2025年8月16日 22:02

曳家岡本:能登半島入り事前準備編

雨蓋瓦(あまぶたかわら)と云うそうです。
社寺の建築様式の言葉は、大工と曳家の中間にいる「曳大工」である自分には難しいです。
まっ判らないことはすぐ聞く!これに尽きます。




発災から4度目の能登半島行きです。
8月12日(火)輪島市に向かう予定でしたが、豪雨のため通行止めになり七尾市で足留め。
なんにもせずに七尾市にいるのももったいないので、以前にコメントいただいていた七尾市でご自分も古民家を直して住まわれている建築士 森野さんmorinotoに連絡して被災家屋を視察させて頂きました。

どう地盤を叩いたうえで反力が獲れる状態にして固定するか?を森野さんにお伝えしました。石場建ての場合はアンダーピニング工法は不可能ですし、大きな建物全てを薬液注入にて地盤補強することも費用面で躊躇します。原始的ではありますが、柱を浮かせてその礎石を撤去してそこに路盤材を敷いて、その上に枕木を拡く敷き、そこから柱に取り付けた添え柱にジャッキをかけて「建物の自重で」よいとまけをする,可能性とか話しました。
もちろん「べた基礎」にして全面で持たす。という考え方もありなんですが、一番は費用面です。
翌13日(水)は輪島入りです。
今回は、奥能登元気プロジェクト代表の奥田和也さんのご招聘で伺いました。

奥田さん、スパッと方向性を決めてくださいます。気持ち良いです。
色々と能登半島入りを模索してきましたが、奥田さんが動いてくださったことで扉が開きました!



奥田さんから「山門も直せる?」と尋ねられて「もちろんです」と答えつつも薬医門だったら嫌だなーなどと思いつつ伺うと四脚門だったんでホッしました(笑)

しかし、これ単純に水平を直すのではなくて参道そのものが70cmくらい下がっているんで、そこも直さないといけませんから、水平に戻してから一旦1m程持ち揚げてから礎石に据え付け直しとなります。
建築士さんが周辺の計測したうえで新しいレベルを決めなくてなりません。その際に長いダボを入れるようならその分も高く揚げないといけません。
自分は「とりあえず水平になったから良いだろう」という工事は嫌いです。
直したら耐久性も含めて安心安全が保たれる工事をしたいです。

若いご住職と打合せをしているとお母さまが出て来られて「本堂が崩れてしまいました。山門だけでも直せると嬉しいです」と仰られました。
ご依頼いただけたならそのお気持ちに報いる工事をさせていただきます。

今回は新潟から山川建築事務所の山川さんと、住学の庄司さんが勉強のために。と同行してくださいました。
各現場でのレベル測定をお2人にお願いさせていただいてますので、自分はお施主さんへの説明と搬入、作業条件を視ることに専念できましたので本当に助かりました。
次回の能登半島入りの際も同行してくださる建築士さんいてくださると良いな~~。一切、ギャラ出ませんけど(汗)


ある建物に伺った際に、既に立派な改修プランの図面を見せられました。
曳家の技術の存在を知らない建築士さんが「こうでもするしかないだろう」と考えた改修プラン。自分は一目見て工務店さんに「当り前ですが、木造建築の荷重の9割は柱が担っています。これは桁を補強して持ち揚げようとしていますが、こういうことをすると破断します」とお伝えしました。
山川建築事務所の山川さんに解説をお願いすると「ああ。もしかしたら自分も2年前だったらこういう図面を書いたかも知れません。このプランだと、2階の床梁に柱が建っているので、外周の柱の内側に柱を建てると、外周の柱をこじ上げるので、建物に悪さをしますね」と同じ見解を伝えてくれました。


自分が山川さん、庄司さんと輪島を廻らせて頂いている間に空いたトラックで頼れる2人、堅田さんと宏くんが新潟から千葉県の倉庫に運搬。倉庫に降ろしたら整理整頓、掃除をしてくれてます。

倉庫で荷物降ろしたら、暑いんで近所に出来たジェラード屋さんで休憩する親方とは大違いです。



実は、数年前に輸入住宅の沈下修正+基礎の増設工事をさせていただいた(プロサーファーのテッド阿出川さんのご自宅)際にお世話になりました阿出川さんのお嬢様 空閑利奈のお店です。ソルヴェテリア プライア|わくわくしながらもホッとするいすみ市のアイス屋
入店して即、気がついてくださってカウンターから出て来てくださいました。
かつて高知県で累計23000部も売れた「おいしい伝説」の著者でもある岡本和美さん(うちの奥さん)絶賛ですのです。帰宅して娘2人に「行った方が良いよ」と電話してみました。ぜひお試しください。
来年の夏には、「ココハサトマチ」(奥田さんが経営するカフェ)でも食べてもらえないかな(笑)

猫たちには、この地震、地震後はどう視えているのかなー。人間は悩みまくりですけど。

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。