2023年10月26日 18:57

曳家は斜陽産業。

どこかで認めたくない気持ちがあって、今まで触れずにきましたが。
やはりこのまま無視しておけませんゆえ、今回は「曳家は斜陽産業なんだ」と云う事を書きます。

今、あちこちで「建築職人不足」と言われていますが。全国の曳家職人は決して多忙ではありません。
そもそも曳家が重宝されたのは1960年代の道路拡幅工事に伴う移設工事が盛んだった頃の話です。
今では補償積算方法も変わりましたし、道路拡幅もかつてほどは、ありません。
近年で忙しかったのは、2011年の東日本大震災の後くらいです。
それも家を移動させるのではなく沈下修正工事業者としてでした。

需要が少ないですから、兼業(主に基礎、解体、斫り)をするか?仕事を求めて全国行脚するか?でもしなければ継続できません。
そんなわけでたまに出る案件をなんとか成約したい。と考える曳家は利益率を極端に下げる為に「やるべき工程」を飛ばして勇気のある施工をしてしまいます。

新築であればC値が0・4だった。トリプルサッシだ。と言っている建築士や工務店も曳家の技術に無頓着です。
なので、まるで素人のように「金額」だけで判断しています。

100回の幸運があったとしても、1棟の死亡事故あればやるべきでなし。

この年齢になると、色々な事故の情報も入ってきます。危ないことやって武勇伝のように自慢する馬鹿は退場して欲しいです。

自分は根性の無い曳家です。
ただでさえ危険な作業をしているのですから、やれるべき工程は出来る限りさせて頂きます。
そして工事が終わった時に「もっと傷むと思っていましたけど、きれいに施工していただいてありがとうございます。」と言って貰えるよう精進してます。

自分は、「仕事無いなー」と嘆くだけでなくテレビやsnsで情報発信するだけでなく、建築士向けセミナーや書籍の出版を通じて、曳家の技術を知っていただいて新たな市場を獲得してゆきたいと願っています。

11月15日に「曳家岡本口伝 構造から直す本気の住宅再生」(創樹社)が発刊となります。

ぜひたくさんの方に読んで頂きたいです。
また記念セミナーを
11月16日(木)10時より、東京神田。
翌日 17日(金)15時30分より新潟駅近
を行います。よろしければご来場くださいませ。
お問い合わせ・お申込みはhikiyaokamoto@gmail.com迄お願いします。

ps
ただ今、岐阜県可児市にて沈下修正工事施工中です。
近隣の方で「うちもちょっと見て欲しいー」というお話ありましたらお気軽にご連絡ください。

 

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2件のコメント

  • 吉澤幸恵 より:

    今月上旬ベランダ立ち上がり部分斜めに沈んでていることを、近所に指摘されました。その後建築会社や大工に見て欲しいと要望してますが、まだきていません。
    2週間ほど経過し、沈みが一段大きくなり正月休みに落下すると大変だと思っています。
    隣家は新築のため落下すれば破損させる可能性もあります。
    現場をみていただき、
    着工と工事期間、費用概算を教えて下さい。
    川崎市です。

    築40年以上、リフォームは7年前、ベランダ防水も実施しました。

    隣家が地下のある3階建てマンションを昨年解体し、現在4戸の戸建てです。

    • hikiyao より:

      𠮷澤さま
      返信遅くなり申し訳ありません。
      現在、元旦の地震の影響で急に忙しくなりました。
      弊社の場合、最低でも半年は施工できない状況です。
      それでもよろしければ、hikiyaokamoto@gmail.comまでご連絡ください。

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。