2022年3月21日 6:05

香川県三豊市で、古民家の沈下修正工事を特急でやりました!

香川県三豊市を拠点とされている「裕建築」島田棟梁の現場は良い空気が流れている。
島田棟梁の奥さまも、お施主さんもみなさんが笑顔だ。

時々、自分なりに勉強されて、(←そこまでは良いのですが)職人や工務店担当者を抑え込もうとするお施主さんもいますが。
そんな素人にやり込められるようなプロは存在してはいけないし。そんなプロには頼むべきでないですから、上から目線で職人に意見したいのなら。
そういう態度でも笑顔を崩さす裏で舌を出しているような業者と仲良くしてください。


島田棟梁から、現在、手掛けている古民家再生現場の大黒柱が沈下している。根継ぎをしたいので見に来てくれないか?と電話があったのは、千葉県いすみ市での輸入住宅の沈下修正工事中でした。



↑以前にも、修正しようとした跡が残っています。
もちろん充分な資材や工具が無ければ揚げることが出来なくて、柱を4分割して、少しづつ入れ換えてました。

高知県宿毛市の現場が終わったら少し休もう。と話していたんですが、島田棟梁の工事が止まるのを避けるためには、お手伝いさせて頂けるなら参上するしかありません。

しかも島田棟梁(通称:島兄)は、現地調査に寄って打ち合わせすると。

「親方、もう予定入れておいてください」

「お施主さんに追加工事費を云うのは辛いんで、自分の手間から出します」とまで言う。

いやいや・・それはお施主さんにも相談した方が良いですよ。
島兄の大工棟梁としての気持ちに応えるために、自分に出来ることは安く、早く工事させてもらうことです。


資材の搬入が終わったら、開始1・5日で予定していた大黒柱と、恵比寿柱に該当するだろが、4寸しかない柱をジャッキアップさせていただきました。
今回は、堅田部長と宏くんが枕木の組み方のプランを考えて、2人でやってくれました。


↑座屈してます。ここは恵比寿柱ですから、せめて六寸はあって欲しかったです。
なんでも昔の大工職人が素晴らしかった!というのは間違いです。
少なくとも町場の大工は構造設計出来てません。
恵比寿柱については、隣が壁になるとのこでしたので、添え柱を立ててもらうことになりました。

枕木や鉄骨を組むのは早いですが、ジャッキを巻くのは遅いです。
徳島から応援に来てくださっていた日浦棟梁が、「大工とジャッキの巻き方違いますよね」と言われてましたが、自分らが鉋使っても上手く削れないと同じかもです。

島田棟梁が金輪継ぎの刻みをされている間に、お施主さんのお父様と談笑しつつ。
「梁がこんなにも重なっているにも関わらず、この柱の口径が小さすぎますよね」と説明させていただいていたら。
そういう話になったようです。
良いよなー。良い改修をしたい大工さんと、理解してくださるお施主さん。



結局、大黒柱、恵比寿柱の2本を根継ぎ。
真ん中の柱を抜き換えしました。
相判での待機日も含めて4日間です。
今回は、予算の都合もあって、完全に水平ということは出来ませんでしたが、それは後の改修を担当される大工棟梁:島兄が折り合いをつけてくださいます。

島田棟梁は、まだ51歳。もうしばらくは香川県近隣の皆さまには機会があります(笑)


↑島田棟梁(左側)と自分です。3年くらい前かな?
この後の島田棟梁の予定は、次は倉敷の石場建て伝統構法のお家の設計を専門とするバジャン和田洋子先生にお願いした新築があるそうです。
何でも自分でやるのでは無く、プロとして必要とあらばその道の専門家を頼る風通しのよさが島田棟梁「裕建築」の魅力です。

ps
もちろん香川県に来たならば、お昼は讃岐うどんです。
三豊市の「小野」です。


ps2
お気軽にお問い合わせくださいね。
島田棟梁との記念写真も、自分は頑固おやじみたいに写ってますが、本当はケン・グリムウッド「リプレイ」や、オルダス・ハックスレー「知覚の扉」を読んでいる文系ですから!そして娘とカヌレ食べているスウィーツ爺ですから!怖くないよ(((´∀`))
hikiyaokamoto@gmail.com

 

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1件のコメント

  • 青柳雅明 より:

    いつ読ませてもらっても現場が目の前にあるようなワクワクする内容で勝手に勉強させてもらってます。ありがとうございます。

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。