2020年6月7日 8:21

尺三寸の欅の大黒柱の古民家!

千葉県夷隅郡を旅立つ直前に、茂原市にある古民家再生や移築、古材を使用した新築を専門とされている「熊家」の岩熊社長から、「見てもらいたいお家がある」というご連絡をいただいて参上してきました。

外部は以前の持ち主の方が最低限のリフォームで済ませていたため、もともとは茅葺きの屋根も外壁も一番安い波トタンで覆われているのですが・・
中に入ると・・うわっ!!なんなんだ!この構造材の太さは!

痺れる立派さ!
たぶん自分史上かつて無い構造材の太さ!
しかも大黒柱は欅の尺三寸(約40cm)角の柱!
新しく購入されたご家族に、「アンティークのようなものですから欲しい方が現れての話ですけど、この柱だけでも200万円の価値がありますよ!」と興奮気味に話してしまう。
平屋で50坪を越える大邸宅!

そんなお家が縁側から仏壇にかけてだけでも14cmも沈下していて、さらに鴨居が抜けている。
水平に直してから引き締めてどこまで戻せるかな?いや、ぴったり戻します(笑)

購入された不動産屋さんからは「石場建ての古民家は何年かに1度は不陸調整をしないといけないものですから」とご説明を承けたそうですが・・
これだけ重いと早々簡単には直せません。
現実にこのお家は1度も沈下修正(不陸調整)をした形跡がありません。

奥さまには、どういった修復をしておけば地盤補償を付けられるか?
どうするのが後のメンテナンスが少なくて済むのか?をお話させていただきました。

ちなみに、こちらのお家の修復工事は、御宿のお家と比べると1・6倍程度の見積もり金額になってしまいました。
大きさから云えば1・2倍なんですが。
あまりに構造材が立派すぎて簡単に揚がりません。
大黒柱はその自重だけでも推定800kgあるかも?
するといつものように柱を金具で掴むだけでは持ち揚がりませんの、周辺の天井を剥がしておいてもらって梁を突かなくてはならない箇所が何か所かあります。
この細工をするために余分に持参しなけらばならない枕木や鉄骨、そして細工をする手間を見積もりさせていただくと費用もかかります。
これだけの立派なお家、どうか本格的な修復工事をして頂けければと心より願います。

この画像は御宿の現場の裏手なんですが・・
このお家の周りも素晴らしい田園風景!

岩熊社長には、田舎生活での重要事項である「やぶ蚊」との闘いのために庭には芝生程度の長さまでは雑草を遺しておくことで、カエルが繁殖してくれて、やぶ蚊を食べてくれることなどをお教え頂きました。

ところでコロナ禍のせいで、2拠点生活がより推奨されるようなって来て、都内に住む方から千葉県いすみ市外房の古民家生活が注目されています。
外房エリアは一の宮のサーフィン、周辺での釣りだけでなく、山間部には幾つものゴルフ場。そして牧場(なのでチーズのお店もいくつかあります)
さらに海側の白子温泉は黄色の「黄金の湯」、山側の養老温泉は「黒湯」と素晴らしいリゾート地帯です。
これらが都内から約2時間程度で行けるのです。
今までは高速道路のアクセスが悪くてその面が足を引っ張っていたそうですが。
その代わりかなり安いです。(お前が言うか!(泣))

自分もセミリタイヤしたら、いすみ市に移住しようと色々考えているくらい自然豊かです。それでいて(たぶん)都内で就職するだろう娘たちにも頑張ればお互い行き来できる距離!

現場の片づけをしていた某日。
親方兼社長として、営業についての相談をさせていただくために東京八重洲にある「営業のお守り」という行政書士の宮野先生がされているオフィスに出向かせていただきました。
宮野先生には「あまりに当り前ですが、建築業に関わらず色々な方に逢うことが大事ですよ」と胸に刺さるお言葉を頂きました。

ついつい自分を評価してくれる居心地の良いところにしか出向かなくなるお年頃ですから、宮野先生の言葉を胸に失業期間中(今、現場切れてます)は色々な方にお逢いできればと思います。

ps
もちろん現地調査のご依頼もお気軽にお問合せくださいませ。
先にメールで簡単な資料をいただきましたら、概算工事金額を出させていただきます。
そのうえで「それくらいなら検討できるかな?」と思われましたら、交通費実費と調査費15000円をいただけますとお伺いさせていただきます。

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。