2022年9月19日 8:27

徳島県吉野川市で「商家」の沈下修正および根継ぎやってます!

大人げない会話をしています。

実は、徳島入りした直後は、東北某所で2棟の「社」の曳家工事のお話がありました。
(↓の画像は3月に千葉県茂原市での社の修復風景)

決まれば、曳家岡本 工務部長 堅田チームと、曳家岡本シニアチームの2手に分かれてお互いのスピードと技術を競いましょうよ!と、52歳の若造(笑)に挑まれまして「いや~~無理無理っ」と言いながらも。どうやってビビらしてやろうか?とあれこれ考えていたんですが、残念ながら受注出来なくて、これは幻の試合となりました。
実現していれば「藤原組」に於ける鈴木みのるVS藤原喜明のようなもんですね。

そんな妄想を吹き飛ばすように、曳家岡本の真骨頂である「古民家の躯体修復」を、徳島県吉野川市で施工させていただいています。この現場は、新宿にある建築事務所 (株)ハテナバコ様からのご依頼からなんですが、代表であるクボタさんのおばあ様のご実家だった商家(昔のコンビニ)を甦らせたい。という強い気持ち溢れる現場です。

不陸調整はもちろんなんですが、
後から出来た橋の関係でスロープに隠れて、土に埋もれて腐食していた柱を短くして、土台を入れて高基礎にします。

また見えていなかった構造的に弱かった部分を同時に補強してゆきます。
例えば「梁」だと見えていたものが、壁を解体してみると「化粧梁」だったので、柱の入れ換えを検討していたのを止めて、
切り上げ→土台を取り付けに変更してみたり。



また、大黒柱の上が空洞だったり。
※画像を拡大して見てみてください!!画面の上部、真ん中、右側が「柱が通ってない!」状況です。

今回は、3年前の徳島県美波町での登録有形文化財「谷や」(廻船問屋)の家起こしや、今年3月の香川の島田棟梁の現場に応援に来てくれていた日浦棟梁に据え付けまで相判して貰えます。早速、この部分も埋め木?添え柱して頂きました。


昔の商品が並んでいたであろう座敷を解体して、枕木を組んで行きます。


後から基礎工事で入られる基礎屋さんの作業スペースに配慮して、ここは出っ張らない方が良いだろう。
ここはもう少し間隔を開けてなどと、ノリノリで、枕木を組んでいたら、持参した資材で全然足らなくて高知県の倉庫まで4日間連続で追加資材を取りに行きました!資材を大量に所有しているから出来ることです(馬鹿)

まあ、「馬鹿は罪」ですので、宿泊しているホテルのすぐそばの工務店「松島組」さんの勉強会に、参加させて頂きました。
以前、高知県林業大学での講義を受講させていただいた構造建築家の山田憲明先生が登壇されました。


本番前に山田先生に献本いただいた「ヤマダの木構造」が難しくて読めないです><とお伝えすると。
「じゃあ、返してください!(笑)」と言われました。
くそー前回のパスタブリッジコンテストと云い、山田先生にはいつも負かされてますので、いつかうちの現場見学に来ていただいて、
「すごいじゃん!曳家岡本」と唸らせたいものです。

ps
曳家、土台揚げ沈下修正工事、構造からの古民家再生に関するお問い合わせをお気軽に連絡くださいね。
hikiyaokamoto@gmail.com

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。