家は水に弱いものです。
建築系コンサルタント、(株)エンクランプの服部公一社長にお教えいただいたのですが、インターネットの普及で、今、消費者はかつての550倍の情報を入手できるそうです。
しかし、地盤沈下や建物の歪みを直す技術について語られているテキストの多くは素人の想像だったり。たちの悪いのは、大工まがいの読む(観る)人をミスリードさせてしまうような怪しい技術です。
※特にyoutuber!意匠は良いけど、構造を素人が舐めた工事すると危ないです。
代表的な沈下修正工法は6つあるわけですが、この中で唯一、土台揚げ工法のみが上部構造の改修(土台の取り換え、抜けたホゾの引き締め)などに対応できます。
前々回のブログでも書きましたが。
コロナ禍のせいで、中古住宅の売買の動きが活発化しています。
そうした新たなオーナーさんは、そのお家に愛着が無い場合もあって「安ければ安いだけ良いんです」と相談されてきます。
確かに、土台揚げはアンダーピニング工法や薬液注入工法よりはるかに安いです。
それでも、その安い中にも「安かろう悪かろう」な施工内容もあれば、「真面目な工事」もあります。
「安ければ安いだけ良い」さんは、言います。
「まだ迷っているんです。だから、とりあえずは安く一旦、直しておきたいんです」
馬鹿馬鹿しいです。安く購入した家にローコスト住宅であれば新築を建てられるくらいの費用を掛けて、沈下修正工事をするわけないですよね。
自分らに安く施工させたいがための方便ですよ。
とりあえずインターネット上の玉石混合な情報の海の中で絶対正しい沈下修正工法に対する解説を地盤工学博士である神村 真先生がお話されている動画を貼っておきます。
住宅 / 地盤 傾いた家の直し方 9つの注意点 – YouTube
ちなみに、時間のご都合からか?
雨水の逃がし方についてのお話が、ありませんでしたが。
自分たちが地盤沈下したので見て欲しい。と呼ばれる多くの場合は基礎のすぐそばに雨水がそのまま落ちるような処理をされているお家が多いです。
水はけを良くすることと、
それと、最近はなぜか?基礎の立ち上がりが低いお家が建ってますが。
それは、豪雨の際の跳ね上げで、土台を傷める可能性もあります。
お家は上からの雨漏りもそうですが、
下からの水にも弱いですから、気をつけましょう!
追記
再沈下の抑止効果がもっともあるのは、アンダーピニング工法ですが。
お家の築年数から考えると現実的でないと考える場合、また雨水対策に限界がある状況の場合は、土台揚げ工法等で沈下修正工事を行った後に小口径のサイドピニング工法等で補強することも一案かと思います。
追記2
ある方が「日本人は、コンサル料を払って専門家の意見を聞くことをしない」と書いていらっしゃいましたが。その通りです。
自分は神村先生ほどではありませんが、街の工務店さんよりは沈下修正工事に詳しいです。
それでも交通費、レーザーポインターでの簡単な測定費用込みで通常3万円の現地調査費用を出すことを躊躇する方が、います。
職人は自分を必要としてくれるお施主さんのためにベストを尽くします。
喰えるからと工夫も努力もしない方は作業員です。
頑張ります!
コメントを残す