京都で家起こし5 完結編「アミッド・ザ・フォーリング・スノウ」
京都で家起こし工事も、ようやく完工です。
ジャッキダウン~据え付けをしますと、見通しの悪い中での根伐りをした柱。不同沈下した布基礎のようなものの周辺を補強して造った独立基礎ゆえ、ぴったりと座ってくれるか?心配していましたが。
2本の柱にパッキンを挿入させてもらった以外は、30本の柱がきれいに収まってくれました。
烈しい雪の中。曳家岡本名物(笑)しつこい微調整です。
さあ!かけやで、しばきまくります。嘘。
このコンディションでは、そんなことしたら折れる柱も出ます。
跳ねて癖が付いている柱を降ろす為に、桁と鋼材の間にレバーブロックを入れて引き込みます。
更には、柱の足元をジャーナルジャッキで真横に押してスルスルと動かします。
反力は、井形に組んだH鋼から獲っています。
画面をよく見ていただくと床下で、ジャーナルジャッキを巻く、宏くんの姿が!
ジャーナルジャッキはギア式ですから真横に押せるのが便利です。
鼻天で、DIY自慢の方たちが、サッポードにオイルジャッキもしくは建築ジャッキを使って揚げている投稿を見ますが。
本当に危ないから止めた方が良いです。
もちろん添え柱にジャッキを斜め掛けして「かやし(突き掛け)」とかもします。
修正が終わると、解体です。
礎石(今回は既存基礎を補強する形での独立基礎)の上には御影石を設置することが多いですが。
今回はルーフィングを敷きました。
↑添え柱を抱かせた部分は基礎を大きくしました。
今回は、お隣のお家にに触れるかも?というほど接近していたので施工環境に制約が多かったです。
そんな中、ジャッキアップしながら並行して、家起こしをしなければなりませんでした。
詳しく書くと長くなるので何となく読んで欲しいのですが、そうすると万が一、施工中にお家が揺れた場合のバックアップが獲り辛くたいへんリスキーでした。
据え付けてから何度も、堅田部長とどう安定安全な「家起こし」をするか?を話し合いました。
家が移動する。という曳家に比べれると一見地味な工事ですが、家起こし(軸組補正)は本当に難しいです。
はてさて、基礎コンクリートの養生期間を使って、完成お披露目会前の、東大寺の隣地の茶室を見学させて頂きました。
2年前の年末に曳家させていただいたものです。
当時の画像です。
詳しくは、当時のブログをご高覧ください。
築200年の茶室の曳家+家起こしです。 -曳家岡本- (hikiyaokamoto.com)
全く鴨居の垂れが見えないのは、小屋裏で跳ね木で細工しているから・・だと思います。
廊下には、台湾檜を使ったと伺いましたので、思わず突っ伏して「石鹸の匂い」するかな?とクンクンしてみました(笑)
お披露目会は、節句となるゆえ、たいへんご立派なお雛様飾りをされてました。
自分は、娘たちにこんなことしてやれなかったですが、夫婦なりには精一杯頑張りました。
この春、目出度く大学卒業となります。
これからは、家内との老後資金を頑張ります!
ps
3月頭から半ばまで高知県でお仕事です。
その後、千葉県で沈下修正工事をさせていただきます。
曳家岡本は全国対応です。
どうぞよろしくお願いいたします。
hikiyaokamoto@gmail.com
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