2019年3月3日 8:53

8回目の3・11が来ます

もうすぐ8回目の3・11が来ますね。

世間では東日本大震災の風化が叫ばれるようなりましたが、8年ってそんなにも大きな時間なんだな。

確かに被災された方にとっての8年と、全く関係ない地区の方にとっての8年とは,物凄い温度差があります。

自分は、そのどちらでも無い立場です。

震災が起きて、傾いた家を直す専門家として千葉県浦安市にご招聘頂いた時から自分の新しい人生が始まりました。

それまで、うすぼんやりと先代である父親の跡をついて、なんとなく曳家をやっていたのが、「この時代にこの技術を継承していた者の務めとして」住宅復興に専念するようなりました。

もっとも全国行脚しながら曳家をするわけですから、故郷・高知県で兼業しながら行っていたことも全て止めました。

駐車場も始めの頃は借りていましたが、通年だと使わない期間の方が長かったりするので、コインパーキング利用に換えました。(これは近所のコインパーキングが満車だとどこかで時間を潰さなくてならないので意外と疲れます)

ですが、一番は家族と離れ離れで暮らしていることによる弊害があります。どうしても娘たちの子育ては家内にのみ負担が増えます。ましてや高知を出るときは小学生だった次女も今では大学生です。

たまにしか現れなくて、突然、意見する「父親」は、家族三人(家内と娘2人)の生活を乱す迷惑な人です。

被災された方に比べれば自分の変化など微々たるものです。

ですが、3・11で色々な方が予想もしていなかった運命に立ち向かわなければならなくなったことを忘れてはいけません。

ps

自分の出来ることとしては昨年、東日本大震災以降の沈下修正工事の解説や対策をまとめた書籍を出しました。「曳家が語る 家の傾きを直す 沈下修正ホントの話 工費200万円と1200万円 どう違う」(主婦と生活社刊)から出したことで、将来の地震被害の際への参考提案をすることが出来た。と考えてます。これは一つの区切りになりました。

ps2

例の大きな現場の打ち合わせも粛々と進んでおります。自分の身体の中に残る「土佐派の曳家」技術を継承させることが出来れば嬉しいです。そして、次の南海トラフ大地震の際には彼らが全国で活躍してくれることを願います。

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。