新潟市西区大野/築浅住宅の土台揚げ沈下修正工事
改修工事においては、出来る限り無駄な解体を避けなくてはなりません。
表札部分の独立柱の持ち揚げ方を見て「ああ、プロだな」と判っていただけたならそれは嬉しいです。
※ぜひ画像を拡大していただいて、ボルトの貫通位置や枕木の向きを調整するために敢えて厚みの薄い樫板を使っている部分を見ていただけたら嬉しいです。
今回のお家は築浅案件です。
座彫りされているアンカーボルトをどう再緊結するべきか?
ホールダウン金物をどうするのか?基礎と安く施工するということを優先順位にするならば、お施主さんには、黙って切断しておいて、コンクリートで詰めて見えなくして収めてしまうことを選択される方もいるかと思います。「だって20年以上前の建物ならそもそもホールダウン金物なんて無かったんだから、それでも良いんでない?」と考えてしまうかも知れません。
しかし今回の山川建築事務所の山川さんは、正直に伝える。と云う選択をされました。
新潟で家を建てるなら、注文住宅、自然素材の木の家 山川建築事務所 (machinaka-sansou.com)
「岡本!お前、仕事をいただいているからと忖度して持ち揚げているんだろ!持ち揚げるのは家だけにしておけよ」
と思う方もいるかも知れないんで、書いておきますけど。
今、自分たちは仕事を選べる立場にあります。なので、この方と組んでも良い仕事にならない。と思う場合はお断りをしてます。
ホールダウン金物17本中13本は壁を解体して外して頂きました、残りは切断~溶接となりました。
この切断にあたっても出来るだけ柱の載っている部分の基礎を傷めないように堅田職長が出来るだけ配慮して斫りました。
アンカーボルトの溶接を山川さんが解説イラストを描いてくださったので転載させていただきます。
単純に「こんな手間描けるのなら基礎ごと揚げれば良いのではないか?」と思わる方もいらっしゃると思います。
しかし予算もそうですが、基礎ごと持ち揚げる選択をすると外構部分は全て撤去となります、玄関部分の緩やかな階段を含めてお家の裏側の独立柱6本や庭にも影響がでます。
着工させて頂いてから山川さんに伺ったのですが、幾つかの工法を予算も含めて検討されたうえで「土台揚げなら岡本さんに頼む」と決めていてくださったそうです。感謝です。
先日、こちらの現場の近くで同じ土台揚げ沈下修正工事をされた飲食店にお昼ご飯に行きました。
同様の独立柱が入り口に4本あったんですが、垂直方向が斜めになったまま据え付けていました。
普通に考えて、真っ直ぐ立っている柱と斜めになった柱ではどちらが上部の荷重を強く持てているのか?誰が考えても判ります。
もし?この飲食店の工事を管理する立場の方がいらしたとしたら、お施主さんに「柱の立ちは直せてません」と伝えたのでしょうか?
建築士は新築のプロであって改修は専門外なのだ、と言い放って良いものではありません。
ps
長期滞在生活なんで、枕元に置いて時々「フリーダ・カーロの日記」を読んでいます。
ドクロの絵を見ながらメメントモリ(人はいつか死ぬ)に思いを飛ばして、新潟の夜は更けてゆきます(笑)
2件のコメント
岡本さんの仕事感動します。
岡本さんの周りには、良い人たちが集まりますね?素晴らしいです。
速水先生 そんなそんな恐縮です。また出向きます!