2018年7月12日 5:27

豪雨災害で家が傾いた場合の修復方法について

まだまだ豪雨による被害、落ち着いていませんが・・

自分なりに情報提供できることを書いておきます。

※浸水被害後の床下の洗浄やメンテナンスに関してはこちらをご参考にさせていただくと良いかと存じます。広島のカオル建設 衣川社長のブログです。http://blog.livedoor.jp/berone/archives/51989617.html

大雨で地盤沈下した場合の対応策としては、流れた土と同量のものを底板の下に入れることで「沈下修正」「地盤改良」が出来ます。
これは「薬液注入工法」で土質によって異なりますが、アルカリ性薬剤もしくは水ガラスと硬化剤を地盤に入れることで、持ち揚げる工法です。
デメリットもありますが、きちんと調査したうえで適切な場合は効果があります。

「アンダーピニング工法」、「耐圧板工法」は底板下にトンネルを掘る必要がありますから、地盤に固さが戻るまでは危険ですから施工できません。
また既存の家が上にあるわけですから転圧ができませんので、地盤が落ち着いてから、上記の工事をした場合は、底板とGLの間を埋める若干の発泡性のあるグラウド材を注入した方が良いでしょう。

社寺、古民家などの地盤沈下は予算はかかりますが、理想としては礎石の廻りを薬液注入して拡く固めておいて、そのうえで柱を掴んで「上腰工法」で、きちんと持ち揚げれば直せます。
この場合、柔構造の一度、変形してしまった建物は元に戻してもホゾや仕口が甘くなっているうえ、癖がついてしまってますから、筋交いや耐力壁を入れて、剛構造に換えなくてはなりません。

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。