都市部での工事あるある。
谷中の現場に戻りまして(詳しくは2つ前のブログを参照ください)揚家をしています。
実は、曳家岡本は、今までここまでのスケルトンリフォーム工事に参加させていただいたことありませんでした。
そりゃそうでして・・だって普通は、曳家を招ぶのは建物を出来るだけ保存したいからですから。通常は壁を解体することさえ嫌がらることもあります。
※個人的には、アンティークとしての価値は別として、文化財でもない限り壁は取り換えた方が良い工事になると思います。
今回は、文京区谷中での工事(谷中霊園や、谷中銀座があるレトロおしゃれスポットです)。
こうした土地では、防火の問題や新築時のセットバック、或いは再建築不可など、色々な難問か降りかかります。
そうした中で今回のお施主でもあり建築士さんでもあるトウィズムデザインスタジオさんが選ばれたのが、曳家によるジャッキアップしておいて基礎から造り替える。というものでした。
こちらは、7月31日(日)に近隣の建築士さん向けに見学会をされた際の画像です。
たまたま画面手前の隣地が建て替えの為に空き地となった為に、借地させていただいている間に、工事です。
この条件に収まらなかったら、どこかに仮置き場を借りていただいて、小運搬を繰り返すことになるので、かなり助かりました。
若い女性建築士さん((株)日本設計 中山佳子さん)に、老練な職人のふりして、偉そうに語る姿を撮影されてます。
すみません><
さて、見学会の前日には、組んだH鋼とジャッキの具合をチェックがてら少し持ち揚げてみました。
で・・・当日です。
揚がりましたが・・・土台の下に赤いオイルジャッキが見えていると思います。
これは本来は、あってはいけません。
基礎も全て解体するわけですから、下の画像のように完全に浮き揚っていないといけません。
どうも前の工事の土台の継ぎやホゾ穴が甘くて「垂れてくる」のです。
まあ、後年、持ち揚げることを前提に建てているお家は無いから仕方ないです。
ここらへんは、クマイ商店さんに御願いして後日、何らかの対応をします。
ご近隣との敷地の問題もありますので枕木を組める拡さと、基礎解体、掘削をするための逃げの兼ね合いが悩ましいです。
枕木は拡く組めば組むだけ揺れませんので「転倒のアスペクト比」を考えるわけです。
そして、もちろん足場も悩ましいですが、これまた住宅密集地ではやむを得ない環境です。
足場の間をかいくぐって、少しでも仮置きしている間も建物が揺れないよう掘削に掛からない位置を選んで枕木を組んでゆきます。
今回は、スケルトンリフォームですので、建物がすごく軽くなっています。
なので、レバーブロックを使って4隅の梁にベルトを掛けて強風でも飛ばないように控えを獲りました。
この作業は、宏くんと2人でやりましたが。なかなか段取り良くて、流石に「家起こしの曳家岡本」で鍛えられているからな(笑)
休憩時間にくつろぐ宏くん。何を考えているのかな?
借地している側に、逃げて組んだ枕木ですが・・
なんと!!8日にSS(スクリューウエイト貫入試験、以前はスウェーデン式と云ってたものです)を実施するので。枕木をどけて欲しい。と言われまして。
一旦、枕木を基礎に接近させて組み直して、また後日、現状の位置に組みなおしに行かねばならなくなりました。
こういのも都市部あるあるですから・・・。やむを得ないですね。
田舎の敷地が拡くて、大型トラックが横付け出来る環境での工事って、建築士さんにとっては、制約の無い条件で新築のプランをするようなものなのかな?と考えると、新築をやりたい建築士が多いのも仕方ないな。と思います。
でも、依頼してくれー(笑)
1日に3回、Tシャツを着替えるんですけど・・夏場は、白Tシャツは、涼しくて良いのですが。
汗で透けて見えるんで気をつけないとな・・・。
プレ老人としては、なるだけ若い方に不快に思われない行動を獲らないとな・・
山の中にこもるか・・・。
ps
現場から、100mほどにある元請けの「クマイ商店」さんのギャラリーで、沈下修正工法を説明するセミナーを開催して頂きました。
主催者のお力で、満席になりました。すげー。
今回は、通常の沈下修正工法の解説を少し短くして、「谷中ヴァージョン」として一般住宅や社寺の修復の技術を30分ほどお話させて頂きました。
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