福島沖地震で基礎からずれたお家を直してます。

今年の夏はよく働いたなー。
8月に至っては、日本一の猛暑の中、27日間も働きました!
とうとう新潟撤退です。



前回の現場では施設の都合で粉塵が出せなくて、仕上げのカップをかけられなくて悔しい思いをしました。
強度的には何も変わりませんが、見た目は大事です(と、第一浜名建装の久保田さんもおっしゃってます)

最終チェック!



さらば新潟!!

もともとは、次女がネスパス新潟 原宿店(新潟県のアンテナショップ)でアルバイトさせて頂いていて、コロナ禍で休業中も半年間ほどお給料を頂きました。
父親として、新潟の為に何かさせて頂きたいと思ってました。

そんな時に、新潟で豪雨災害が起きて修復方法を相模さん(オーガニックスタジオ新潟 代表)からお電話いただてご相談頂いたことから「これはお返しするチャンス」とばかりに、沈下修正工法セミナーを新潟の工務店さん向けに出来ないだろうか?と。ウッドステーション塩地会長にご相談させていただいて、「住学」の佐藤さん(サトウ工務店 代表)にアレンジにして頂いたことが発端でした。

「住学」の懇親会で「コロナ禍で仕事が無くてすることないから本を書いていたんですよ」と話したものを佐藤さん、庄司さんが「応援するから出版しましょう!」と云ってくださったことから、
11月15日発売の「曳家岡本口伝 構造から直す本気の住宅再生」(創樹社)となります。
1年かかったのは、具体化したらしたで、大幅に書き直したからです。

「住宅性能向上リノベーション」と云って高気密高断熱や耐震化が語られていますが、それらは建物の基礎、躯体が健常であることが前提です。
「1000分の5までの沈下は床で直せる」と言う建築士や工務店さんは、それは直しているのではなくて「化粧でごまかしている」と認識しているのでしょうか?
座屈している柱を「全体で持っているから大丈夫」と云う方は、「骨 1本くらい折れてても大丈夫」と言えるのでしょうか?
色々な選択肢がありますので、どうぞ一職人の想いを知っていただけると幸いです。



万代橋を散歩?しながら・・・外食するくらいの余裕もあるね><


↑これは、相模社長にご馳走になりました!

曳家岡本は、この後、遅い盆休みを採らせて頂きます。
次は、兵庫県豊岡市に参上します。
本当に新潟の皆さまありがとうございました。

ps
夏の疲れが出たのか?途中で撤退をスムースに出来るように、据え付け後に細かなものを1回、千葉県いすみ市の倉庫に運搬しました。
すると、新潟戻って来たら、蕁麻疹になってしまいました。薬飲むと、喉が渇いて夜中に何度も起きるんでつらいです。

オーガニックスタジオ新潟 相模社長は気遣いの人です。

新潟県見附市の現場休日に、「昨年、お世話になったからなー」とわざわざ出迎えに来てくださり。
せっかくだからと、ホテル近くの三条市の本成寺に観光案内して下さいました。ここは京都奈良のお寺や、日光東照宮にも引けを取らない規模で本当に立派なお寺なんですが、観光客もいなければ拝観料も掛からない。凄すぎです。

拝観終わると、「ここの志那そばは美味しいから」と「笹舟」に連れて行ってくださり、食べ終わると。汗を拭くのにとコンパクトタオルを出してくださる。
無学なプロレタリアートである曳家職人はそうした所作に、オーガニックスタジオ新潟を創り上げたお人柄を見てしまう。

前回の現場での見学会の後、オーガニックスタジオ新潟の阿部さんから、沈下修正工事に関する相談をいただいた。
スケルトンにした倉庫を本格的な住居に変更する工事。
しかし15坪で最大80mm沈下している。これを床でごまかしながら仕上げると、家の為に良くない。
さらに、後から入る全ての職人が収め方で苦労せねばならなくなる。
じゃあ・・・沈下修正工事やっておくか!と云う流れです(たぶん)


外から見ると、こんな感じです。

内側からです。

で・・元は倉庫ですから、シャッター部分は柱がありません。で、せっかくスケルトンだし。


前回の現場用に持参していた枕木もありますから、1階の柱の無い部分にも「応援」です。

快調に進むかと見えますが・・・
土台の乾燥に伴う割れが、まあまああります。そしてボルト穴に遊びがありません。
なので、不用意に「伸ばしナット」を使うと、土台の割れが大きくなる可能性があります。
そこで・・・錐でアンカー穴を少しだけ拡げます。

上手く揚がってくれてます。

レベル取りながら、イタウバをスペーサーとして挿入です。

↑、スペーサーに使うハードウッドが足らなくなったんで。反っているんで使っていなかったイタウバとオーストラリア檜をダイアン建築 大岩棟梁の工場に持ち込んでプレナーかけて頂きました!ダイアン棟梁ありがとうございました。

ついでに書いておくと。輸送車の荷台が自分らの資材が重くて穴開きました!
ドライバーさんが「あの残りのジャッキ入れているカゴはもっと重いでしょうか?」とご心配されていましたけど。無問題です。

休憩時間には、オーガニックスタジオ新潟の社員さんたちが現場見学に来てくださって。自分はいつものように,Chromaticsが好き。ちょっとCARCHESも。とお伝えしました。
チームオガスタさんからは、アイスランドのミュージシャン Ásgeirが素晴らしい。と激推しされたんですが・・「これって下北沢あたりの古着屋で流れているようなヤングな音楽だなー」と思うような老人ですみません。



新潟の建築関係者の勉強会に申し込んでいたら・・自分もトリで(年齢順)でプレゼンしてください。とお声かけ頂いたんで。
自邸を大工さんたちと土台揚げ沈下修正工事をしたばかりの目黒さんと、沈下修正工事をした基礎の補強としての増し打ちの是非などの公開ディスカッションをさせて頂きました。
自分は建築士でもないですが。45年間、建物躯体をどう直すか?を真面目に考えてきました。
そして東日本大震災以降は、「土佐派の曳家」技術が全国に通用するものだ。を知って、光栄なことにトップ集団とお付き合いさせて頂く中で、まあだいぶ「賢く」なったわけですよ(笑)
目黒さんとは事前の打ち合わせを入念にしたうえで、厳しく反論させていただきました。
いやでも仲良しですよ。曳家岡本に1年くらい留学しないか?と打診中です(笑)

ps
新潟県もそうですが。曳家岡本は全国どこでもご招聘あれば伺いますので。
どうぞよろしくお願いいたします。
hikiyaokamoto@gmail.com

新潟県日本一暑いです。老人になると(新潟のNHKニュースでは「63歳以上の老人が熱中症に倒れて搬送されてます」と言ってますので!!)
一流の老人として、なるべく余計なものを増やさないよう気をつけたいところですが、
汗でニッカズボンが太ももにくっついて動かなくて破れました。


サトウ工務店 佐藤社長に「新築より精度高い」とお褒めの言葉頂いて有頂天です(笑)

イタウバ(ハードウッド)を揚げ幅に合わせてカットして据え付けてゆきます。
そして伸ばしナットを締め直し。

自動ドアのフレームを浮き上がらせる為に、周囲を斫っていたけど。
出入りされる方への配慮から砂を詰めていた部分も砂を掘り出してモルタルを詰めます。


この玄関ポーチ部分の屋根を支えている鉄製の丸柱も揚げた分、再接続です。

基礎天端詰めですが、最近は左官業のお父様のアドバイスを頂いた堅田案で先にハイフレを吹き付けておいてから施工してます。


曳家岡本では逆打ちしても垂れてこないようにアルカリ性の接着剤をモルタルに混ぜてます。
堅田さんが、自分の好みの「粘り」具合を造ってみせてから、宏くんにバトンタッチ。
今回は夏場なので、モルタルが固くなるのが早いので、砂1袋づつ造っては使い切ると次を造る。という一番良い状態のモルタルを詰めるようしています。
ちなみに接着剤も工場から出荷されたばかりの活きの良いのを使ってます(笑)
少し黄色ぽいきれいな緑です。

来館者用のトイレの仮復旧を済ませて頂いて、その外周の基礎修復をしています。

曳家岡本では横筋を切断した場合は、両側に30mmづつの被りを採って溶接することを標準としていますが、
サトウ工務店佐藤社長と協議して、施設の特殊性から溶接は避ける。
それゆえ、斫穴を現状より大きくせずに、結束線で結ぶ。という選択となりました。
実際には、この10cm下にも横筋が存在してますので、充分だと判断しました。

今回は、佐藤社長とお施主さんが、現場見学をOKしてくださっていますので、
過程を見に来てくださる建築士さんもいます。

「住学」メンバー。イロハスタジオ石田泰弘さんのコメントを掲載させていただきます。

「今日のモルタル詰めは、 堅田さんが言われてたように、地味な作業であとからは見た目ではわからなくなってしまう部分でしたが、 ただひたすら真面目に誠実に作業をする姿を拝見させて頂き、説教して頂いたようで背筋が伸びる思いでした。
土台揚げ全般通して見聞きしていて思いましたが、岡本さんが他社のことを言われるように確かに手を抜こうと思えば抜ける部分が多く、 曳家岡本さんのようにプロ意識やプライドがなければ、良い成果が担保されないだろうなと思いました。
作業員全員の意識を常に高い状態を保つのは難しいと思うので、大企業の従業員が多い会社には真似できない仕事だと痛感しました。 今日で現場にお邪魔したのは3回目でしたが、さらに理解を深めることができました! 大変ありがとうございました!」

↑上塗りかけるから、少し引いておいてということで、見た目悪いです😢

いや~~そこまで自分ら熱くないと思うけど。
小鳥さんも暑さの為に、ここから動かないんで。心配になってスタッフの方に緊急連絡。

休んでいただけらしく無事飛び立ってくれました。良かったです。
ちなみに、自分はミミズやアマガエルさんたちの命もかなり救ってますんで、そのうち動物さんたちから感謝状貰えるかもね(笑)

ps
どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
web上での概算見積もりは無料。現地調査をさせていただくと交通費+3万円ですが。
近くを通過している時なら、遠回りにならない範囲なら追加の交通費は頂いていません。
hikiyaokamoto@gmail.com

 

新潟なかなか苦戦してます。


↑ここは下屋部分なんで、この程度、ジャッキの間隔を飛ばしても揚るだろう。と考えていたんですが「重い!!」

↑諦めて2階建て部分と同様にジャッキを追加セットしました。

この間隔なら「建物を揚げているんだから少しくらい壁は傷むもの」と考える方もいると思います。
自分たちは見た目の傷みだけでなく、構造材が傷むのをすごく嫌います。
これは土佐派の曳家が大工をルーツとするからだと思います。

施設の事情を配慮してお盆休みを利用して斫り作業を進めましたが。やむを得ない部分が出てくると昼休憩や休日に作業進めています。

来館者向けに自動ドアのフレームの下は斫った後に、楔で仮受けして、さらに砂を詰めました。


従業員出入り口や洗面台をなるべく普段通り?使えるようと、復旧時の為に配管を遺したい箇所があるので、
どうしても枕木の組める箇所が限定されます。

それゆえ、バックヤードに関しては壁を解体して「伸ばしナット」をセットさせて頂いたりと、あの手この手です。
少しでも建物を傷めたくない気持ちと、お施主さんや来館者へのストレスをかけないようにの間で苦心してます。




まずは最大沈下部分から揚げ始めてます。


なるべく基礎梁を斫らないように配慮しつつも。風窓も「応援ジャッキ」をセットします。
ここも、そのままセットするんでなくて、外側にも枕木を組んで揺れないように配慮します。

玄関ポーチ部分は丸柱をカットしました。



なんと!8月20日、21日とサトウ工務店さん、お施主さんのご厚意で見学会+体験会を実施して頂きました。
これは新潟県で建築業に関わるもの同士での学びあう「住学」の勉強会なんで建築のプロオンリーの参加です。

今回は床下が70cmもあるんで、皆さんに入って頂けました。

みなさん。「伸ばしナット」に驚愕してくれます。
でも次の改善も考えているんですけど、まだまだ~。



今回は建物が1階60坪ほどもありましたので、自分のレーザーポインターでの測定がどこかで写し直しがあったら恥ずかしいなーと心配してましたが。
堅田さんが「あれだけ小まめに測っていて間違いあったら辞めないといかんですよ」とプレッシャーをかけます(笑)
結果は見ての通りで、「凄いですよ。ぴったりです。レーザーでの確認いらないくらいです」やるけどね。

最期に芝生側で記念撮影。
次に新潟に来る時は、堅田さんが「あの夏は暑かったな」「あの頃はまだ先代も生きていたな」と思い出してくれるかな。

最期にFUJI ROCKに参戦して、骨折している中、無理して来てくださった住学3代目校長、ユー・ハウス工業の五十嵐直樹さんの嬉しい感想を掲載させていただきます。
「岡本さん、今日は現場で学ばせて頂きありがとうございました! 宮崎さんも言う通り地味ですが、だからこその「凡事徹底」 金額などを理由に誤魔化す事をしない岡本さん達のお話、背筋を伸ばされました。 精進します」

サトウ工務店佐藤社長、住学 事務局の庄司さん ありがとうございました。

 


水戸黄門まつりを観ることも叶わないまま、水戸の現場が終わりました。


お施主さんのお子さまである、けんちゃん(小学5年生)は未知生物の発見をしたいと願っている素晴らしい少年です。
ウモッカを含め実在の可能性の高いUMA未知生物について先輩風を吹かせつつ。
大きくなってもし希望するなら、おじさんの所有する河童のミイラを譲渡する約束をしました。
けんちゃんは、河童のミイラを高額で購入するために稼がないといけません。
なので、この夏休みから勉強も頑張ります!別れ際には、約束を守る手紙をくれました。

さて、そんな感動の別れの後、おじさんたちは千葉県いすみ市にある倉庫で積み換えをして新潟県見附市に入りました。

まあ、自分もまずまずの老人になってきましたので。クリントイーストウッド先輩のような渋い老人を目指しているるのですが。
今回は床下も拡いし、サトウ工務店さんの現場だし(笑)床下のレベル測定を久しぶりに親方自らやりました。
ちなみにサトウ工務店 佐藤社長との初対面時も、どうせ仕事でご一緒することもないだろから。と呑気に河童のミイラの画像をお見せしたり Chromatics カッケーとか話してました。


↑これは既に、振り止めを取り外した状態です。


基準点を基礎天から200mm下がりに決めて廻してゆきました。


しかし!!おいなんてこった!!3割くらいの範囲はものすごく大量の配管が取り付けられています。


お仕事に使われるガスの配管も4段に亘ってあります。
もちろんこんな時には「蛇人間」宏くんに来てもらって計測してゆきます。


さらには、エアコンのドレン配管が土台の中を貫通して、しかもそれが床下に流し放しで、土間が広範囲に20mmほど、水が溜まっています。
思わず、「勘弁してくれよ」とブルース・ウィルス気分です。

ps
9月上旬まで燕三条駅近くのホテルに泊まってますので、お近くの方はお気軽にお声かけください。
お近くでない方もよろしくお願いいたします。
hikiyaokamoto@gmail.com

お家の為とは云え、最期までの仕上げをするわけでは無い、私どもが、「追加費用いらないから、ここまで施工平米数を拡げたい」と勝手にやることは、他の業者さんの追加補修工事が発生しない範囲で行わなければならないです。

今回は沈下修正工事の後に内装リフォームをされるということでしたので、ジャッキアップする部屋の内壁をアンカーボルトの再緊結を部屋内から簡単に出来るように巾木ほどの位置をきれいに一旦、取り外して頂いてました。
これで、いつもの「伸ばしナット」も容易に取り付けられます。

そして、さらに嬉しいのは、こちらのお家はアンカーボルトの頭が土台より30mm程度も出ています。
今回、最大沈下部分が55mmでしたので、すると20mm程度の揚げ幅の部分はナットを緩めるだけで施工が可能になります。
少し工程に余裕が出来ましたので、「ふっふっふ。この手間賃、ガッポリ儲けじゃのー越後屋さん」とはならず、じゃあ、もう少し精度を追いかけるぜ~となるのが、馬鹿ドカタ3人組です(泣)

しかーし。勝手に施工平米数を拡げて他の方の仕事が増えてはなりません。
ジャッキアップ=アンカーボルトを緩めなければなりませんゆえ、壁を取り外さないように床下だけで細工しなくてはなりません。


↑緩めたアンカーボルトは据え付け終わりましたら締め付けて、ガムテープで断熱材を補修します。


画面中央の黄色の矢印部分を見てください。ここの土台が下に垂れています。
そして画面右側の黄色の矢印を見ていただくとこちらは跳ね上がっています
これは、中央黄色部分には、2階が載っていて荷重が掛かっているためです。
この黄色より右側は下屋(平屋)なので軽いので跳ねてしまってます。


プライバシー保護の為、お家の全体像はお見せ出来ませんので、イメージカットです。

そこで我々としては一旦、周辺を余分に持ち揚げておいてから、この一番重い真ん中の柱を正規の高さに据え付けておいて、
周辺の土台をアンカーボルトで締め付けて下げることで悪い癖を取り省くという「面倒なこと」をやります。

いつも身内で話すのですが。自分たちをわざわざ出張費を払ってまでご招聘いただいているお施主さん、工務店に誠意を見せなくてはなりません。
さあ!最高の仕上げを堅田さんと、宏くんに託します。

自分は親方として、兵庫県~岡山県~で現地調査をさせていただいてから、
週末は「広島住宅研究会」さんのご招聘で曳家技術を使った古民家再生についてのお話をさせていただきます。
お席の余裕ありますから、近隣の皆さま来てくださいね。
詳細は2回前のブログに掲載してます。


今回は新幹線で行きます!

感動的な引き締め作業(未見の方は前回のブログ見てね)が終わると、ここからはひたすら床下で基礎を造り直す苦行です。

親方としては、人を入れて、堅田さん、宏くんのサポートをしてもらう段取りをします。


トップバッターは、宮村棟梁に推薦されて山形から来てくれた本田棟梁。
たぶん7年前くらいに香川県の島田棟梁の工場で実施された「ミニ削ろう会」で挨拶して、その後、彼が奈良で修行してた頃にも何度か現場見学に来てくれてました。
やっぱり大工さんいると早いです。細工も、きれいです。



型枠が完成しますと、コンクリート打設です。
新築だと、生コン車を手配して一気に流しこめますが、床下でのコンクリ詰め作業は時間が掛かりますので、手練りをしつつ。
床下に向けてバケツリレーのように運びます。
なので、人手が欲しくてかなりしつこくお願いして、わざわざ盛岡から職業能力開発総合大学校の的野先生と北條さん、三谷さんに来て頂きました!
的野先生の超絶感動体験記はfacebookの「岡本直也」のページでも読めます。かなり面白いですから、ぜひ読んでください!

そして、トドメは近くの基礎屋さんにも参加して頂きました。
から練りしてきてもらって、現場でミキサーで練ります。



床下から出てくる堅田部長の雄姿。彼が死んだら辞めます。
いや、本当に宏くんも熱中症一歩手前になったり、かなり堪えています。
「手伝ってくれる人がいるうちに進めておこう!」と歯を食いしばって10日間の連勤をしました!
良い工事をしよう!という気持ちを大切に出来る親方でありたいです。

堅田さんたちが、床下で苦行してくれている間に愉しい独立柱の基礎の造り換えをサッサとニヤニヤ一人でやるような人でなしはいけないです。
床下から出て来た堅田さんに「姿が見えないんで、予想はしてましたけど。やっぱりやってますね」と咎められます(笑)
でも、ほら・・シルバー人材の人に来てもらってもこんなことしてはくれませんから、許してね(笑)


基礎も雄々しく完成しました。
プロが視れば、床下でバイブレーター使えない環境でどの程度の練り具合、セメントの配合か?察せるでしょうが、
出来る限りのことはしました。


↑枕木組んでいたところも、こうなりました!
↓ビフォア画像です。

がんばりました!

JVさせて頂いている「我妻組」我妻さんには「一晩くらい、米沢にお肉食べに来てくださいよ!」とお誘いいただきましたが。
ドロドロに疲れて伺うこと出来ません。
肉好きの自分としては断腸の想いです(嘘。ビーガンです。)

途中、自分は家内と合流して10年前に工事させて頂いた石巻市雄勝町のモリウミアス(旧 桑浜小学校)にご挨拶に伺わせて頂きました。
若いスタッフさんたちは、この校舎が貯水池が崩れて土砂に押されて真ん中が「く」の字のように校庭側に歪んでいたものを直したことを知らなくて・・・直したことを気づかれない。というのはある意味、曳家にとっては一番の褒め言葉ですから、嬉しくも寂しい初老の職人です。
52歳の自分の仕事ぶりを改めて見ると限られた条件下でなかなか上手い落としどころで肝を抑えてました。
歳とるとだんだん厳しくなってきて凝った仕事をしようとするのはある意味、お施主さんに金銭的な負担を強いるんで良し悪しだな。

新しくなった豪華な体育館で、もっと手を入れさせて貰いたかった部分の話や、油井さんから継続していることで可能になったことを伺いました。

ともかく自分たちはサーカス団のように次の土地で移動して行きます!
ありがとう!南相馬市!「すずき食堂」炒飯最高!冷麺も。

堅田さん、宏くんに惜しみない拍手を!

 

7月29日(土曜)広島でセミナー講師させていただきます。
広島に行きたかったんで、呼んでももらえてうれしいんじゃけん!
もちろんお好み焼きも食べるけん!

今回は茨城県水戸市での沈下修正工事現場から新幹線移動をします!

茨城県水戸市が終わると、なんと!驚き初新潟入りさせて頂きます!

凄いなー本当に全国呼んでいただけるのは夢のようです。
夢終わらないように、よろしくお願いいたします。

hikiyaokamoto@gmail.com
までご連絡くださーい!

南相馬市の応援に入らせていただいているお家。

新築と違って、改修は思わぬ伏兵が潜んでいてなんとも先が見えなくなることがあります。
喩え、涼しい風が吹き抜けて、お施主さんが毎日、クーラーボックスに冷たく冷やしたペットボトルを入れて置いておいてくださるような快適な環境であっても。

流石は、「誰も引き受けてくれなかった」症状です。


画像で見ていただくと僅か2cmほどの隙間が、くっついたように視えるだけですが。
これはなかなか凄いことです。
おそらくほとんどのリフォーム業者は、「ああ、隙間が出来てしまったんですね。直せますよ」と言って、詰め物をするだけです。
しかしよく考えてください。
隙間があるということは、柱が斜めになっているということです。
それでは本来の強度は保てていないわけです。
直すためには、蛇人間にとてつもない努力を強いることになります。


床下にターンパックルを張るような原理で、4分の全ネジを繋いでゆきます。
外周側は水切りにナットが飛び出てはいけませんので昭和ボルトを使います。


その上で20台ほどのジャッキを斜めにかけて「かやし」をします。
ボルトで引き込むだけでなくジャッキの倒れる力を利用して動きを補助します。


しかーし!引き込みたい母屋側の大引きが突っ張って動きを止めています。
これは大手ハウスメーカー・リフォーム部の仕業です。
堅田部長が床下で絡む部分を苦労して切り欠きます。

さらに母屋側の何本かの柱には亀裂が!!

堅田部長案では、当初の計画では、増築部分と母屋では土台の高さが違うので新たに土台用の材木を購入しておいて、増築側と同じ高さに仮設の土台を剛床のように組み上げておいて、そこを反力として引き締めよう。というものでしたが。
これでは柱を更に傷めてしまいますゆえ、違う箇所から反力を獲る算段をしました。
その結果、2mものの全ネジを40本も使ってしまいました。

基礎修復も段取りを考えて同時に進めてゆきます。


差し筋を打ち込んだ後は長く出た分を宏くんがカットしてゆきます。

アップで見て頂くと判りますが、きちんとピンクのマジックペンで切断箇所をマーキングしてます。
細かい指示は堅田部長。

引き締めの完了したお家の中で、お施主さんの皆さまが「こりゃ、凄い技術だ」「きれいに直った」とご親戚と感嘆してくださっている声を聴くのは職人冥利に尽きます。

ps
想像を絶するような傷んだ土蔵の修復計画にお声かけていただいてます。
「どうですか?遺すべきか?解体すべきか?親方の意見をお願いします」と尋ねられて「解体です」と即答しました。

修復したいそうです。
凄すぎです。

ps2
真面目にやってますので、お気軽にお声かけください。
またコロナ禍初期のように現場切れないかと心配です。
どうぞよろしくお願いいたします。
hikiyaokamoto@gmail.com

福島沖地震で家が揺れて基礎に半分しか載っていないお家の修復に、福島県南相馬市に来てます。
来てみると、お施主さんはもちろん。近所のおやじさんたちも口を揃えて「3・11より大きな揺れだった」と言われます。現地で伺うと、報道で知ることとはまた違うことを知ることが出来ます。


↑水切りから5cm程度飛び出しています。

基礎梁を解体して中から見るとこんな感じです。

もちろん内部も傷んでいます。

しかし何よりたいへんなのは、床下が低い!これに尽きます。

なっなんでしょう?蛇人間??


なかなか出来ることではありません。




リフォーム時に遺されていた以前の犬走りや基礎を解体するところからのスタートです。
土台下端からは25cmしかありませんので、電動ハンマーが自由に使えません。
それゆえドリルで先に穴を開けておいて、それを電動ハンマーで砕いてゆきつつ前に進んでいます。
既に6トン近いコンクリートガラを出しました。


一般的には、基礎の造り替えはGLより1m程度持ち揚げておいて造り換えてから再び降ろして据え付けるものなのですが、
今回は母屋部分をいじらないため増築部分のみを水平に直した後に土台揚げの要領で基礎を造り換える為の苦労です。


土台も白蟻被害を受けているところを発見。

そしてアンカーボルトが満足に施工されていません。


全部で4本しか出てきてません。
これらは協議のうえ、内壁を解体して土台上から新しいアンカーボルトを適数、入れてもらうことになりました。



自分は、高度な技術を要する親方しかできない(笑)枕木組みをする。と言うことにして、床下から逃げてます。
本当に、堅田さん、宏くん。ご苦労様です。
疲労困憊して、咳と熱が出てます。で、早いけど一旦休みを採らせていただきました。
今回は元請けの沈下修正業者さんに相談されヘルプで来ている案件なんで、休日を採らせていただくのも二重に気を使います。
しかし現場の状況を見てご理解いただけてます。
コンクリートの打設作業が始まったらご一緒に作業させて頂きます。


昨夕、こちらのお施主さんと話していたら、
「束の交換だけでもやってくれないか?と相談したけど全部断られたよ。どうやって直すんだろうか?と思ってたけど、こりゃあたいへんだな」と言って頂きました。

こんな過酷な中で、揺れて母屋から抜けた敷居を引き締めるのに、母屋側が内部は柱勝ちの石場建てだったのでそれをどう施工するか?を話し合った時にまたしても堅田さんが、自分より優れた工法を提案してくれました。
もうこれは、ジェームス・コバーンがブルース・リーを評する時に「彼は技術を教えてくれなかった。どう闘うべきか?を教えてくれたんだ」と同じ域に達しているなーと驚くと共に、「(自分の役目は)終わったな」と嬉しいような、ちょっと寂しいような気分でした。

南相馬市には仮設住宅を作業員用に、ホテルに転用している施設がたくさんあります。
最近はホテル代金が暴騰してますので、これは助かります。

 

夜は、秋に出版予定の「曳家が語る 構造から直す古民家再生」あらため「曳家岡本口伝  構造から本気で直す住宅再生」を書いています。

改題の理由は「岡本さん。これ技術書というより口伝書みたいなもんですし。古民家再生だけでなく一般住宅のことも出てくるから、タイトル変えた方がより内容に近いですよ」と編集さんにご指導いただきました。今回は、本当に細かく打ち合わせしていただいてます。
掲載順でなく思いついたところから、ポカポカ、メールを送る迷惑な自分の原稿をきれいに編集してくださってます!!

コロナ禍で苦しかった時から言うとなんとか仕事も戻って来ました。
どうぞ皆さま、お気軽にご相談くださいませ。
hikiyaokamoto@gmail.com