2018年12月8日 17:54

大きく傾いたベランダを直しています!

今回の、現場はイオン高知のそばのお家です。

スラブを打った重いベランダが圧密沈下を起こしています。

1000分の60くらいの沈下です。

(厳密な数字は天井を貼られているので計測できないのと、実際にはお家、本体もやや引っ張られて沈下しています)

いつものように、専用の金具を使って柱を掴みます。

で・・足元にはH網を組みます。なんで・・そこまでする必要があるのか?と疑問視される方もいらっしゃるかと思います。

実は、沈下した際に、柱の下の犬走りが外側に向けて動いたために、柱が「ハの字」に開いています。

これを直す際に、反力を獲るための支持台としてH網を組みました。

「かやし」でお家本体側に柱の足元を動かさないといけないです。

 

がっ!!

思っていたより、ベランダが重くて!!!添え柱の金具がずれてゆきます!あわわわ!!

なので!!久しぶりに鉄板2組み使い!!こんなに重いとは!!

 

そして!!

道路側の独立柱は!!柱が動いたためにコーキングに隙間が出来て!!腐食&蟻の侵入しておりました!

これは!!理想は柱の差し替えでしょうが・・そこらへんは大工さんや工務店さんのご判断です。

そして・・自分として大工さんが高い位置でノミを使い易いように枕木を組んで、上部で掴むつもりだったのですが・・・

ご年配のお施主さんの思いの詰まった植木を伐らないでやって欲しい。というご要望に、応えるために出来ることにブレーキがかかります。

 

自分ら職人の立場だと・・家の強度を考えて~~となるわけですが・・なかなか「想い出」を涙ながらに語られると・・・工務店さんと話し合っていただくしかありません。

明日は後の施工をされる大工さんを交えての話し合いです。

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2件のコメント

  • 井上 生一 より:

    レーザーレベルを当てれば計測可能なのではと思いました。思い出を出されると辛いですよね。私も補償でダム事業に携った経験があります。思い出の土地を離れたくないと涙ながらに話されると、こちらも—-

    • 岡本直也 より:

      井上さま コメントありがとうございます。レーザーは使ってます。でも梁とか基準になる部分が上から貼られているのでミリ単位では正確な計測が出せない。という意味です。「思い」を言われるとどうしようもないですよね。大工さんも困ってました。

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。