2019年9月19日 18:41

豪商の古民家:据え付け直前!



建築工事の中でも古民家修復工事(化粧だけ直す古民家再生は省く!)は、なかなか予測が付け辛い工事です。

ある大工さんによれば「古民家再生工事で見積もりが出せる方がおかしい」と、断言されるようですが・・そんな「黙って俺を信用しておけ!」みたいな受注スタイルは、今では通用しません。

さて言い訳は、ここまでで(苦笑)

ただ今、ようやく新しい土台が敷かれて、その上に柱を降ろしている真っ最中です。

今回の現場は大きいので(延床約120坪)、仕事の進み具合が遅いです。

なので、劇的ビフォーアフター!とはならず、逆に過程をきちんと見ていただこうとブログを書いています。

作業過程を見せないブログや職人さんもいますが。曳家岡本はいつなんどき、誰の見学も拒みません(笑)←お施主さんや元請けさんが承諾してくださればです。

横浜都筑区の古民家の場合は、柱が大きかったので、ホゾも同様に大きく、しかも欅でしたので、割と大胆な施工が出来たのですが。今回はそれに比べると柱が小さいですから、ホゾが折れないように、かなり神経を使います。

がつんがつんに組んである鉄骨を利用して、引き込んだり・・・

押し込んだりするわけです。

手間を惜しまずH網を組んでいるからこそ出来る軸組補正の技術です。

大工さんも、凝った木組みの細工をして下さってますので、曳家もそれに応えなくてはなりません。

時々、いも付けにして、ホゾも何もないまま据えつけておいて・・後からボルトで縫っている細工を拝見しますが・・そういう楽な現場良いな~。そういう仕事のご依頼をお待ちしております(笑)

オリジナルの「もちおくり」を出来る限り残すようにカギも気を配らています。

ps

ようやく2度目の徳島入り。

お米や醤油など。そして、洗濯洗剤やシャンプーもまずまず買い揃いました。

今夜くらいから、やっと落ち着きました。

ps2

千葉県の台風被害のこと。

千葉県建築士会に参加させていただいていて、尚且つ、千葉県市原市に倉庫を借りている自分としては、何か役に立てることが無いだろうか?と職人仲間と話しております。

滋賀の宮内棟梁が書かれていらっしゃいましたが、ほとんどの職人は現場を持っておりますから、災害が起こって即消防や自衛隊のように駆けつけることは出来ません。

何か制度として、職人が動ける法案などが出来ると良いな。と思いつつ、それを待ってても仕方ありませんから、宮村棟梁や須賀棟梁と、自分らだけでも動けるだけ何かやろう。と連絡とりあっています。

ps3

北海道の地震から早くも1年です。

未だにご相談いただいたりもいたしますが・・自分らでよろしければ来年4月以降、雪解けされてから行きます。どうぞよろしく御願いいたします。

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。