2025年5月19日 6:05

「建築士が沈下修正工事を相談されたら読む本」6月10日発売です!

自分は若い方に「どうして真面目な仕事をしない人がいるのでしょうか?」と質問いただくと、毎回繰り返して云うのですが。
それは「歴史を背負ってないからだと思う」と答えています。

重量物を移動することから派生した「重量とび職系曳家」と、かつて「曳大工」と呼ばれた大工から派生した「大工系曳家」その中でも昭和南海大地震の復興のために発展した「土佐派の曳家」の末裔である自分は地盤補強会社とは違って、上部構造のバランスも沈下原因に大きく関係することを発信し続けてきました。

昨年元旦の能登半島地震の発災後、めちゃくちゃな沈下修正工事をされている光景を見て、歴史を背負う者として自分なりの正論をぶつけたくなり。もともと一般性の薄いジャンルで専門書は売れない。とご意見いただきましたが、遺したくて創樹社、中山紀文社長にお願いして、もう一度、沈下修正工事の専門書を出版させていただきます。

いよいよ発売まで1カ月を切りました!

予告編として、冒頭部分を掲載します。

「新潟は混乱している。
元旦に起きた能登半島地震で10000棟の沈下が起きた新潟では安い工事を求める住民とゴールドラッシュを目指して沸いてくる「にわか業者」が、まるで祭りのように不確かな情報をやりとりしている。
安さを求めて国道沿いに並ぶ「リフォームアウトレット」系に相談する施主と、その下請けになる無責任に粗悪な欠陥住宅を乱造している業者のことは無視しておいて、この本は、建築士に相談する見識がある施主と、それに応えようとする建築士の為に書きます。

数日前に、新潟のある建築人とお話させて頂いて、一度は弊社にご相談いただいたものの、地元工務店の説明を信じてそちらの手配する施工業者に依頼したが為にプロが視ればあり得ないほどに家を傷められて安全性が担保できない建物にされてしまった事例を見ていただいた。
その方に言われた「そりゃ仕方ないよ。岡本さんはよそ者だから(笑)」
その心情はよく理解出来ます。
その内容や価値が理解できない場合はそうなんだろう。

これを飲食に例えるならば、人は生きてゆくために常に何かを食べないとならないため、誰もが充分な経験値があり、「あの店のラーメンは美味い」「パンチ不足」「臭みが取り切れてない」など評価できるのだが。
地震や圧密沈下で家が傾いた場合、どう直すべきか?の充分な経験値や知識を持つ人はごく、まれ です。
そうかと云って現役実務者である自分がどんなに誠意を持ってアドバイスしたとしても、「よそ者」のうえ「利益誘導」しているのではないか?もしくは自然とそうなっているのでは無いか?と思われるのは当然です。

それゆえ、自分は建築のプロである「建築士」に情報を伝えてフェアな立場から大まかに分けて6つある工法を選んでいただきたいと思います。」

6月5日には住宅ビジネスフェアにて登壇させていただきます。
同会場で先行発売もいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。