2020年12月6日 7:16

緊急沈下レスキュー!大阪初現場

曳家岡本!初大阪現場!でした!!

この案件は、薬液注入工法のパイオニア「平成テクノス」の堀内専務からの、
「さっき問い合わせあった電話が、岡本さん向けかなーと思ったんで。電話番号教えておいたんで、かかって来たらよろしくー」から急遽、受注させていただきました。

これは、公共工事中の事故対応ですので、あまり詳しくは書けないのですが、曳家の技術にはこういうのもあるんだなーということを知っておいて頂きたくてここに書いておきます。

ある施設の屋根を支える独立柱が周辺を掘削中に40cmほど沈下した事故対応でした。
アンダーピニング工法で柱の真下に鋼管杭を打って持ち揚げれば良いと考えてしまいますが・・。

沈下だけでなくUFOキャッチャーのアームのように内側に、20cmほど斜めになっている状態でした。
そこで「家起こし(軸組補正工事)」のプロ 曳家岡本にお声がかかったわけなんですが。

流石は大阪です。
担当者と打ち合わせしている最中も、50歳くらいの女性が・・
「あああ!あんたら、ここ直すの?早うしてくれんと!市長にクレーム云うで!ここなあ、うちの娘の通学路やからな!危ないやろ!」

自分らをご招聘くださった現地工務店の方からは、
「いや~あちこち断られて・・・平成テクノスさんに電話した時も、事務員さんに「それは弊社ではしてないですね」と言われて。そんなら、誰か紹介してくれ。もう少し詳しい人に電話変わってくれ。と粘ったら、専務さんが、岡本さんとこが専門やから。と教えてくれたんですわ。」

いや・・まあ・・これは向拝柱を揚げる工事に似ているけど。
高さも重さも違うしなー。
ともかく独立の斜めになった柱を、揚げるというミッション。
しかもいつものように梁まで枕木を組み上げて足元を軽くしておいてということが出来ない。
そもそも梁が無い!連結はLアングルのようなものしか下からは見えないし。

こりゃ。揚げながら柱を掴むために取り付けた添え柱の角度を変えながらやらないと倒すリスクがあるなー。

今回、改めて思ったんですが。
自分たちは意識しないままに、家を持ち揚げて移動させるという技術にまずまずの自信を持っていて、実は100%の自信を持って受注していたんだな。
今回も自信はあるけど、良い施工に対する自信は、90%くらいかな・・・
やはり真っ直ぐ建っていないものの力の流れ方や怖さは曳家は身に染みて知っていますから。

でも、これ曳家が断ったら、他の職方さんでは難しいよな。
しかも、みなさん困っていらっしゃるし。
で・・困っている人の足元を見たような施工金額にならないように、ごくごく普通の日当と工具損料、出張費を書いて出したんですが・・

「社長さん!これ夜間工事の日当になってないよなあ?」と言われて・・
そう!!人通りが多いんで、道路の使用許可が夜10時から~なんです!!

ひゃ~夜間作業なんて、30年くらい前に、高知県春野町で県道を渡して、渡すとお家の玄関が道路に対して後ろ向きになるんで。
180℃回転させた工事以来です。
家内からは「もう60歳なんだからね」と言われて・・。
しかも斜めになっている柱を限られたバックアップの中で上手く揚げないといけない。

始まってしまえば手術と同じで途中で手を止めることなく、さっさとしないといけないんですが。
石の中に埋まっている像を掘り出すだけのように正確にできるだろうか?と悩みまくり。
昼寝もしておかないといけないけど、色々なシュミレーションをしてみては寝付けない。
とうとう堅田さんからも「親方眠れますか?」と電話が入る。
失敗すればたくさんの方々に迷惑をかける。
う~~ん。個人宅の曳家とはまた違うプレッシャーです。
気が小さいですから、胃が痛くてまたまた薬飲んでます。

無事、直りまして。
みなさんに画像を見ていただけないのが残念ですが・・。

京都の地盤対策工事専門会社「伸洸」さんに、柱を支える耐圧板工事等に使う「架台」をお譲りいただくべし、向かう。
途中、事故渋滞25km。降りてからも山科区のイオンのあるT字路で右折するのに信号4回も待たなくてはならなかったり。
都会に住むということは、渋滞をがまん出来る人間になる。ということなんだなーとしみじみ。

やっと到着!「伸洸」
看板が古びているのが、渋い!昨日今日始めた奴らとは違うぞ!という、いぶし銀の重みがあります。

これが「耐圧板工事」に使用する通称「架台」。
普通に販売されているわけでは無いですから、「伸洸」さんの在庫をお譲りいただけて助かりました!



昼間は、ホテルの部屋の掃除をしていただいている間は散歩。

中学生の「古典」?の授業で習った方の石碑が!!

自分も死んだら、いすみ市に「波の伊八」さんには及ばないけど。
「曳家岡本記念碑」が出来ると良いなー。
さあ!これからも<いつ死んでも悔い残らないように頑張ります!

曳家岡本 緊急対応できます!閑なんで(涙)
お仕事のお問合せは   hikiyaokamoto@gmail.com まで!!











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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。