2019年2月19日 10:32

曳家岡本の家起こし(軸組補正工事)

ご契約の都合で現場が空いてしまいました。

曳家(特に自分は)大量の資材を使いますので、そのスケジュールを上手く組まないと動きが採れなくなります。

そうかと云って、大量に資材を持ちすぎると倉庫の維持費もかかりますし。また今や枕木1本(アピトンだと)6000円の時代ですので気軽に資材を増やすことは出来ません。

時間があるので、この機会に、今まで派手な画像だけ(笑)を見ていただいていた「甲浦八幡宮」の沈下修正+家起こし+根継ぎ+土台と向拝柱の入れ換えについて、「どうしてこんな派手に大量に枕木を組んだのか?」の解説をさせていただきます。

画面左側(向拝柱の方に全体的に傾いでいます)
これは逆側から撮影してます。画面右側が向拝柱側です。柱の斜めぶりを見てください。
画面中央の柱はかなり粗っぽい根継ぎをしてました。

左側に八幡宮が傾いでいるのが判りますよね。

これは、どうして廻りにH網を多く組んでいるのか?と云いますと。弊社の枕木の長さが1m20cmなんです。枕木の長さの2倍までが、枕木が揺れない限界ですから、そのままだと、2m40cmまでしか安全に持ち揚げれることが出来ません。

この時、使った資材は枕木1000本、H網100本でした。

なので、まず足元を拡くしておいて、その上で途中にもH網を組むようしました。

画像中心部の横架材のまわりの枕木の組み方に注目してください!

そしてお宮さんですから、上部は彫り物で固めらていますから、そこを解体するのは避けたいところです。

大工さんと相談して、まずは鴨居にワイヤーを掛けて動かしてみよう。となりました。大きなホゾが入っていることや、屋根が瓦ではなく銅版なので比較的、軽いだろうと解釈しました。

ですが、それだけだと「突く」力が弱いですから、動かす側に枕木を組みあげてそこからも「かやし」(突き掛け)で圧そうと枕木を高く組み上げました。

一回組み上げてから上の画像、真ん中あたり(H網の上、枕木5段目あたり)にある腰長押を解体しないように2段に1回は短い枕木を内外に組んで、そこを越えてから再び通常の長さの枕木を使って組み上げたのですが・・、

この上から下を見ると意外と怖かったです。

家起こしをすると、腰長押が枕木に当ることに気がつきまして!!半日、かけて一旦、解体して再び組み直しました。

山側に動き易くするために、少し向拝柱側を持ち揚げてます。

そして、向拝柱側にも枕木を組み上げて、海虹梁の下を圧しながら、いよいよ家起こしです。

大工さんたちも、普段はされない作業ですので興味深々です。

どうやって?山側に引き締めるか?ずっと考えていたんですが。八幡宮の地盤が砂地で杭が決まらないことことから、現状、建物の重みで決まっているH網を延長させて、そこにワイヤーをかけることにしました。

始めてしまえば半日ほどで家起こしは終了しました。

しかし!!沈下修正+家起こしをしている過程で、想像していたより土台の下面の白蟻被害が酷いことが判明しました。

栗の八寸角の土台だったと思います。

足元に組んだH網から反力を獲って柱をホゾ穴に押し込みます。

ちなみに、判り辛いですが・・内部の柱も根継ぎするために掴んでました。  この柱へ貫通させている丸い鉄棒は以前の改修工事の際のものです。

 丸柱でしたので、この柱のみ添え柱を取り付ける為にボルトを貫通させていただきました。後で埋め木してもらいましたが・・なるべくなら穴開けたくないですよね。、

解体です。

組む時も辛かったですが、解体はもっと疲れます。

一気に降ろすの危ないですから、降ろすための仮置き場を組みました。
柱に掴んでいた金具が残っています。

この当時は、自分と弟子の2人しかいなくて撤退まで含めると1カ月半くらいかかりました。

近隣にコンビニも無い小さな町でしたから、昼休みに、道の駅でご飯を食べるのが愉しみでした。

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