2023年4月28日 20:05

曳家岡本 九州初上陸!ログハウスの沈下修正工事始まりました!

「スーパーで売っている魚でさえ、居酒屋並みの美味しさ」と評判の福岡県遠賀郡岡垣町です。

田んぼの向こうには海が見えます。
鵜来島の海釣り大臣、堅田光一部長が最期まで釣り竿を持ってくるべきか?悩みに悩んだ街にやってきました。
堅田部長の出した結論はブログの終わりに書きます。

さて、この景色は山の上のおしゃれなログハウスレストランから~


では無くて、個人の方のお家なんですが。
こちらのログハウスは法面側に1000分の16も傾いています。(玄関の上り框を基点にして131mmの沈下です)
これを修復して欲しいとお施主様ご本人からお電話いただいてから、ログハウスの構造について何人かの方に教えていただきながら、自分でも図面を見つつ。
アンカーボルトの切断を行った際にログに隙間が出来てしまわないか?
(基礎ごと揚げる耐圧板工法の方が適切では無いのか?)
通常の在来木軸や2×4と比較してどの程度、重いのか?


そして、一般住宅よりは3倍程度の重さがあるだろうと、あたりをつけながらも。
主要な構造材として使われているレッドシード(おそらくはカナダ産杉)は、檜やツガと比べると柔らかく傷つきやすいはずなので。これをどう保護しながら揚げるか?

また、出来る限り基礎梁(立ち上がり)に無駄な欠損を作らないようにするために、
(人間の手術で云えば出来るだけメスを入れる範囲を少なくするみたいなものです)
丸太を緊結しているボルトを時々、締め直すための穴を少し拡げてブリッジの鉄板や枕木を通しつつ。

アンカーボルトを見つけて切断する為の、斫り穴もしくは沈下量が100mmを越える範囲は縦筋を溶接して伸ばすために斫る部分などの斫り箇所を「ついでに」拡げる範囲で出来るだけ無駄な斫りを入れないよう工夫しよう。と決めて現場入りさせて頂きました。


100mm以下でも、縦筋を溶接して伸ばした方が良い場合もあるでしょうが、今回は基礎コンクリートのコンディションと費用面から
考えて決めました。

※無駄な斫りを減らす為に今回は鉄筋探査機も持ち込みました。

今回は、千葉県と高知県の倉庫から資材を出しました。
千葉からは自分が受け持ちまして、東名を走っていた時にはtwitterに『「解体屋ゲン」に出てくる曳家岡本のトラック見た!』と書き込んで頂きました。

堅田さんと、宏くんは高知倉庫で土砂降りの雨の中、翌朝の積み込みの準備してくれました。

答え
堅田部長、断腸の思いで竿を持ってきませんでした。
自分らみたいに、呑気に3000円程度の釣り具セットで堤防から釣るような安易な釣ではありません。
「釣りも仕事も本気じゃないとつまらないです。早く味見したいです」

ps
曳家岡本に工事を依頼したいかもな?と思われる方はぜひお気軽にメールくださいませ。
hikiyaokamoto@gmail.com

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3件のコメント

  • 坂井 正周 より:

    因みに在籍していた東京の事務所は日本ログハウス協会の設立時から加盟して
    38条の評定も事務所で数多く承ってました
    何かわからない事等あれば協会に聞いてみるのも良いかと思います
    ビルダーさんの現場経験と知識は大事ですがログに限らず大工の勘と経験は時としてその根拠が曖昧で「今までこれでも大丈夫だったから」、ということが多くその為に今まで遭遇したことのない地震に見舞われて建物は倒壊してます、阪神大震災や熊本地震で倒壊した木造建築はそのほとんどの原因が大工の勘と経験のみで建てられ許容応力度計算も無しで建てられた場合が多かったようです
    大丈夫という根拠を構造計算で示してもらえない場合はあてにならないと思ってます

    日本ログハウス協会
    www.loghouse.jpn.com/

    • hikiyao より:

      坂井さま

      ご丁寧に、ありがとうございます。
      返信遅くなりました。
      大工の経験と勘は駄目ですよね。
      このログハウスは、上棟時の図面が残っていました。
      それゆえ、全て手探りでもなく、なんとかやれました。
      次回、ログハウスの案件出ましたらご相談させてください!

  • ocha より:

    ご無沙汰しております
    東京でログハウス専門の設計事務所に10年ほどおりましたが
    参考資料等お貸しできます
    微力ですがお役に立てる事がありましたらお声がけください
    因みにセトリングについてですがログ材の含水率によりかなり大きく影響します、外材の場合は殆ど生木なので新築時には建具上枠の上部に20cm程スペースを確保して板材で隠します、最初の数年は毎年通しボルトを締め込んでセトリングスペースが無くなれば新たに隠し板を取り替えます、乾燥管理がちゃんと出来て含水率が20%以下に保たれて現場に搬入された国産杉材(新潟杉)の場合だと思う極端な話しセトリングスペース無しで通しボルトの増し締めが要らないくらい材の収縮は起きませんでした
    今回の場合記事を読んだ感想ですが地盤沈下で基礎が不等沈下してるみたいですので地盤改良して沈下を止めた上で土台が水平になるまで基礎天端のコンクリを増し打ちして土台の水平が確認できてから全ての通しボルトを締め込むと良いかと思われます
    通しボルトの増し締めはログの場合特に最初の数年はこまめにセトリングの幕板を剥がしてスペースを確認しながら締め込むのが大事です、ログをよくわかって慣れてる施工業者はそのあたりちゃんとやってくれるのですが慣れてない施工業者だと増し締めすらやってないケースもありますが新築から通しボルトの増し締めをやってない場合で通りボルトが緩んだままだと筋交の入ってない木材軸組と同じような状態で地震の際にとても危険な状態になると思います

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。