2023年2月9日 6:58

京都で家起こし4 古民家再生はブリコラージュ!

京都で家起こしです。

歪みが直りましたので、全体をジャッキアップします。



基礎の補強、レベル調整を始めます。

それと併行して、構造材の修復工事を進めてもらいます。



相変わらず宮大工に向かって、金物を使ってくれ。とお願いしてます。

宮村棟梁は、「仕事だからね(笑)」と粛々と進めてくださいます。
「曳家と相判だと、根継ぎも入れ換えも危険なく進められるから愉しいですよ」と笑ってくれます。




2階の柱が載っていなかった部分も今回、入れてます!

腐食している柱を伐り上げます。
柱の長さを決めるのに、寺川先生がご苦労されてます。
「これは究極のブリコラージュだなー」と云いながら「でも俺はブリコラージュ得意なんだなー」とにやけてます。
古民家を直すには臨機応変する脳みそ無いといけませんから、
自分も含めてブリコラージュ脳が良いんでしょうね。

ブルース・リーなら「考えるな!感じるんだ!」と諭してくれます(笑)



活きている位置で伐り上げます。
↓切り落とした小口です。

東大や京大の先生を含めて色々な建築関係者が見学に立ち寄ってくださいます。
うーん。学歴コンプレックスの肉体労働者としては、身に余る光栄です。
気分は三船敏郎版「無法松の一生」かな?

↑今回は混ぜるので無く、塗布するタイプのコンクリート接着剤を使用してます。

さてもさても。
隅柱の下を掘っていたら直径10cm程度の目玉の模様が入ったガラス球が出てきました。

google先生にお教えいただくと、こちらは「蠱」というものだそうです。
トルコなどでも魔除けとして使われていたそうです。
元の位置に埋め戻すか?コレクションにしていただくか?
お施主さんに御預けしました。

ps
夜、マンスリーマンションに帰ると、次の現場や、そのまた次の現場の獲得のためにちまちまとメールの返送したり。
見積書を書いたりしています。
ガス、電気代の高騰の中、宿泊費をご負担いただいてご招聘いただけているありがたさを感じてます。
3月後半には東京に戻ります。曳家岡本は全国対応しておりますので、私どもでよろしければお気軽にお声かけくださいませ。
メールは、hikiyaokamoto@gmail.comまで。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

最近の投稿
コメント
アーカイブ
能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。