2025年10月18日 7:10

曳家岡本の基礎共曳家工事です。


高知空港から海岸線を愛媛県向けに3時間、宿毛市にて基礎共曳家工事を受注させていただいてます。

伝統構法の石場建て、社寺・古民家を得意とする曳家岡本としては異例なことなんですが、今後はホールダウン金物やアンカーボルトの多いお家の場合は基礎ごと揚げた方が良いケースも増えてくるだろうから自分らなりの「解」を持っておきたいと堅田職長が言ってたのと。
大好きな「四万十市」「宿毛市」に長期滞在出来る!という魅力のまえに屈服しました(笑)。




堅田職長は、弊社曳家岡本が今ほど仕事が獲れていなかった頃に山梨の「石原組」、山形の「我妻組」で基礎共曳家工事に参加させていただいてました。
今回は、自分たちなりに「こうやった方が良いだろう」をぎっしり詰め込んだ工事をやります。
休憩時間に堅田職長と外注費などを話していると「それじゃあ。親方、普段の土台揚げ沈下修正工事より利益が無いじゃないですか!気にしてしまいます」と心配してくれるのですが。そこは心配ご無用の介(笑)です。
勉強も兼ねているわけですから、そこで欲張りなことを言ってはなりません。



自分たちも所属させていただいている(一社)建沈連に加盟されているアンダーピニング工法を得意とする報国エンジニアリングさんで10年間、勤務されていた武内義光さん(現・(株)市川工業専務)+宮崎くんに、堅田さんの伝手で応援に入っていただいてトンネル堀りを援けていただいてます。
凡百のアルバイトと違って経験者の無駄のない動きと強靭な肉体は思わず一緒に全国回って欲しい素晴らしさです。
休憩時間には「アンダーピニングは杭を打ち込み始めたら到達予定深度まで行かないうちにお昼休憩などで一旦、停めてしまうと土圧で鋼管が絞められて下がらなくなる場合がある。それを知らない職長は止まったままで架台をセットしてしまう」というような話を伺うのも勉強です。


もちろん蛇人間 川崎宏も掘りまくりです。
この岩盤層の硬さをご覧ください!崩落の心配はありませんが身体にはきついです。宏くんいつもありがとう。



耐圧板工法と違って後で動かすわけですからセットポイントの選択、反力を獲るための枕木の敷き方にも工夫が必要です。

使用工具の設計・発注担当の人(自分!)も少しはセットしないと寂しいんで作業しました。

今回の現場はおそらくは自分たちだけでも出来るのでしょうが、間違いのない施工をするためにこの後の曳家工事には「我妻組」さん(弘前城天守閣の曳家工事で有名です)と最期の充填工事は地盤の悪さでは日本で2番目の岡山県(新潟は3番目)からUPSさんに応援に入ってもらって念には念を入れて施工させていただきます。
堅田職長の名誉のために書いておきますが、「親方は本当に心配性。最近は少しは任せてくれるようなったけど」と笑われます。
しかし被災地はもちろんなんとなくやれるだろう。と人さまのお家を素人細工で扱う業者の視るに耐えない施工事例を見ると、手塚治虫先生ではありませんが「岡本のやっていることは教科書のようで硬すぎる」と言われても仕方ありません。





全く垂れることなくきれいに揚がってます!

仕事終わりは、枕木を組んで安全対策をするのはどんな工法も同じです。


来週は動かすための「道」をじっくり敷きます。こうした方が基礎梁の荷重を持つから良いだろう。を実践します。

お昼は、近隣の味わい深い食堂を順番に廻っています。
この地域までくると対岸は九州ということもあって、みそ汁は白い味噌で甘く、ラーメンもチャンポンが多くなります。

この日は片島港前の「まこと食堂」の中華そばです。


ps
お気軽にお問い合わせください。自分たちに合わない場合はアドバイスさせていただいたうえでご希望があれば適切な業者さんのご紹介もしてます。
hikiyaokamoto@gmail.com

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2件のコメント

  • 小野寿幸 より:

    10月23日の高松での沈下修正についてのお話を大変興味深く聞かせていただきました。
    私の実家は香川県三豊市にあり、祖父は建て方や解体を農業をしながらやっていたそうです。実家の納屋に滑車やロープがたくさん残っていましたが、昨年片付けをしました。道具の重さに当時の仕事の大変さが偲ばれました。
    また私の方は建築の見積を長年やっていましたが、曳家や沈下修正の見積はなかなか難しかったです。

    • hikiyao より:

      小野様
      ありがとうございます。
      重いですよね。
      もともと体力がある方でも無い自分は、一旦は別の職業に就いていたのですが父親を手伝っているうちにこうなりました。
      後少しだけ頑張ります。

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。