南相馬市で難工事。
南相馬市の応援に入らせていただいているお家。
新築と違って、改修は思わぬ伏兵が潜んでいてなんとも先が見えなくなることがあります。
喩え、涼しい風が吹き抜けて、お施主さんが毎日、クーラーボックスに冷たく冷やしたペットボトルを入れて置いておいてくださるような快適な環境であっても。
流石は、「誰も引き受けてくれなかった」症状です。


画像で見ていただくと僅か2cmほどの隙間が、くっついたように視えるだけですが。
これはなかなか凄いことです。
おそらくほとんどのリフォーム業者は、「ああ、隙間が出来てしまったんですね。直せますよ」と言って、詰め物をするだけです。
しかしよく考えてください。
隙間があるということは、柱が斜めになっているということです。
それでは本来の強度は保てていないわけです。
直すためには、蛇人間にとてつもない努力を強いることになります。

床下にターンパックルを張るような原理で、4分の全ネジを繋いでゆきます。
外周側は水切りにナットが飛び出てはいけませんので昭和ボルトを使います。


その上で20台ほどのジャッキを斜めにかけて「かやし」をします。
ボルトで引き込むだけでなくジャッキの倒れる力を利用して動きを補助します。

しかーし!引き込みたい母屋側の大引きが突っ張って動きを止めています。
これは大手ハウスメーカー・リフォーム部の仕業です。
堅田部長が床下で絡む部分を苦労して切り欠きます。
さらに母屋側の何本かの柱には亀裂が!!


堅田部長案では、当初の計画では、増築部分と母屋では土台の高さが違うので新たに土台用の材木を購入しておいて、増築側と同じ高さに仮設の土台を剛床のように組み上げておいて、そこを反力として引き締めよう。というものでしたが。
これでは柱を更に傷めてしまいますゆえ、違う箇所から反力を獲る算段をしました。
その結果、2mものの全ネジを40本も使ってしまいました。
基礎修復も段取りを考えて同時に進めてゆきます。


差し筋を打ち込んだ後は長く出た分を宏くんがカットしてゆきます。

アップで見て頂くと判りますが、きちんとピンクのマジックペンで切断箇所をマーキングしてます。
細かい指示は堅田部長。

引き締めの完了したお家の中で、お施主さんの皆さまが「こりゃ、凄い技術だ」「きれいに直った」とご親戚と感嘆してくださっている声を聴くのは職人冥利に尽きます。
ps
想像を絶するような傷んだ土蔵の修復計画にお声かけていただいてます。
「どうですか?遺すべきか?解体すべきか?親方の意見をお願いします」と尋ねられて「解体です」と即答しました。

修復したいそうです。
凄すぎです。
ps2
真面目にやってますので、お気軽にお声かけください。
またコロナ禍初期のように現場切れないかと心配です。
どうぞよろしくお願いいたします。
hikiyaokamoto@gmail.com
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