2018年6月24日 16:42

広島県呉市で沈下修正工事 完了しました!

広島県呉市での在来木軸住宅の沈下修正工事

想像以上に苦戦しています。
ある大工さんに「松は硬いよ」とご指摘承けましたが、土台揚げ工事としては「松の土台」は弱いです。


ジャッキにしなって割れそうな悲鳴を上げます。
なので・・今回はガチで自分が床下に入って土台の悲鳴を聴きながらジャッキアップ!

弱い心だと・・ジャッキ穴を増やして揚げることを優先してしまうでしょうが・・家は持ち揚げる瞬間より座ってからの時間がとてつもなく長いです。
なので、出来る限り、無用なジャッキ穴を造って僅かでも基礎強度を落としたくないです。

それにしても、今回、お仕事を手配してくださって建築士の清原さんから見せていただいていた地盤調査会社のSSデータをもとにした診断書ですが。
なんなんだ!これは安易に「アンダーピニング工法での沈下修正工事を推奨します」とあったけど・・
現実には基礎は布基礎で鉄筋が少ないです。そして上部構造の2階の壁面の乗りが悪かったりと、
決してアンダーピニング工法を選択したからと解決する問題では無いし、基礎の立ち上がりを傷めるリスクも多分にある。

こういう診断書、書くのならもう少し上部構造の勉強してください。悔しかったのは、お風呂のトイレの境界部分をもう5mm持ち揚げたかったけど。ここをいじるとトイレの配管や床を撤去しないといけなくなるので建築士の清原さんと相談して諦らめたこと。揚げると天端を詰めないといけませんから。トイレの中には配管があるので狭いと人間が入ってゆけません。
なので、僅か5mmを追いかけてお施主さんの負担額が増えるのは避けたいので、なだらかに修正しました。
ですが・・結果として勝手口の扉が締まり辛くなってサッシ屋さんを呼ぶことになりました。

 

揚げれば調整できるんでしょうが。

正直、こんなに揚げ辛いお家は8年ぶりです。
でも、自分としてはすごく舐めていたせいもありますが・・
お得な金額で施工させていただけている自信があります。
たぶん自分の円熟期(自分も作業できる年齢でありながら、経験も積んだ)だからかな。

 

 

曳家岡本名物のコンパネを当てて中からギューと詰めた天端。

風呂場の高基礎のアンカーボルトでネジ山に余裕がある部分はナットを緩めておいて、固定後で締め直しました。
ここのお家はアンカーボルトがかなり柱に近いところが多くて、むやみにアンカーボルトを切断すると、今度は柱が降りる基礎が弱くなりますので。
1か所だけナットを外させてもらうことで、切断を避けて基礎をはつらないことを優先させていただいた箇所もあります。
こうした判断も建築士さんが現場にいてくださると、相談できるのでありがたいです。

仕事が終わって、ホッとして川沿いの屋台で一杯(嘘)
ラーメンを1杯+おでん3個

帰りに古本屋で、栗山千明さん主演の「GSワンダーランド」のノベライズを発見。監督本人が書いているから、ほぼ映画のまま。でも面白く読めました。

 

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。