2024年3月4日 18:47

新潟市中央区で土台揚げ沈下修正工事をやってます!


投稿遅れてましたが、曳家岡本。新潟市中央区で土台揚げ沈下修正工事をさせていただいております。
お家が大きいですし、自分らは心配症なんで一般的な土台揚げをされる方の約3倍程度の工具を搬入をしております。


熟練の技(笑)で、ジャッキをセットしてゆきます。
一般の方向けに説明させていただくと、「上手い医者は必要最低限しか切らない」に近い感じです。

出来る限りアンカーボルトを切りたくありませんから、座彫りして「伸ばしナット」を取り付けてゆきます。
最近は、ここの手間にすごく時間をかけるようなりました。
快調に「伸ばしナット」を取り付けていたんですが・・・いくつかどうしても入らないナットがある!どういうこと?
試しにインチタイプを取り付けてみると・・

入りました!!
どうやら大工さん。ここの現場で在庫処分したんだろうなー。M12タイプとインチタイプが混在してました。
もちろん強度的には何ら問題は無いですし、こんなこと無ければ誰にも知られずひっそりと家の生涯は終わったんでしょう。

宏くん。今日も玄関靴箱したに蛇人間です。
ご苦労様です。

さーてさてさて。玄関部分の独立柱のジャッキアップです。
こういう細工はまだまだ若いもんには任せられん!(笑)と親方自らの施工です。
実はね、15年以上前は四国ローカルの曳家でしたから、こうした柱にボルト穴を開けずに摩擦力で掴んで持ち揚げる金具を「造りたくても費用が無くていつも渋々、柱に穴を開けてました。
その頃のコンプレックスから、金具で掴むのがいまだに嬉しくて、なるだけ自分でやります(涙)


少し持ち揚がりました。


元請けさんであるオーガニックスタジオ新潟の小林さんが「掴み金具」を見て
「去年、岡本さんたちに言われた意味がよく判りました。これは良いですね。」と言ってくださいました。
良い細工を知っていただくことは我々の喜びです。

現場途中で自分は富山県建築士会さん主宰の「液状化被害に関わる家屋復旧対策セミナー」で講師をさせて頂きました。
前半は地盤の専門家であるグランダートユニオン代表 酒井盛幸さんによる液状化に対する解説があって、その後、自分が幾つかの沈下修正工法(主に自分の専門である土台揚げ沈下修正)と抜けたホゾの引き締め方や業者を選ぶ際のヒントなどをお話させて頂きました。


翌日は石川県羽咋郡志賀町に現地調査に伺わせて頂きました。

石川県に入ると、ニュースで見る光景が拡がっていました。

ひっきりなしにサイレンを鳴らしながら走ってゆく救急車。

また全国の警察が応援に来ているらしく他県ナンバーのパトカー。

以前、出身地である高知県行政の方に「岡本のやっていることは民業なんだから、行政が支援する必要はない」と言われていたそうですが、北陸各県の建築士会や被災住宅にお住まいの方の為に、自分の出来ることは本当に僅かです。

今は昨年からのご縁で新潟・住学に参加されている建築士さんからのご依頼中心にお仕事させて頂いてますが。
数やれない自分たちとしてはどうするのが一番 良いのか?悩んでしまいます。

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2件のコメント

  • 泉 洋介 より:

    岡本さん、新潟の被災者の方々のために遠方よりありがとうございます。まだまだ寒い日もありますので、どうかご自愛くださいね。

    • hikiyao より:

      泉さん
      ありがとうございます。
      本当に寒いです。数はできませんが、ご依頼いただきましたら丁寧な施工を頑張りますー。

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。