京都で家起こし3 「修羅雪姫」
京都で絶賛 家起こし中です。
いよいよ、奈良から宮村棟梁、三好棟梁。そして昨年末の徳島から引き続きの日浦棟梁に参加していただいての家起こし本番です。
烈しく雪が降っているんですが。大工さんたちのスケジュールの押さえの都合で休みには出来ません。
雪の中での闘いと云えば「キルビル」に於けるユマ・サーマンとルーシー・リューの闘いです。
頭の中は布袋寅泰の「新 仁義なき戦い」が流れてます。
しかし、静かに家起こしした建物が、元に戻らないように仮筋交いが決められてゆきます。
NHKの大河ドラマのセット設営に参加した友人に聞いたんですが、
「岡本さん。凄いですよ。大河の現場だと、大道具さん全く怒鳴らないんです。全員がプロだから静かだけど、物凄いスピードで進んでゆくんです」
まさにそういう状態です。
今回は工期がたいへん急ぐため、大滝神社や薬師寺改修に携わった宮大工に向かって、昭和ボルトや羽子板ボルトなど金物を使ってくれ。という失礼なお願いをしていますが。
それを呑んで、早く構造的に強度が確保できるか?に向けてまっしぐらに作業してくれてます。
本当に申し訳ないです。
隅柱も入れ換えました!
曳家岡本チームは大工さんたちの指示で、添え柱を取り外したり。
新たに入った柱に添え柱を取り付けたりバックアップに徹しています。
お隣のお家との間に、隙間も見えました!
ところで・・・プレ老人である親方は何をしているのか?
この2日間は、現場見学会でしたので、30名余の皆さまへのご説明などさせて頂いておりました。
雨漏り診断の神様 久保田仁司さんや、建築エコノミスト森山高至先生はもちろん、平等院の神居ご住職、宮城さんまで。
全国から社寺、伝統構法に携わる皆さまがお立ち寄りくださいました。
改めてこうした現場を施工させていただけるご機会を頂いた寺川徹建築研究所 (ttaarch.com) 寺川先生に心からの感謝を捧げます。
毎晩、遅くまで改修プランを練り直す真摯な姿勢に頭が下がります。
寺川先生と話し合って、スクリューウエイトサウンディングによる地盤調査も手配させて頂きました。
「岡本、お前は工務店業務しているのか?」とご指摘ありそうですが。ご紹介はしますが、工務店は無しです。
自分が担当した部分も知っていただきたいです(笑)
画像を大きくして見てください。
画像、上部には横架材に直接、ジャッキを掛けているんですが、それでは柱が自重で落ちてきますので、下にも添え柱を取り付けてジャッキを掛けています。
下でジャッキを押すことが出来るように下段は井形に組まず左右に振り分ける細工をしています。
曳家はこうした細工の連続です。
たくさんの方々が見学に来てくださいました。
中には「良い工事だけど、ここまでの施工品質を求めてないから、もっと簡易に安価な工事を提供した方が良くないのか?」と思われた方もいらっしゃいました。
もちろん選択肢は、お施主さんや建築士さんにあります。
我々は「構造的に安心して使える建物を求める方」の相談窓口であり続けたいです。
胸を張って気持ち良く死んでゆくため、
「単価を聞くとそれじゃあ儲からないな。と思いますが、それでもお施主さんにその価値を認めて貰うのは難しいですよね」と言ってくださった建築士さんもいらっしゃいました。
嬉しいです。
片思いは辛いですから、理解してくださる方が僅かでも増えてくださることを祈ってブログや原稿執筆しています。
お気軽にご相談ください。
メールでのご相談は無料です。hikiyaokamoto@gmail.com
現地調査をご希望される場合は、日程を合わせて頂けるなら交通費、税込み30000円です。
よろしくお願いいたします。
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