「揺れる想い」小建築物の高所での曳家工事
不幸にも現場が止まっている間(詳しくは前回のブログ見てね)も、show must go onです。
親方業は止められません。
主宰の建築家 塚原さんに「こんなに良い内容だったら、もっと知り合いの建築士に声かければ良かった」「もう1度やってもらうことは出来ますか?」というお言葉をいただいて、純朴なデルスウザーラ職人としては、嬉しいかぎりです。
11日、12日と東京都墨田区にある塚原さんご夫妻が運営される建築家向けウォーホール「ファクトリー」のような,studio ai architects | 建築士をもっと身近に / 建築デザイン事務所
で、「沈下修正の代表的な6つの工法の解説」と翌日は「曳家が語る構造から直す古民家再生」というセミナーを実施させて頂きました。
沈下修正工法セミナーの方は、もう10年くらいご依頼があればあちこちでやっているんですが、出版させていただいた「曳家が語る沈下修正ホントの話」(主婦と生活社)やwebセミナーでは言えない暗黒面も話させていただいてます。書籍の補完です。
↑これ初版で4500冊出してもらったのですが、大人の事情で増刷止めて頂きました。
今、再びamazonとかでプレミア価格になってますけど・・欲しい方いらしたらご連絡ください。メルカリ等で転売されないように嫌がらせで宛書してから販売します><
両日ともすれ違いでしたが、それぞれ若い曳家さんが来てくださって、先輩としてがっかりされないように頑張って普段は話さないようなちょっと難しめのことも講義させていただきました。
本当にどこらへんまで専門的な話をするべきか?いつも悩みます。
↑懇親会は、スタジオの屋上です。後ろに見えるのはご存じスカイツリー!
ご近所には、「野口鮮魚店」の本店があって、そこだけ行列です。
その合間にも8月に施工をご依頼いただきました谷中の現場の打ち合わせに御同席してくださった建築士さんに「曳家さんって、みんなこんなに地盤や沈下修正技術のついて詳しいんですか?」とご質問いただいて・・「もちろんです」とは言えませんが。
曳家職人が筋肉馬鹿と思われないような広報活動は出来てます(笑)
16日は、丸谷博男先生が主宰される「古民家再生マイスター養成講座」第3期のゲスト講師をさせていただきました。
丸谷先生が現在、手掛けていらっしゃる日本の建築物に関するスタイルブックのことや、欧州の建築家はイタリアに憧れているなどのお話の後に、自分が登壇させていただいて曳家技術を使っての古民家の骨組みをいかに直すか?をお伝えさせて頂きました。
自分の単独セミナーと異なり講座の中の1コマですから、必ずしも自分の講義を目的として来られているわけでは無い方々に、どう「聴いて良かった」と思っていただける内容を出来るか?改めて考え直しました。
↑懇親会にて、右端は丸谷先生、真ん中は季さん(日本で20年、建築士事務所に在籍して1級の資格も獲られています)。
そして、左端は、風祭さん(松井郁夫事務所に2年間押しかけ勤務されてから、独立されてます)です。
そして先日は、とうとう来ました!
大型古民家の曳家+家起こし+土台入れ換えなど曳家技術全使用のご相談。
↑鴨居に飾らていた書画。日本画はほとんど判らないんだよな。
半蔵門線住吉駅を降りて、ヒューレットパッカード日本本社のそばを通っての帰路。
東京の夜はすごく涼しいです。
お気軽にお問い合わせください。
hikiyaokamoto@gmail.com
中国発SF小説の傑作「三体」にちなんで、「三体の家」と呼ばせて貰っている特殊な造りのお家の修復工事が続いています。
「戦争は始めることより終わらせることの方が難しい」と書かれていますが、こちら「三体の家」も、どこまで直せば良いか?に迷うところです。
例えば「通気を確保するため」に大量の土で埋め尽くされていた土間を斫り、35トンもの、土を搬出してゆく中で予想外の傷みが現れてきます。
大量の石も出て来ます。
玄関側の日当たりの良い部分が飛び石のように白蟻被害がありました。
さらに、烈しい雨が降った日に、作業をしていて判明したのですが。どうやらこの周辺の基礎のフーチングと立ち上がりに、亀裂が入っていて雨水が床下に侵入していることも発覚しました。
これを問題点(の一つ)が判明したからある意味良かったと捉えるのか?見なかったことにしてチャンチャンと自分の工事のみを進めるのが良いのか?
自分は、土壁も塗り直して撤退の日に最後になって「あー。この2本の柱、根腐りしてるから気をつけてね」と言う大工にはなれません。
この亀裂がどういう問題を孕むのか?「構造塾」グループの掲示板で教えを募りました。
すると・・
福井市の福登建設、清水社長から以下のようなアドバイスを頂きました。
「単に柱を受けたり床を受けたりだけだったら、まぁ、そんでもいいかなーとは思います。ただしそのフーチング+立上りのラインで耐力壁を受けてるならダメっすw あと、直交してるっぽいんで、その直交してるラインでも耐力壁があればダメっすw
僕が社長に頼むなら、「土台、ジャッキで浮かしといてw」ってゆって、立ち上がり作り直しますw」
独立の柱も、図面上は「鉄骨」ということになっていたんですが・・
檜(木材)でした!!しかも腐食しています。
しかし・・鉄骨で無いなら「結露」の心配は無くなります。
↑梁も鉄骨と説明いただいてましたが、木造でした。しかも白蟻被害あります。
「岡本は甘い。なんでも正直に言っていたら、費用が増大して依頼が無くなることもあるだろうが」とも言われますが・・・
漫画「正直不動産」ではありませんが、例え仕事を逃がすことになったとしても、
問題点を見つけたら隠すことなく伝えて、その上でどう直すか?はお施主さん(もしくは建築士さん)に決めていただく姿勢で生涯を終える覚悟です。
↑そんな、ゴーイングマイウェイぶりを新創刊の建築雑誌「木と建築」でインタビューして頂きました。
こちらのお家は、工事を止めてくれ。との連絡がありまして、
本日、一旦、清掃をして現場を抜けることになりました。
現場を離れてプリウスに乗ってます。
快適だなー。静かだよね。
愛媛県四国中央市での沈下修正工事を終わりました!
お施主さんが、建付けを気にされていたんですが。
それは参考にはするものの、「動く」扉やサッシ、窓部分は「構造材」ではありませんから、
そちらに惑わされるのは間違いです。
何しろ、傾いているお家の場合は、何年かの間に動かなくなった扉を動かす為に、削ったり、車輪の上げ下げをして調整したいることもあります。
ですので、私ども構造を直す「曳家」職人が入らせていただいた場合の優先順位としては、他の職人さんでは手をつけることが難しい、土台や柱の水平・垂直を大切にします。
↑のグリーンレーザーの光の線を見ていただくと判るように、これできれいに土台の下面が揃っています。
こちらのお家の外壁の水切り部分の仕様の関係で、持参したコンパネを土台下に当てることが出来なかったので、今回は全て左官小手でコンクリート、モルタルを詰めました。
現場に最終確認に来てくださった監督さんと話していたら、配管工の職人さんが「早い!きれい!こんなに簡単に家って揚がるの?!と言って下さっていたそうです。
もちろん「熟練の技」もありますが、プロとしての道具が揃っていることが重要です。
廃業された曳家さんから頂いたKYBのオイルジャッキや、きりんなどが増えたんで、2段重ねにして片づけました。
堅田さん、宏くんには先に東京都世田谷の現場に戻って貰いまして、新たに追加工事のご依頼をいただいた部分の下準備を進めて貰います。
助っ人として、横浜市都筑区の古民家曳家や足立区のお寺さんの嵩揚げなどにも参加してもらってました、Iさんに久しぶりの参加をお願いしました。
で、自分は愛媛から高知に移動しまして、確定申告やら車検(今年はエアコンも直します!)などなど用事を済ませてから、上京します。
ps
先日、告知させていただいたセミナーですが。
6月11日(土)「沈下修正」編は残り3席、12日(日)「古民家再生」編は満席となりました。
本当に感謝します。
また、セミナーのご要望が、あれば全国各地出向きますのでお気軽にお声かけください。
ps2
もっと曳家の技術で何が出来るか?を建築士さんや工務店さんにPRしてゆかないと、使っていただけないまま廃れてしまう。
と、始めたセミナー活動ですが、今回は若い同業者の方が2名も参加してくださるそうです。
それで、曳家同志で集まって、話できればなーと思う次第でして、8月頃に「ニコニコ曳家懇親会」を企画しようと思います。
もし、声かけてくれよ。という曳家さんいらっしゃればメッセくださいませ。
40年以上前の話ではありますが。
ファミリーレストランへ食事に行った際に、同級生がウエイターとして働いていました。
←これは、浅草橋「大吉」さんの豚テキです。
ステーキ?を頼んだらしい中年夫婦の男性が、文句を言っていたかと思うと、突然、料理の入った皿を彼の顔目掛けて投げつけました。
どうやら、
「この肉、焼けてないぞ!」
「お客様に焼き加減はいかがされますか?とお尋ねして、レアをお選びいただきました」
「なんじゃあ!お前!客に口答えするのか!」
と言う流れがあったようです。
以下、文末に続く。
愛媛県四国中央市で、沈下修正工事をご依頼いただきました。
愛媛県に来させていただくのは6年ぶりです。
さて、先に堅田さん、宏くんに現場を進めてもらっている間に、自分は、徳島県吉野川市で、古民家(商家)の沈下修正工事+嵩揚げの現地調査をさせていただきました。
橋のそばに建つお家の多くは、近世に橋の架け替えの際に、道路面より下になってしまっていることが多いです。こちらもそう。
理想は道路面まで嵩揚げして往時の姿を地上に晒すことなんでしょうが、ご予算との相談となります。
今回、同行していただいた徳島県の真面目なイケメン大工さん、日浦棟梁がかつての親方の言葉として、「基礎と構造は出来ることはやっておかないと後で後悔する」と提言。
これ、さくら事務所の田村さんも全く同じこと言われてます。
自分らに出来るアドバイスはさせていただきましたので、ここからは建築士でもあるお施主さんのご判断です。
実際に使われる方が判断することが一番正しいですから、ご希望に沿うのみです。
四国中央市の現場周辺の風景です。
山間ののどかな風景の中に、比較的新しい道路が付けられて住宅地が出来ています。
高度成長期の住宅ブームの真っ最中。市街地からのアクセスが良い土地は次から次へと造成されて高額で売れました。
その頃は、地盤に対する知識が、プロの建築業者でも薄かったため、谷間の田んぼの中という軟弱地盤にお家が建てられてしまいました。
こちらは、当職より少しだけお歳上になるご夫婦が、「人生最期のリフォーム工事」の中の一つとして、家の傾きを直すことを選んでくださいました。
実際、多くのリフォーム会社は、床で直した(←それは直してなくてごまかしたです)とするのですが・・こちらのご夫婦は沈下修正工事をする。ことを選んでくださいました。
こちらのお家では、最大沈下部分は90mmでした。
順次スペーサーを入れてゆきます。
ジャッキアップ始まってからお施主さんの奥さまが、本当に喜んでくださると共に、まだ仕上げ前ですが、「6mm」の誤差を感じてくれてまだ直ってないんですよね?と厳しくチェックしてくれます。
期待してくれると、こちらもやりがいがあります(笑)
スペーサーは今回もイタウバと、高知の倉庫に残っていたオーストラリア檜。
今回の工具類は9割以上は高知の倉庫から運びましたので、癖が違うので慣れるまでロスも出しました。
堅田部長は「やっぱり自腹で自分専用の工具を持ち廻るようしよう」と言ってくれてます。
地元のリフォーム会社さん経由ですので、お家を揚げるに付帯しての準備も万全です。
今回は床上はそのままで~という工事ですので、床下でのアンカーボルトを切断→溶接という流れになるのですが。
ブリッジ鉄板を通す為の、斫りの深さでは横筋が出てきませんでした。
なので、溶接の際のアースが獲れませんので、ケーブルを引き回さなくてはなりません。
堅田部長が、とほほ。となってます(苦笑)
冒頭の続き
彼は、黙ってこぼれた料理を拾って片づけていました。
この現場では、床下にグラスウール断熱材が仕込まれている為、潜って作業すると首筋など激しく痒くなります。
休憩時間に、文句を一言も言わず、痒そうにしている宏くんを見ていると、ステーキを顔に投げられた同級生を思い出してしまいました。
誰も彼の苦労を見ていないかも知れませんが、自分はまたしても目撃者です。
ps
コロナ禍で停止しておりましたセミナー活動を再開します。
単独セミナーは3年ぶりくらいです。
「沈下修正工法」は残席4名。「構造から直す古民家再生」は残席8名です。
建築士さん、工務店さん向けです。
どうぞよろしくお願いいたします。
昨年秋に契約していただいてから、時間が経ちましたが、ようやく世田谷区の高級住宅の沈下修正工事始まりました。
このお家は、全ての柱が5寸角の桜、欅、屋久杉を使われたものすごく手間も費用もかけた三階建てのお家です。
その特別な造りと、難しさから自分は勝手に「三体」の家と呼ばせていただいています。
僅かに遺された施工中の写真から、土台がコンクリートに埋まっていることを確認しておりました。
それゆえ、ジャッキアップには土間?を全て撤去するところからスタートでした。
施工前に、可能性を指摘しておきましたが、床下の通気が無いためやはり何メートル分かの、土台の腐食がありました。
通気=耐久性ですから、(株)ハウゼコ神戸睦史社長の講義を拝聴させて頂いた者としては、改めて通気の重要性を痛感しています。
※(株)ハウゼコさんは、駄目なローコスト住宅と通気をきちんと施工したお家を半年、1年の間隔で壁を剝がして、内部がどう腐食してゆくか?の実験をされています。
神戸 睦史んなわけで、お施主さんから、床下の通気を良くしたい。将来のメンテナンスの為に床下に入れるようにしておきたい。と、ご依頼を請けて土出しです。




これが本物の土工パワーです(涙)
堅田さんと宏くんに「自分ら、最近、激しい肉体労働続くなー。」と嘆かれますが・・
流石に、以前は、解体屋をだった2人です。
早い!段取りも良い!
アンダーピニング工法での沈下修正工事をされている(株)テクノの小口社長も、気分転換を兼ねて(笑)マイスコップを持って応援に来てくれました。
小口さん!サンキュー!ありがとーございます。
↑こんな感じで出しておけば、後々の配管などのメンテナンスも簡単です。
こちらは、床下の土を出してみたら、土台の下にコンクリート基礎がありませんでした。
2トンダンプを手配して、7往復で14トン分を出したところで。
解体屋さんにバトンタッチさせていただきました。
解体工事は三郷市の「創心建設」さん。タワーパーキングの解体をはじめ他社がやりたがらない難工事を得意とされている会社さんです。
今回もまた土台の取り換えなど躯体の改修工事がメインになりました。
ps
GW中は、愛媛県四国中央市での沈下修正工事を行うために一旦、東京を離れます。
最近の3現場は全て江東区大島の自宅兼マンションから通勤しました。
娘たちとこんなに長く暮らすのは本当に久しぶりです。
たぶん人生最期の娘たちとの時間。いつも一人で過ごしていますから、面倒だなーと思うことも多いですが・・大切にします。
ps2
家内とも、小さな贅沢。
浅草橋「大吉」でランチ食べたり、東京スカイツリーソラマチで「えびそば 一幻」でラーメン食べたりしています。
コロナでも倒産せずに続けられていることに感謝。
世界に平和が戻りますように。
お気軽にお問い合わせください。
hikiyaokamoto@gmail.com
東京都調布市で、沈下修正工事をさせていただいています。
こちらは、賃貸として使われるものですので、かけて良い金額の上限があります。
オーナー様にご説明させていただきながら、取捨選択をして工事金額を出させていただきました。
※こちらのオーナー様は「人に貸すものですから、危険の無いようにしてください」とはっきり言ってくださいました。
これは気持ちの良い言葉です。
こちらのお家もそうですが、お家の傾きを直す技術がないままリフォーム工事を請けて、傾いた家に合わせて対面型キッチンテーブルなどを斜めに設置した場合は、将来、お家を直す時には逆になってしまいます。
初めに構造をきちんと直しておかないと、後で困ったことになります。
さて、現場ですが・・
再建築不可物件ゆえ、おかしなリフォーム工事をしています。
無理矢理、土台の取り換えを行ってはいましたが、アンカーボルトを獲ることが出来ていなくて、本来の柱の乗っている土台では無く、
添え土台を取り付けておいて、その土台にアンカーボルトを入れておいてそれをコンクリート基礎を増し打ちして緊結してます。
ご苦労様です。でも努力の意味は判ります。
※青い矢印部分が本来の土台です。柱や間柱が乗っています。
※白い矢印部分は添え土台です。この土台にアンカーボルトを付けて固定するために、基礎を増し打ちしてます。
いつも言いますが、地盤沈下で傾いているお家にコンクリートの増し打ちは「重し」を増やしているだけですから、間違っています。
今回は、予算を圧縮するためにオーナーさんと話し合って、基礎立ち上がりに負荷を掛けますが、低床型ジャッキをシングル掛けして、簡易にジャッキアップしました。
逆に、コンクリートの増し打ちをしているために、可能な施工です。
それにしても、1000分の20も傾いているお家を床を貼って「リフォーム済み」にするセンスには脱帽です。
以下は長いですが・・。
参考価格と「安い」土台揚げ沈下修正工事を望む方にアドバイスを掲載しておきます。
およそ1階が22坪程度の長方形のお家をイメージしてください。
●
土台揚げ沈下修正工事「●●様」宅
(アンカーボルト再緊結作業含む)
小計① ¥2080000-
実施諸経費
(簡易養生材含みます)
小計② ¥605000-
1、移動費 ¥120000-
(@6000×2名×18泊)←
3、宿泊場所駐車場代他諸経費 ¥60000-
税込み合計金額 ¥3389100-※
●●さんのお家の場合は、
今回の工事と併用して、お風呂場を解体して、
後のことを考えるとやっておくと得です。※
それと、沈下量が150mmを越えているとのことですが。
弊社の場合、70mmを越える沈下量の場合は、
この作業をすると施工範囲にもよりますが、
鉄筋は人間で云えば骨ですので、骨が無い部分が長くあるのは「
これも推奨しております。※
特に酷い部分だけでも~ともありましたが、
傾きが残っている以上は沈下している側に荷重が集まっていますか
ここも悩ましいところです。契約時に40%,
2、玄関部分のタイルの復旧
3、基礎立ち上がりの刷毛引き(上塗り)
4、トイレ、給排水の取り直し
5、ガス管?
6、廃材処分費
7、玄関入り口左手の独立柱の外壁の修復
その他、弊社の沈下修正工事以外の付帯工事
可能性としては、お家を持ち揚げる際に、壁、
また襖やサッシの建付けの調整などが必要になる場合があります。
※
工事開始して3日程度は、電動ハンマーで基礎を斫りますので、
※
その間、粉塵がある程度は出ますゆえ、
粉塵が入りこんで困るもの(電気製品など)
●
先日、●●県の工務店さんからのお問い合わせの中に「
という文面と共に資料データが送られてきました。
以下はその際に弊社が金額の違いについて回答したもののコピーと
次にお施主様は出来る限り安くを願われてます。
とのことですが、この場合、
1,コンクリートを増し打ちする分を全てモルタルにする(
2、アンカーボルトの再緊結を溶接等でなく、斫りだして、
3、ジャッキアップした基礎立ち上がりに、縦筋を足さない(
4、ジャッキアップの際に、
5、爪ジャッキを使用する(
こうしたことの積み上げで、金額は上下いたします。
もちろん施工範囲の拡さやお家の周辺を含む作業環境などで金額は
サイプレスが入手できなくなってますので、今回から、スペーサーはイタウバです。
固くて丸鋸が煙りをあげます。
ps
お気軽にお声かけください><
hikiyaokamoto@gmail.com
HPも見てくださいね。
千葉県柏市の、沈下修正+ろうそく基礎を造り換える工事ですが・・
コンクリートの養生期間を挟んでいたら、雨天順延が続いてしまいまして、完工が延びてしまいました。
型枠を2段階に作っておいて、出来る限りバイブレーターを挿入して強度を上げるよう細工して、最期の上部70mm程度は、僅かに発砲するコンクリート接着剤を混ぜたコンクリートを逆打ちしてゆきます。
反対側にはコンパネが充てられていますので、外側から鬼のように強く突きます。
この週は親方業が多くて、自分人生でもっとも現場を抜けさせていただきました。
任せられる先槍がいることは本当に幸せです。
そんなわけで、現場に入ると、逆打ちをしたくて、トロ箱にコンクリート入れて貰います。
コンパネの切れ端や、目地小手などを使いながら、ひたすら強くキメてゆきます。
ここで大切なのは、我々は仕上げをしているわけでは無いですから、とにかく固い基礎を造るということです。
ある大手HMの研究員の方が、「職人は手を抜くから、こちらが使う資材や手順を指定しなくてはならない」と言って、無収縮モルタルで詰める施工手順を指定している現場がありますが。
自分はモルタルよりコンクリートの方が固いことを知ってます。
良い施工をしたいです。
受けていた枕木などを抜いて、最期のコンクリート詰めです。
堅田部長が、雨の中、道路の掃除です。
ps
長いんで、興味のある方だけ読んでくださいませ。
ものすごく久しぶりに東北の工務店さんからお電話いただきました。
先ごろの「福島冲地震」で再び被害を受けた住宅の沈下修正工事についてです。
このお家は大手HM製の軽量鉄骨で建てられたお家なので、土台がありません。
なので、弊社が行っている「土台揚げ沈下修正工事」は施工不可能です。
しかし、かなり立派なビルドインタイプの車庫が絡むため、アンダーピニング工法での基礎ごとのジャッキアップを施工するとなると相当、高額になります。
そこで、何か良い手だては無いか?と旧知の当職にお電話くださいました。
以下、返信です。
思い出していただいて、ありがとうございます><
自分は図面を見るのはあまり得意ではないのですが、
①
基礎立ち上がりは3種類描かれていますが、
一番低いもので380mmという認識で間違っていませんでしょう
(床下に潜れるか?どうか?を知りたいんです)
②
布基礎でよろしいでしょうか?
③
地盤調査を入れるとのことですが、
弊社の工法の場合だと、地盤補強or改良は出来ませんので、
どちらにせよ、
土台揚げだと、どうしてもアンカーボルトの再緊結(
地震のことを心配されて~ということだと。
お仕事させていただいて良いのか?甚だ悩ましいところです。
※
↓床、壁を解体させていただけるなら古民家の沈下修正と同じように、柱を掴んでおいて、コンクリートで巻き直すということも出来ます。
どうアンカーボルトの緊結をするか?が大事です。
そして施工金額ですが、
以前に同様な住宅の施工を行った際には、400万円(
(土台揚げの場合は、配管関係の延長や、
工期は18日程度でした。
参考になれば幸いです。
[逆井駅]と書いて、[さかさいえき]と読める高知県人は存在しない。たぶん。
千葉県柏市で、沈下修正+基礎の造り替え工事のご依頼を頂きまして、施工させて頂いております。
こちらは、お施主さんご夫婦が結婚を機に、お家の傾きを含めての大規模なリフォームをご計画されて~なんですが。
増築部分の基礎が、
無筋および今どき見ない「ろうそく基礎」(基礎のフーチングが無い)状態でしたので。
これは沈下を直す云々の前に、基礎を造り換えないといかんだろ!ということです。
↓基礎の立ち上がりの下を見てくださいね。
そんなわけで、基礎を全解体するべ。と作業していたら、床下に大きな空洞が出てまいりました。
これを見て見ぬふりして、掘った土で埋める業者さんもいるでしょうが。
それでは表層部分しか埋まらないです。
自分としては、若いご夫婦に追加予算も言いづらくて、砂で埋めることも考えたんですが、堅田部長が「いやいや、親方、調べるだけ調べてくださいよ」
と、云うので、セメントミルクや流動化処理土で埋める案も含めて検討しました。
でも、まあ聞くだけでも電話しようと、昔から薬液注入工事が必要な時にお願いしているTS技工 俊成さんに電話しました。
事情を話して、セメントミルクと薬液注入工事をお友だち価格でやって貰いました。
施工計画は、地割れが進行しないように手前側に6本の薬液による土留めを作りました。
↑二重管で、アルカリ性薬液と硬化剤を注入しているところです。
幸い表層から、2mほどで固い層に当たりましたので薬剤が良く効いてくれました。
※
これを読まれている地盤関係者、建築士の方の中には、なんて乱暴な施工計画なんだ。
きちんとSSをして、原因を突き止めてから施工するべき。と思われる方も少なくないでしょう。
もちろんそうしたいです。
しかし、調査、解析の費用の方が大きくなることは必至です。
自分らは、血を流している患者がいればすぐに止血する役目を担っています。
道路前側も、後ろ側も雨水が地中にそのまま放出されていましたが、それだけが原因とも思えません。
もっと大きな原因は、もしかすると近隣での土木作業による掘削かも知れませんが。
とにかく自分たちに出来ることとして、こうした雨水処理など気がついた部分は元請けさんに報告して改善してもらうのみです。
土留めを終わらせてから、セメントミルクで、空洞を埋めました。
地盤改良終わりましたら。早速、基礎を造ります。
堅田部長に「親方、基礎工事は止めておきましょうよ」=儲からない+たいへんだから。
と言われますが・・
視察に来てくださった地盤審査補償機構の三島さんによると、
「いや。岡本さん。本当に床下で基礎造り替える工事を請けてくれる業者なかなかいないから、稀少ですよ。お客さんは、ありがたいですよ」と言って貰えてますから、やむを得ない時は頑張ってつかーさい(汗)
基礎立ち上がりの打設の為に、枕木を逃がしたい部分は、ジャッキベースを埋め込みます。
こちらの現場は、柏市で、お世話になっている武藤棟梁が指導されている大工学校を卒業された柏市増尾台|インテック株式会社:住まいの外装・内装リフォーム (intech-inc.jp)の田所社長をご紹介いただき入らせていただいてます。
田所社長は、柏市内で半径3kmのみで活動している工務店さんです。
「気軽に相談できるから助かる」という評判の地域密着型工務店さんです。
電話もらうと「ああ、じゃあ10分くらいで行けます」とパーンと出て行かれます。
いいな~。
徳島県のご出身とのことで、「はやしのお好み焼き」の話で盛り上がったのは当然です。
沈下修正、家起こしなどは「曳家岡本」までお問い合わせください
電話、web上でのご相談は無料です。
現地調査の場合は、近隣を通過する際に寄らせてもらうなら税込み30000円です。
無料で呼んで、しつこく営業されるのを嫌な方向けです><
hikiyaokamoto@gmail.com
まで画像データとか、くださいませ。
ps
堅田さんたちが、ベースを打ってくれている間に、自分は千葉県旭市「支那ソバ へいきち 」に、ラーメン食べに行ってました><
香川県三豊市を拠点とされている「裕建築」島田棟梁の現場は良い空気が流れている。
島田棟梁の奥さまも、お施主さんもみなさんが笑顔だ。
時々、自分なりに勉強されて、(←そこまでは良いのですが)職人や工務店担当者を抑え込もうとするお施主さんもいますが。
そんな素人にやり込められるようなプロは存在してはいけないし。そんなプロには頼むべきでないですから、上から目線で職人に意見したいのなら。
そういう態度でも笑顔を崩さす裏で舌を出しているような業者と仲良くしてください。
島田棟梁から、現在、手掛けている古民家再生現場の大黒柱が沈下している。根継ぎをしたいので見に来てくれないか?と電話があったのは、千葉県いすみ市での輸入住宅の沈下修正工事中でした。
↑以前にも、修正しようとした跡が残っています。
もちろん充分な資材や工具が無ければ揚げることが出来なくて、柱を4分割して、少しづつ入れ換えてました。
高知県宿毛市の現場が終わったら少し休もう。と話していたんですが、島田棟梁の工事が止まるのを避けるためには、お手伝いさせて頂けるなら参上するしかありません。
しかも島田棟梁(通称:島兄)は、現地調査に寄って打ち合わせすると。
「親方、もう予定入れておいてください」
「お施主さんに追加工事費を云うのは辛いんで、自分の手間から出します」とまで言う。
いやいや・・それはお施主さんにも相談した方が良いですよ。
島兄の大工棟梁としての気持ちに応えるために、自分に出来ることは安く、早く工事させてもらうことです。
資材の搬入が終わったら、開始1・5日で予定していた大黒柱と、恵比寿柱に該当するだろが、4寸しかない柱をジャッキアップさせていただきました。
今回は、堅田部長と宏くんが枕木の組み方のプランを考えて、2人でやってくれました。
↑座屈してます。ここは恵比寿柱ですから、せめて六寸はあって欲しかったです。
なんでも昔の大工職人が素晴らしかった!というのは間違いです。
少なくとも町場の大工は構造設計出来てません。
恵比寿柱については、隣が壁になるとのこでしたので、添え柱を立ててもらうことになりました。
枕木や鉄骨を組むのは早いですが、ジャッキを巻くのは遅いです。
徳島から応援に来てくださっていた日浦棟梁が、「大工とジャッキの巻き方違いますよね」と言われてましたが、自分らが鉋使っても上手く削れないと同じかもです。
島田棟梁が金輪継ぎの刻みをされている間に、お施主さんのお父様と談笑しつつ。
「梁がこんなにも重なっているにも関わらず、この柱の口径が小さすぎますよね」と説明させていただいていたら。
そういう話になったようです。
良いよなー。良い改修をしたい大工さんと、理解してくださるお施主さん。
結局、大黒柱、恵比寿柱の2本を根継ぎ。
真ん中の柱を抜き換えしました。
相判での待機日も含めて4日間です。
今回は、予算の都合もあって、完全に水平ということは出来ませんでしたが、それは後の改修を担当される大工棟梁:島兄が折り合いをつけてくださいます。
島田棟梁は、まだ51歳。もうしばらくは香川県近隣の皆さまには機会があります(笑)
↑島田棟梁(左側)と自分です。3年くらい前かな?
この後の島田棟梁の予定は、次は倉敷の石場建て伝統構法のお家の設計を専門とするバジャン和田洋子先生にお願いした新築があるそうです。
何でも自分でやるのでは無く、プロとして必要とあらばその道の専門家を頼る風通しのよさが島田棟梁「裕建築」の魅力です。
ps
もちろん香川県に来たならば、お昼は讃岐うどんです。
三豊市の「小野」です。
ps2
お気軽にお問い合わせくださいね。
島田棟梁との記念写真も、自分は頑固おやじみたいに写ってますが、本当はケン・グリムウッド「リプレイ」や、オルダス・ハックスレー「知覚の扉」を読んでいる文系ですから!そして娘とカヌレ食べているスウィーツ爺ですから!怖くないよ(((´∀`))
hikiyaokamoto@gmail.com
今回の現場(高知県宿毛市)では、ホッとする瞬間には、ZARDの「揺れる想い」がリピートされてしまいます。
とにかく建物が小さい、しかも高く持ち揚げる+剛性。なので「揺れます」。
GLから、4m持ち揚げて曳家するわけですから、枕木の間に、コンディションの悪い枕木を選んで差し込んでおいて階段にしているんですが。
この昇り降りだけでも、足に来ます。
それ以上に緊張するのは、クドいですが、建物が小さいですから、4隅にジャッキを掛けて持ち揚げてますが。
ジャッキの僅かな上がりの違いで、4点のうち1点が遊んでしまっている場合があります。
揺れないように、鉄骨を上下2段に組み入れるためのジャッキの位置を変えてを繰り返します。
そのうえで、枕木と鉄骨を組んでゆきます。
時々、ジャッキの位置を変えた為に、荷重が抜けている枕木に手をかけてしまう心配がありますので、常にお互いを見張って注意し合います。
右側の宏くんへの矢印マークの廻りに見えているのが、今回の据え付け位置です。
いよいよ、据え付けですので、またジャッキの位置を細かく変えながら、鉄骨を抜いてゆきます。
さて?この状況下でどうやって鉄骨を抜き切るのか?
答えは、こちらの写真です。
4隅に、同じサイズの鋼材を取り付けて、そこにジャッキを掛けました!
曳家職人って、仕事を請ける際にはどう据え付ける?までデザイン出来ています。
据え付けました!本当に最期の最期まで揺れて緊張を強いられました。
でも、ぴったりとは行きません。
ここが、まだずれてます。
ハッ!ぴったり~。
反対側も!
これ、どうやって合わせたか?と云うと・・
レバーブロックを使って、「かやし」との合わせ技で動かしました。
時間にして2時間くらいです。
堅田部長が前日から「据え付けは、自分の考えがありますから、任せてください」と言ってくれました。
土佐派の曳家は、全ての工具が手運び出来ます。
1mあたり6kgの軽いレールも特徴です。今回のような現場だと、高く揚げますから、荷重バランスが悪い(外からは見えてませんが、内部に設置された機材の関係です)建築物の場合は、コロ曳きだと、コロが予想外の動きをすることがあります。
小さなレールが、安定感を発揮します。
ここからは、映画で云えばエンディングの撮影風景とかを見てもらう感じです。
話は1週間前に戻ります。
今回、現場に戻って来て、始めにしたのは、まず下段の鉄骨を新しく出来た基礎まで延伸しました。
これで安定感がグッと増します。何事も土台からです。
↑基礎を打ち換えるために下向けの矢印のところまでで、鉄骨の土台を止めていたのを、新しい基礎側まで繋いで伸ばすことで安定感を増すようにします。
周りの電柱やフェンスとの関係で、建物を持ち揚げる為に取り付けた鉄骨を拡く組めてません。
限られた条件下でどれだけ安定感を追求するか?が曳家の肝です。
夕方、仕事終わりには、必ず枕木を組んで、その上に仮設置して帰ります。
これは曳家の基本です。
こちらのダムの関連施設でした。
このダムのそばの駐車場に資材を集めて、最期は大型トラックで一気に撤退です。
上に電線とかが無いのでユニック車も操作しやすいです。
ps
現場からホテルへ帰る車の中では、ボロボロに疲れた身体で、娘たちのことを思いながら、THE MODSの「バラッドをお前」にリピートされます。
お前の嫌いな仕事している。
お願いだbaby そばにきて笑って、その顔を見たくて
俺はボロボロになる。