福島沖地震で基礎からずれたお家を直してます。
福島沖地震で家が揺れて基礎に半分しか載っていないお家の修復に、福島県南相馬市に来てます。
来てみると、お施主さんはもちろん。近所のおやじさんたちも口を揃えて「3・11より大きな揺れだった」と言われます。現地で伺うと、報道で知ることとはまた違うことを知ることが出来ます。
↑水切りから5cm程度飛び出しています。
基礎梁を解体して中から見るとこんな感じです。
もちろん内部も傷んでいます。
しかし何よりたいへんなのは、床下が低い!これに尽きます。
なっなんでしょう?蛇人間??
なかなか出来ることではありません。
リフォーム時に遺されていた以前の犬走りや基礎を解体するところからのスタートです。
土台下端からは25cmしかありませんので、電動ハンマーが自由に使えません。
それゆえドリルで先に穴を開けておいて、それを電動ハンマーで砕いてゆきつつ前に進んでいます。
既に6トン近いコンクリートガラを出しました。
※
一般的には、基礎の造り替えはGLより1m程度持ち揚げておいて造り換えてから再び降ろして据え付けるものなのですが、
今回は母屋部分をいじらないため増築部分のみを水平に直した後に土台揚げの要領で基礎を造り換える為の苦労です。
土台も白蟻被害を受けているところを発見。
そしてアンカーボルトが満足に施工されていません。
全部で4本しか出てきてません。
これらは協議のうえ、内壁を解体して土台上から新しいアンカーボルトを適数、入れてもらうことになりました。
自分は、高度な技術を要する親方しかできない(笑)枕木組みをする。と言うことにして、床下から逃げてます。
本当に、堅田さん、宏くん。ご苦労様です。
疲労困憊して、咳と熱が出てます。で、早いけど一旦休みを採らせていただきました。
今回は元請けの沈下修正業者さんに相談されヘルプで来ている案件なんで、休日を採らせていただくのも二重に気を使います。
しかし現場の状況を見てご理解いただけてます。
コンクリートの打設作業が始まったらご一緒に作業させて頂きます。
昨夕、こちらのお施主さんと話していたら、
「束の交換だけでもやってくれないか?と相談したけど全部断られたよ。どうやって直すんだろうか?と思ってたけど、こりゃあたいへんだな」と言って頂きました。
こんな過酷な中で、揺れて母屋から抜けた敷居を引き締めるのに、母屋側が内部は柱勝ちの石場建てだったのでそれをどう施工するか?を話し合った時にまたしても堅田さんが、自分より優れた工法を提案してくれました。
もうこれは、ジェームス・コバーンがブルース・リーを評する時に「彼は技術を教えてくれなかった。どう闘うべきか?を教えてくれたんだ」と同じ域に達しているなーと驚くと共に、「(自分の役目は)終わったな」と嬉しいような、ちょっと寂しいような気分でした。
南相馬市には仮設住宅を作業員用に、ホテルに転用している施設がたくさんあります。
最近はホテル代金が暴騰してますので、これは助かります。
夜は、秋に出版予定の「曳家が語る 構造から直す古民家再生」あらため「曳家岡本口伝 構造から本気で直す住宅再生」を書いています。
改題の理由は「岡本さん。これ技術書というより口伝書みたいなもんですし。古民家再生だけでなく一般住宅のことも出てくるから、タイトル変えた方がより内容に近いですよ」と編集さんにご指導いただきました。今回は、本当に細かく打ち合わせしていただいてます。
掲載順でなく思いついたところから、ポカポカ、メールを送る迷惑な自分の原稿をきれいに編集してくださってます!!
コロナ禍で苦しかった時から言うとなんとか仕事も戻って来ました。
どうぞ皆さま、お気軽にご相談くださいませ。
hikiyaokamoto@gmail.com
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