2019年11月16日 18:29

鉄骨3階建て住宅、浮き上がりました!

鉄骨3階建て(1階は農機具置き場の倉庫)の、ひび割れた基礎の造り替え工事。

なんとか、持ち揚がりまして、既存の基礎の撤去を始めました。

こちらは前回も掲載した、押しつぶされた独立基礎の画像です。

位置は違いますが・・コンクリートを、剥がしたところです。

左側に見える2階への階段の足元も、ジャッキアップのためにはつりだして、指をさしているところにジャッキを掛けています。

画像、右側の立ち上がりの中に配筋されている鉄筋が真っ黒に錆びています。

これらも含めて、自分たちの見立てでは、塩分の強い砂を使ったコンクリートに、おいうちを掛けるように擁壁側の地盤沈下で、道路側の柱にかなりに負荷が集まって、このように割れていたんだろうな。と推察します。

一番、沈下していた柱は41mmでした!

そして、この柱が、ものすごく重くて、2台の15トンジャッキで揚がらず、この1本のために6台のジャッキを掛けました。
それでもH網の梁が、しなって鳴いて、表面の塗装が割れてきて・・・かなり揚げるのに緊張を強いられました。

道路に、はみ出さない範囲で外側の枕木を組むために、わざわざ倉庫に戻って4寸角の長い檜を持って来て、それを側溝の幅、ぎりぎりの長さに合わせて切りました。

(側溝の中の、たまりにたまっていた泥も、宏くんが全て取り出してくれました)

そして、枕木が多くなるところは、安定性を高めるためにH網を乗せて、揺れを抑えるようにしました。

中には荷物もありますので、それらを寄せさせていただきつつ枕木を組んでゆくのですが・・立ち上がりの鉄筋の錆び具合を見られたお施主さんから、当初の柱の下の基礎だけ造り替えるのは無く、布も造り替えて欲しいとご希望をいただきまして、

急遽、立ち上がりの部分にも型枠を組めるように間隔を開けて、枕木を組まなくてならなくなりまして。重いスラブが2重に乗ったお家なのに、荷重を受ける柱の直近から20cm程度逃げて組まないといけない部分など出てきました。

新築であれば20cm位置を変えるなどは容易でしょうが、既存の建物であり。

尚且つ、全ての柱の下の基礎を撤去して基礎を造り替えて完成するまでの約3週間。

安全に過ごしていただくための闘いの第一関門は突破です。

このブログを読んでくださっている大多数の方は、「うわ~面倒な工事だよな。新築にした方が早いよ」と思われるかな?(苦笑)

でもでも、新築にする、たぶん5分の1以下で引っ越しもしないで直せます。

ぜひ全国の建築士さん、リフォーム会社さんは、こういう技術があることを憶えておいてくださいませ!

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。