曳家が考える基礎工事のこと

本格的に暑くなって来ました。熱中症に気をつけて、お茶意外にも、ガリガリくんなどアイスケーキを食べる季節です。現場から少し離れた資材置き場での積み込み作業では、川漁師のような竹の帽子を被って作業してます(笑)、安岡くんが「俺の分は無いんですか!」と叫んでますが、無視です。無視。

昨日から、嵩揚げ工事終盤戦に向けて、現場の掃除、片付けをしました。大量に出ていたゴミも、高知の倉庫に持ち帰り焼却炉で燃やしました。

合間に、奈良での曳家工事で使う資材の仕分けです。


徳島の現場は片付けないとなーと思いながらも連日の激務で、なかなか気持ちも肉体的にも、そこまで余裕がもてなくて、現場監督さんにもご迷惑かけていました。ちょっと、すっきりです。
スッキリと云えば、枕木の組み直しです。この現場は建物への出入りのための大きな縁石が周りにあります。これらを退かすことは不可能ですから、上手く周りを間隔を飛ばしても折れない硬い枕木を使って、石を取り囲むように、枕木を組み直しました。



嵩揚げが終了してから2ヶ月間、仮置きをするわけで すが、基礎屋さんが型枠を組むのに支障が無いところに枕木を組んで置かなくてはなりません。
ちなみに基礎屋さんや、建築士さんの中には、「べた基礎に造り換えたいから、枕木は外周部にしか組まないで欲しい」と、いとも簡単にリクエストされる方たちが、ままいます。それは出来ないわけではありませんが、長い鋼材を途中、全く受けることなく外周部だけで持ち揚げると、中は確実に「弛みます」。それを最小限に抑えるためには、大きな鋼材を使うことになります(例えば弊社、曳家岡本では、通常200mm×100mmのH網を使ってますが、これを300mm×150mmに替えることで飛ばす距離は伸ばすことは可能になります)ですが、大きな鋼材を使うということは、搬入や組み立てに手間が増えますから、費用が増えます。
もちろん、大きな鋼材で下からの支えを少なくすることで、重い建物だと軸力が通常時と違う伝わり方をしますので、ホゾなどに負担が掛かります。

曳家を評価する中の言葉の中に「曳家したんだから多少は傷むでしょ」と言う侮蔑的な言葉があります。もちろん新築に敵うはずは 無いですが、真面目に出来る中で出来るだけ傷めないように、やっているつもりです。
今回の施工では複雑に入りくんだ基礎工事をして頂くために、短い枕木で組みあげないといけない範囲があります。枕木を組む時に大切なのは、GLから組み上げる高さの半分の長さが無いと「揺れる」と言うことです。例えば120cmの高さまで組むならば、最低60cmの長さの枕木を使わなくては安心して仮置き出来ないわけです。これはあくまで最低限の長さですから、出来るだけ長い枕木を使うと良いに決まってますが、基礎屋さんにしてみれば建物の中の枕木は小さな山であればあるだけ作業がしやすいですから、それぞれが相反する立場になります。
建物が揺れずに、且つ基礎屋さんも、なんとかやれる施工品質を保たなくてはなりません。今回の現場では、どうしても枕木を組まないといけないポイントに、弊社の通常サイズ120cmの枕木が組めないんで、4寸角の桧を75cmの長さに切り揃えるよう準備してます。後2週間ほどで、暫くこちらの現場を離れるわけですが、離れている間も傷まない最大限の配慮をし ています。
PS
前日、助っ人に来て下さってた小口さんと別れ際に、帰り道に読んで頂こうとケン グリムウッド「リプレイ」を渡しました。

もはや古典とも云えるSFファンタジー小説なんですが。自分は、これを発売当時に読んでかなり感動した思い出があります。
主人公は40歳くらいになると毎回!死んでは前世の記憶を持ったまま生まれ代わります。前世の記憶がありますから投資を含めて、かなりのことで成功を収められるのですが、何度も人生を繰り返すうちに、本当の幸せを考え直して成長してゆく話を細かなエピソードで膝を打たせながら楽しませてくれます。
近年、明らかに本作にインスパイアされた「ハリーオーガスト15回目の人生」が上梓されましたが、なかなか本家越えは難しかったようです。
実は自分もタイムトラベル小説を書いてるんですが、なかなか完成しません!早くデビューしたいな(笑)
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