2021年11月20日 19:21

愛知県瀬戸市での沈下修正工事も佳境です!

愛知県瀬戸市での沈下修正工事。劇的に美しく水平に直りました!

ここからは前々回の投稿でも触れましたが、お家の引き締め工事です。
人間で云えば関節が抜けているみたいなものゆえ、出来るだけ戻さないといけません。

昭和ボルトも全ネジも余裕を持って、注文しておいたのですが。
より良い工事をしようと、両引きの羽子板ボルトも使うべく、仕事終わりにホームセンターをはしごしました。

職人専門ホームセンター「建デポ」は、ボルトはM12サイズの品ぞろえが豊富なことを知りました。
でも、今回は4分の昭和ボルトに合わせないといけませんから、川崎くんと座金一式、探しました。

サイズが合わなくて現場が止まるのが一番いけないことですから、万が一のために別サイズのものも買っておくのが「曳家岡本」ルールです。



ありとあらゆる可能性を探して、出来る限りのところから反力を獲って抜けたホゾを押し込みます。

柱と基礎の隙間を利用してスリングベルトを掛けて、レバーブロックで引いたり、裏側の擁壁に枕木を当てて、そこから真横に押したりします。
(この作業は3人でやってたんで、写真撮れませんでした><)

お風呂場の窓を優先しているが為に、通し柱があるべき箇所なのに、抜かれているために下屋部分に荷重負担が流れて、それも原因の一因となってホゾが15mm程度抜けていた部分は、ほぼ直りました。
元々の細工の関係か?片側はぴったりとくっついたけど、反対面が3mm程度残ったり。という部分が出てしまいました。
しかし、こうした部分を追いかけすぎると、昭和ボルトによる土台の破断。
および、柱の立ちが狂ってきますので、「収まりの良いところ」を探さなくてなりません。本当に難しいです。



沈下修正、引き締め工事が終わりますと、次は切断したアンカーボルトの再緊結です。
堅田部長が、溶接が出来ますので、溶接機をレンタルしてきてもらって自社施工です。
床下でアンカーボルトの溶接をするのは、匍匐前進状態で作業する辛さだけでなく、
アンカーボルトを通じて熱が土台に上って、火災を起こすリスクもあります。
もちろん作業が終われば即水を掛けながら、片側が冷めるのを待って次を始めます。

この作業を嫌がって、土台と基礎側に縦に羽子板ボルトを取り付けて「緊結した」と、している方たちもいます。
しかし、それは土台と基礎に欠損を作ってしまうだけでなく、土台の真ん中に入ったアンカーボルトを基礎に「緊結した」と云うものとは違うように思うのは自分たちだけなのかな?

火災 怖いですよね。
アンカーボルトの溶接している間に、自分は取り外したジャッキ類を次の浦和の現場に運搬して来ましたが。帰り道、高速の反対車線でトラックの火災が起きました。
初めはそれほど大きな炎で無かったんですが、みるみる間に大炎上して、「うわっ。また通行止めになるか?」と焦りながら走ってゆくと、もう真横を通過する際には窓を閉めていても熱風がすごくて、無事通過出来たものの、本当に高速道路を「通勤する」のは怖いなー。

※画像はネットから拾ったものですが、通過した際はもっと大きな炎になってました。

最近、健康に留意している曳家岡本では休憩時にトマトジュースを飲むという意識高い系肉体労働者ブームが起きてます(笑)

ps
床下での、アンカーボルトの溶接費用についてですが。
曳家岡本および東日本大震災の後の協力業者さんの単価を見ていると、本数や床下の高さなどによる作業がしやすい、やりつらいによっても、やや違いますが。
一般的には、12万円前後だと思います。
ただ、以前、岡山県早島の近くで工事した際は近くに造船所が多いせいだと思うんですが、鉄工所職人さんの単価が高くて20万円くらい掛かりました。
今回も溶接機そのもののレンタル費は、高知県で借りる2倍以上して、堅田部長と驚きました。
今回は色々と購入してます。

※2
最近、難しい案件が続いていますが。でもコロナで仕事無くて辛かったですから、お仕事いただけるだけで感謝です。
どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
hikiyaokamoto@gmail.com

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。