材をジャッキアップして、基礎屋さんに一旦バトンタッチします。

そして、据え付けです。

自分は、たぶん日本で一番、小心者の曳家です。
もう現役でやれる残りの時間はそれほど長くありません。
終わる時まで「1度も事故を起こさなかったなぁ」と満足していたです。


いや~~。
大量の資材を全国運搬するのは、たいへんです。
宿や資材を降ろす場所の段取りも(汗)

どうぞよろしくお願いいたします。

お気軽にお問い合わせください。
hikiyaokamoto@gmail.com


神奈川県川崎市。
偶発的対応物件ゆえ、建物が特定される画像を見ていただけませんが。
予想外の事態が連続して、当初の計画していた工事内容とずいぶん違うものになりましたが。
下準備も整いまして、いよいよ来週から「曳家岡本」3人が揃いまして、かつてやったことの無い工事をさせていただきます。

まずは、地中に埋まった配管が、割れる可能性が高く、かなり頑張ってくれたものの、アンダーピニング工事では揚がりが、足らなかった分の続きを土台揚げ工法でやります。

と、云いましても、土台があるわけでなくALC工法(軽量気泡コンクリート)で、施工されている中敷居より上の部分をジャッキアップします。

さて、ここまで作業してきて。
1枚目の画像の右上にある天井裏の点検口を覗くと・・・・・

「柱が無い~~~~」


母屋のビル部分から増築されている風除室の表玄関側の隅柱が2本とも「存在しない」んです!!
柱が無い場合は、上から吊っているものなんですが・・母屋から3m近く出た梁を支える鉄骨の柱が存在していません。
「もしかすると、外壁に出る、孕みの症状は柱が無いから屋根の荷重に負けて垂れてきているのではないか?」

現場監督さんと、鉄骨の柱を立てることになりました。

なので、来週は「ALC揚げ」「3・75mの柱を立てる」作業をすることになりました。
鉄工作業は、3年前に足立区でお寺の嵩揚げ工事でお世話になった「隼人鉄工建設株式会社」中馬専務にお願いしました。
物凄く急な依頼にも関わらず「いや~~みんなに逢いたいな~。仕事抜きで現場に顔出しますよ!(笑)」と喜んでくださった中馬専務に感謝です。

そんなこんなで
来週は堅田部長と宏くんに天井を解体してもらうところから、スタートです。

ps

川崎と云えば、大都会です。
駐車場代も高いだろうと、運搬があった間は木更津のホテルに泊まっていたんですが。
途中からシンフォニーホールの近くのホテルに移動しました。
初日は雨も降ってていて疲れていたんで・・ホテルの近くのコインパーキングに入れたところ!!翌朝2440円も支払うはめに(号泣!)

今は、24時間700円。夕方18時からだと300円のところを見つけて・・徒歩800mの散歩をして帰ってます。
300m進むと、24時間2000円になります。
300mで、1300円の差額・・・・都会の罠に嵌まらないように気をつけなくてはなりません!!

ps2
たぶんあと2か月くらいで「曳家岡本」HPリニューアルします。
なので、今の使っている画像とか見れなくなるものも出てきますので、ぜひ古民家再生に興味ある方は、現状の「曳家岡本」HPを今のうちに見ておいてくださいませ。

神奈川県川崎市で沈下修正+家起こし(軸組補正)工事が始まりました!

こちらのお仕事も「偶発的対応物件」です(←先週号の「解体屋ゲン」コンサルタント野島秀美さんの弊社 曳家岡本に対する診断を読んでくださいね。)

そういうわけで、今回は現場が特定されるような画像をup出来ませんので、なんとなく~の接写のみとなります。

さて、家起こしするにあたって「反力」をどう獲るか?は、いつも悩ましいというか?腕の見せどころなんですが。
今回は、かなり地盤が悪いので、先に協力会社さんに地盤補強工事をして頂いてます。

アンダーピニング工法で支持層まで杭を打ってもらって、あわよくばそこで沈下修正を完了させてもらいます。

で、その後、水平になった建物の開きを締め込むんですが。
周辺に、障害物のある限られた条件下で、どう「鉄骨の柱を動かす」か?は、まずまず「匠の技」かも知れません(たぶん)

ところで、少し前まで閑で困っていたんですが。
今度は「頭を悩ます」難工事の相談が続いてます。
そしてそれらに共通するのは「小さい」ので新築にした方が安くないの?と。
素直に思う内容です。

心の狭い土方としては、これは悪の工務店が「ほら~~曳家に頼むとこんなに高いから、新築にしましょうよ」と説明するための資料として、見積書を採っているだけなんではないのか?と疑心暗鬼になります。

そうなんですが・・
そうした中で確かに職人としては腕が鳴るような変な相談もあります。
RC版の板倉構法のような建て方の建築物を回転させてくれ。とか。
土佐派の曳家としては、工具の関係もありますので重い建物が苦手ですが。
これなら出来るなーー。
でも費用対効果を考えるとこれはどうなのかな~
そんなこんな変わったお話が続々と来ます。

facebookではご報告させていただいておりましたが、今月初旬  丸谷博男先生 主宰、一般社団法人 エコハウス研究会の古民家再生マイスター養成講座にゲスト講師として参加させていただきました。
今回は初めての試みとして「駄目 曳家業者の見分け方」についてもお話させていただきました。
今までも「悪の沈下修正業者」に、ついては、バシバシお話させていただいてましたが、
同業者についてはなかなか言いづらかったんで、控えておりましたが。

あまりにも、精進していないまま同業者が少ないことに慢心して謙虚でない言動をされている方を、比べることなく取材して持ち揚げている建築士さんがいらしたので。
これはちょっとよくないな・・。と。
お話させていただきました。

あ~~。都会嫌だな。搬入搬出もたいへんですしね。

首都高速乗るのもつらい。
蛙や虫の声が聴こえる田舎で仕事したいな。


9月半ばまでは川崎市におります。
関東近隣での現地調査のご依頼等ありましたらお気軽にお声かけください。
hikiyaokamoto@gmail.com

テレビ見ていると豪雨災害の状況がたくさん報道されてます。

今後、豪雨災害は増えるでしょうから、解決策の一つとして曳家による嵩揚げ工事が提案されることもあるかと思います。

浸水した建物の場合、壁や土台の消毒、乾燥が必要です。
畳と床板を剝がして消毒液を散布している映像がニュースで流れますが。今の高気密住宅ではそんなことしても壁の中、乾きません。カビだらけになります。

嵩揚げ工事+1階部分のスケルトンリフォームお薦めです。

ローコスト住宅や昭和40年代に建てられた質の悪い住宅だと、費用対効果で考えて止めた方が良いでしょうが。
ご立派な家であればやる価値はあると思います。



※この画像は、基礎の造り替え風景です。
嵩揚げ工事は弊社の工具の場合、2m程度まで問題なく施工できます。※嵩揚げ工事には大量の資材を使います。
出来れば工務店様もしくはグループで、3棟ほどまとめて頂けると安価になります。

「解体屋ゲン」7月30日発売(8月13日号)と翌週に亘って、登場します!

今回は、自分が登場するエピソードとしては最高傑作!と思います。
これは建築好きな方には、かなり面白い(はず)ですし、コロナ禍でたいへんな想いをされている皆さんには、沁みまくる話です。
建築業は飲食業に比べるとコロナ禍でも比較的好調と言われていますが、全職方が好調と云うわけではありません。

やはり不景気ゆえに依頼は減少しています。
今回は負け組「曳家岡本」の特殊な仕事ゆえに潰しの効かない苦労の一旦を見ていただくのですが。
そもそも弊社 曳家岡本は、人口減少が著しい高知県の出身です。
先代の頃は、昭和 南海大地震からの復興工事や、その後は高度成長期がありました。
その後、低成長期に入ると、道路拡幅に伴う曳家工事が補償査定方法が変わった為にほぼ無くなります。
この時に全国の多くの同業者が廃業に追い込まれました。

転機となるのは、2011年3月の東日本大震災にて液状化で傾いた家を直すプロとして、被災地を回らせていただいたことで全国展開となります。
土佐派の曳家は、上部構造を傷めないことに特化しているゆえ、宮大工との相性が良く新たな評価を得ました。
しかし、ホゾや仕口を傷めない土佐派の曳家技術を実現するためには、一般的な曳家に比べると2倍から3倍のジャッキや枕木など資材を使います。


それを千葉県いすみ市もしくは高知県土佐町の倉庫から大型トラックで輸送して、「近隣の同業者と闘える施工価格」で実現してゆくためには利益を削り、親方本人も一生懸命現場で作業することでした。

自分は後1年半で娘2人の大学生活も終わります。
無学な自分が東京のきちんとした学校に子どもたちを通わせてやれることが出来たのは、全国展開をさせていただけるチャンスをいただけたからです。
コロナ禍で、老後の人生設計を変えなくてはならなくなるやも知れませんが。
頑張ります!


小さな曳家岡本では全国、ご招聘いただければどちらにでも出向いております。
最近、お伺いした中で印象的だった事例を書いておきます。
どなたかの参考になれば幸いです

①洋館の沈下修正工事の相談

レーザーポインターで測定してみると、1000分の3程度の沈下量でした。
この程度の沈下量であれば、本格的に沈下修正しなくても、床を張り替えて住みやすく過ごせますから、そうお伝えしたところ。
「サッシや窓枠の動かなくなっている箇所が多くて、それらを全て直すと600万円ほどかかると言われました」
「それならば沈下修正工事で450万円かかったとしても、それで家の傾きが直り、尚且つ、サッシも直るのならそちらを選びたい」と言ってくださったのですが。
築30年を越えていらっしゃいましたので前所有者が何度かのリフォームをされている可能性が高く、傾きを直した際には逆に開閉が悪くなるところが出てくる可能性を指摘させていただきました。

②床下に潜れない家の沈下修正工事の相談

私どもが沈下修正工事させていただく場合は床下に潜れる高さが無くてはなりません。
先ごろ、見せていただいたお家の場合は基礎の立ち上がり(基礎梁)が20cm程度しかありませんでした。
こうなると、床を剝がしていただかないと施工出来ません.

さらに、かつてはタイル貼りの風呂場だったものを、近年になってユニットバスにリフォームしていらっしゃいました。
と、言うことは、ユニットバスの裏側には、かつてのタイルや高基礎に通された土台にアンカーボルトが締め込まれていますので。
一旦、ユニットバスを解体撤去しておいて、上の写真のように縁を切ってから持ち揚げないといけません。

ついでに書いておきますと、浴室廻りの壁が、「モルタル吹き付け塗装」だったりすると、経年で劣化、亀裂が入っていて、そこから雨水が侵入して柱や土台を腐らせている場合もあります。
そうした場合は上の画像のように、社寺・古民家の沈下修正工事を行うと同様に壁を撤去して、柱を掴んで持ち揚げておいて、持ち揚げてから入れ換えなくてなりません。


風呂場、トイレなどの水回りなどが絡む工事、および沈下が進行中に「とりあえず使えるように」とリフォームをしてしまっている場合は、元に戻すための修復費が発生することを憶えておくと良いと思います。
土台揚げ沈下修正工事は、他の工法に比べると、かなり安く直せます。

しかし地盤補強を兼ねた工事ではありませんので、再沈下に対する補償を付けることは出来ません。
それでも布基礎、および布基礎にクラックが入っていて脆弱になっている場合。そして土台や柱の取り換えが必要な場合には、有効な修復方法です。


それと、これは業務としてやっていたわけではありませんが。
最近、「こんな場合はどんな沈下修正工法が適切なんですか?」と相談いただくことが増えてきました。
あくまで曳家目線ではありますが、自分でよろしければお答えしています。
hikiyaokamoto@gmail.comまでご連絡ください。


夏はそうめんです。
そうめん「揖保乃糸」、「鮎の友釣り発祥の地」でもある兵庫県宍粟市波賀町で、

古民家の沈下修正+根継ぎ工事をしておりました。

古民家修復工事に於いて、曳家は大工さんや、建築士さんの下職です。
「下職」と云う言葉を嫌う方もいらっしゃいますが、自分は結構、好きなんです。
裏方の美学と云うか、主役である大工さんが、施工し易い環境を出来るだけ作ることで、安心して良い根継ぎをしていただけることが裏方のプライドです(笑)

足元が湿気のために、根腐りして沈下した柱を根継ぎするために。持ち揚げます。
柱を中心に四方の畳を各1枚づつ剝がした状態を作ってもらいます。
実際には、足元を拡く組んだ方が「揺れずに」「きれいに反力が獲れて」揚げることが出来ます。
しかし復旧と資材の運搬コストなどを考慮して今回はここまでです。

この鋼材の間に大工さんに入り込んでもらって金輪継ぎをして頂きます。

                       大工さんだけで施工しようとすると、こうした枕木を持っていませんから、どうしてもサッポード(3寸の角材)等であちこちを突いて持ち揚げることになります。

そうすると「転倒のアスペクト比」で考えると、高さに対して4倍の長さまでしか安定しませんから。つまり2mの高さの位置のものを突き揚げたいのなら、実際は最低でも50cmの長さの枕木を組み上げなくてはなりません。
※実際には上にものがある場合のアスペクト限界はこの限りではありませんが、ものとして倒れ辛いというだけであって、安全ではありません。
多くの工務店経営者が、大工さんや建物の安全を考慮して曳家の技術を取り入れてくれたなら良いなーと思います。
曳家岡本では、実際には、組み上げる高さの2分の1の長さの枕木で組み上げるようにしています。
これは設置圧や揺れを考慮した際のマージンとしては確保しておきたいものです。


今回の作業でぜひ注目して頂きたいのは、この画面の中央部分にセットされた単独のジャーナルジャッキです。
柱が存在しない部位なのに、なぜ?ここにジャッキを掛けているのか?ヘタクソですが、イラストを描いてみましたので見てください。


この揚げたい柱を専用金具で掴むだけでも2トン持てる計算にはなるのですが、
マージンを採っておきたい自分としては、大黒柱の位置に注目してください。

そう。この大黒柱とえびす柱の位置のずれに注目です。
この大黒柱から右方向に、もしかすると以前は柱があったのでは無いか?
そうでなくとも、赤星印の部分には荷重が掛かっていると判断して、上の画像のように根継ぎする柱から90cmの間隔しかありませんが、ここを応援揚げすることにしました。
これは結果として大正解でした。

根継ぎした柱は、着色せずに、「ここまでして遺した」と見せる場合もありますが、
今回は部屋の中央ですので補修の跡が目立つのもどうかと考えて、古色を付けました。

広島棟梁がアンバ粉の茶色とベンガラと墨を混ぜた塗料を作ってくださいました。

畳敷いてミッション終了です。

ちなみに、今回は弊社の所有する850kg積載のトラック2台(往復しました)に積み込める量の工具、資材で全てを賄う。というやりくり算段がありまして、
予定外が起こる可能性の多い仕事ゆえ、なんどもなんども積み込み前には拾い出ししてました。
それでも、姫路市に着いて、いよいよ明日から実作業を始めるという前日は、夜中の2時半くらいから眠れなくなって。
当日は無事に組み上げましたが、翌日のジャッキアップを考えると2日目の夜も3時くらいから眠れなくて・・
ジャッキアップが終わった3日目の夜に、なんとかゆっくり眠れました。
なんでも余裕を持って~と云うは簡単ですが、限られた予算、日数の中で最高の結果を出さなくてはプロとは言えないですから。
なかなかたいへんです。


「転倒のアスペクト比」という言葉は今回、帰路で立ち寄らせていただいた香川県丸亀市在住ながら全国展開をされている建築士、株式会社齊藤正轂工房 – Tadashi Saito + Atelier NAVE (koshiki.net)である齊藤 正先生にご教授いただきました。
齊藤先生ありがとうございました!


今回の現場は、お施主さんから山形県の曳家「我妻組」さん曳家工事・沈下修正 我妻組 – 建物移動 曳家・沈下修正のプロフェッショナル (wagatsumagumi.jp)にお問い合わせあったものを弊社が近くだからと、ご紹介いただきました。
我妻さまありがとうございました。

コロナのため、自宅にいることが増えたので。この機会にリフォームしようと云う方もいらっしゃるようです。
そんな影響からか、ここのところ、家の傾き(沈下修正工事)に関するお問い合わせが何件か、連続してありました。
たた、壁クロスの貼り換えやトイレの交換などに比べると、沈下修正工事は「家を持ち揚げる」という大工事ですので、まずまず費用もかかります。

 

↑の画像は沈下修正工事が終わって、床下を掃除した後の記念撮影です。
(詳しくは、曳家岡本のHPを見てみてください。)

一般に沈下修正工事というと、今では基礎ごと持ち揚げるアンダーピニング工法をイメージされる建築士さんが多いと思います。
しかし、アンダーピニング工法は例えば1階が23坪程度の木造2階建てで、沈下量が最大10cm程度であった場合、支持層の深さや家の周りの作業環境で前後するものの、800万円から1000万円程度かかります。
相場より安い場合は、基礎下で打つ本数を減らしてます。
素人が考えても支持杭の本数が多いのと少ないのでどちらが強いか?判ります。

これは、下腰工法で曳家するために持ち揚げた状態の画像ですが、
曳家岡本ではご覧の通り大量のジャッキでお家を持ち揚げます。
その方が家が傷まないからです。
もちろん、経年劣化で弱っている自分の右手首にもやさしいんです(笑)

話戻して・・昭和40年~平成の始まりの頃に建てられたお家で、地盤補償が失効している、或いはそもそも付けていないお家の場合。
アンダーピニング工法や薬液注入工法を実現するまでの予算は老後資金を考えれば使えません。
自費での工事の場合は、200万円~300万円前後で傾きを直せる土台揚げ沈下修正工事が現実的です。
そうかと云って、専門でない人間に沈下修正を頼むと人間で云えば、あばら骨を折ったり、中身スカスカの張りぼてのような工事になります。

 

 

基礎の修復具合は優劣が判り易いですから、使っていますが、
プロは揚げる手間やジャッキの掛けるポイントが違います。
youtube見ていると、見るのが嫌になるような大工もどきの方が、親の仇かと思うくらい乱暴にジャッキを押しています。
お前!そんなことしてて土台を折らないか!次のジャッキ巻きに回れよ!と怒りに震えます。

ですが・・現実はコロナの影響で仕事、閑です。
値引きせず適価できちんとした施工をする。を売りにしてきましたが、理想も云ってられません。
コロナ割をします!通常時より2割程度安くします。


地盤からの修復ではありませんが、建てて9年を経過したお家の場合は、近隣に水脈等が無ければ「置き換え工法」の原理で圧密沈下は終息していると考えられる場合がほとんどです。
曳家岡本のコロナ割ご利用ください!

お気軽にご連絡くださいませ。
hikiyaokamoto@gmail.com