埼玉県西川口で、傾斜角度1000分の50と闘いました!
マンションの電気室と貯水槽が傾いてしまって、その修復工事でした。
電気室、貯水槽ともにマンション50世帯ほどの住民の皆さまにご迷惑をお掛けしないように断線することなく、揚げなくてはなりませんから。
ジャッキアップ日は、東京電力さん、元請け監督さん、ご依頼頂いた会社の営繕担当の棚村さん、そして山田さんが、心配そうな目線で見守る中、静かに水平に直しました。
何しろ、1000分の50ほど傾いているせいで、最大沈下部分にとんでもない荷重が集まっています。
ざっくりですが、僅か12平米ほどですが、40トンほどあるだろう鉄筋コンクリート造の重さが1点に来ています。
写真左奥の一番、沈下している角隅のみは外周のみでなく内側にもジャッキをセットしました。
宏くんの左手奥に、もう1セットあります。
そうまでしても重くて、体勢も悪いですから、自分や宏くんでは押し切れません。
堅田工務部長に力を込めて押してもらいます。
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曳家は、身体を張って建築物の荷重実験を繰り返しているわけですが、当職の経験からだと、傾きは1000分の15を越えると、重さは加速度的に進行します。
1000分の50というのはとんでもない角度です。
一般の住宅のサイズに置き換えると、例えば奥行き4・5間(約8m)のお家だとすると40cmも傾いているわけです。
山形の「我妻組」我妻さんによると、「RC造は、木造住宅の2倍の重さ」だそうです。
それでいて、通常は地盤沈下で傾いていると云っても10cmくらいまでです。
それゆえ、通常の耐圧板工事の2倍のポイント数のジャッキをセットしました。
アルカリ性薬剤を使って、地盤強化をしてもらいましたが。それだけでは水は完全には止まらず、1ポイントにつき6回ほど転圧を繰り返し、下がると、架台を取り出して路盤材を足して再びジャッキを押す作業を繰り返します。
1日目は、残り2cmを残して揚げきれず、2日目でようやく揚げることが出来ました。
その後は、今度は別の薬剤でGLとスラブの間を充填してもらいます。
約1・6倍に膨れて、充填してくれます。
充填作業は、杉並区の曳家「野口工事」さんに御願いしました。
近ごろ、同業者間で緩い相互協力体制を築けているんですが、野口さんは、2度目の相判です。
電気室の傾きが直りましたので、ゴミ置き場の傾きが目立つようなりました。
ほっとして笑顔の堅田部長と宏くん。本当に2人がいなければこのスピードでは出来ないです。
遅くなりましたが、新潟の「住学」の皆さま、サトウ工務店・佐藤高志社長、庄司英敏さんにはたいへんお世話になりました。
先ごろの豪雨災害で被災された住宅の復旧のためのアドバイスセミナーを行わせて頂きました。
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佐藤社長は、大型パネル住宅を採用された新築を手掛けられてます。効率化による利益を職人に還元して、職人になりたい人を増やせる環境を作ることもしなくては!と千葉県外房の相場のおよそ2倍の給料を支払っています。
そりゃ大工もやる気でますよね。
懇親会では、江口寿史好きのオーガニックスタジオ相模社長に「経営者として俺を尊敬してるよね?(*´艸`*)」とご指導頂きました。
今回も偏食が多くて皆さまにご迷惑をお掛けしました。
翌日は、相模社長のモデルルームを見学させていただいたり「ハウジングこまち新潟」所属の 新潟のこじるり と偶然会えたりしつつ。
三条系は苦手なんで、無添加懐かしい「支那そば おもだかや」でお昼をご馳走になりました。
ps
次は、徳島県で古民家の沈下修正+根継ぎの現場です。
徳島と云えば「はやしのお好み焼き」です。
ps2
ある朝、現場が酷く生臭いことがあったんですが。5匹ほどのナマズの頭と大小の魚のゴミが発電機のそばに撒かれていました。
これはカラスの仕業なのか?近隣の方が「うるさいなー」と嫌がらせしたのか?謎です。
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