2022年5月12日 4:42

愛媛県四国中央市で沈下修正工事です。セミナーもやるよ!

40年以上前の話ではありますが。
ファミリーレストランへ食事に行った際に、同級生がウエイターとして働いていました。

←これは、浅草橋「大吉」さんの豚テキです。

ステーキ?を頼んだらしい中年夫婦の男性が、文句を言っていたかと思うと、突然、料理の入った皿を彼の顔目掛けて投げつけました。

どうやら、
「この肉、焼けてないぞ!」
「お客様に焼き加減はいかがされますか?とお尋ねして、レアをお選びいただきました」
「なんじゃあ!お前!客に口答えするのか!」
と言う流れがあったようです。

以下、文末に続く。


愛媛県四国中央市で、沈下修正工事をご依頼いただきました。
愛媛県に来させていただくのは6年ぶりです。

さて、先に堅田さん、宏くんに現場を進めてもらっている間に、自分は、徳島県吉野川市で、古民家(商家)の沈下修正工事+嵩揚げの現地調査をさせていただきました。

橋のそばに建つお家の多くは、近世に橋の架け替えの際に、道路面より下になってしまっていることが多いです。こちらもそう。
理想は道路面まで嵩揚げして往時の姿を地上に晒すことなんでしょうが、ご予算との相談となります。

今回、同行していただいた徳島県の真面目なイケメン大工さん、日浦棟梁がかつての親方の言葉として、「基礎と構造は出来ることはやっておかないと後で後悔する」と提言。
これ、さくら事務所の田村さんも全く同じこと言われてます。
自分らに出来るアドバイスはさせていただきましたので、ここからは建築士でもあるお施主さんのご判断です。
実際に使われる方が判断することが一番正しいですから、ご希望に沿うのみです。


四国中央市の現場周辺の風景です。
山間ののどかな風景の中に、比較的新しい道路が付けられて住宅地が出来ています。
高度成長期の住宅ブームの真っ最中。市街地からのアクセスが良い土地は次から次へと造成されて高額で売れました。
その頃は、地盤に対する知識が、プロの建築業者でも薄かったため、谷間の田んぼの中という軟弱地盤にお家が建てられてしまいました。

こちらは、当職より少しだけお歳上になるご夫婦が、「人生最期のリフォーム工事」の中の一つとして、家の傾きを直すことを選んでくださいました。
実際、多くのリフォーム会社は、床で直した(←それは直してなくてごまかしたです)とするのですが・・こちらのご夫婦は沈下修正工事をする。ことを選んでくださいました。


こちらのお家では、最大沈下部分は90mmでした。

順次スペーサーを入れてゆきます。

ジャッキアップ始まってからお施主さんの奥さまが、本当に喜んでくださると共に、まだ仕上げ前ですが、「6mm」の誤差を感じてくれてまだ直ってないんですよね?と厳しくチェックしてくれます。
期待してくれると、こちらもやりがいがあります(笑)

スペーサーは今回もイタウバと、高知の倉庫に残っていたオーストラリア檜。
今回の工具類は9割以上は高知の倉庫から運びましたので、癖が違うので慣れるまでロスも出しました。
堅田部長は「やっぱり自腹で自分専用の工具を持ち廻るようしよう」と言ってくれてます。


地元のリフォーム会社さん経由ですので、お家を揚げるに付帯しての準備も万全です。

今回は床上はそのままで~という工事ですので、床下でのアンカーボルトを切断→溶接という流れになるのですが。
ブリッジ鉄板を通す為の、斫りの深さでは横筋が出てきませんでした。
なので、溶接の際のアースが獲れませんので、ケーブルを引き回さなくてはなりません。
堅田部長が、とほほ。となってます(苦笑)

冒頭の続き

彼は、黙ってこぼれた料理を拾って片づけていました。

この現場では、床下にグラスウール断熱材が仕込まれている為、潜って作業すると首筋など激しく痒くなります。
休憩時間に、文句を一言も言わず、痒そうにしている宏くんを見ていると、ステーキを顔に投げられた同級生を思い出してしまいました。

誰も彼の苦労を見ていないかも知れませんが、自分はまたしても目撃者です。

 

ps
コロナ禍で停止しておりましたセミナー活動を再開します。
単独セミナーは3年ぶりくらいです。
「沈下修正工法」は残席4名。「構造から直す古民家再生」は残席8名です。
建築士さん、工務店さん向けです。
どうぞよろしくお願いいたします。

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2件のコメント

  • 吉冨淳 より:

    お世話になります。山口県でリフォーム業を営んでおります。恥ずかしながら建設業を持ち合わせておりませんので工事の範囲は限られていますが、自社で所有している古民家の改修を含め、知識が乏しいため受講させていただきたいと思います。

    • hikiyao より:

      吉富さま
      ご丁寧にありがとうございます。
      自分も建設業許可など持っておりません。本当に小さな規模で専門分野のみをやっている次第です。
      ちなみに、山口県であれば、元「大和社寺」の宮村棟梁が帰省して、伐採作業とかをしつつ、時々、大工をされてます。
      宮村さんは、6年くらい前の薬師寺の大改修の時の総棟梁ですので、手伝ってもらうならお薦めですよ!

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。