2019年5月18日 19:22

曳家岡本の東京+北海道出張日記

心を入れ換えた岡本です。今月も社長業がんばりました!

5月13日(月曜)は渋谷で、インスペクターさんたちに、沈下修正工法6種類を60分で駆け足解説セミナー。本には書けなかったグロな手抜き現場例を帰りの道中まで聴いて頂きました。こういう役柄を担う年齢になったんだなーとしみじみ。

この日嬉しかったことが2つ。セミナー前に、以前、現場見学に来て下さった建築事務所の方がお声かけ下さって今まで、挑戦したことないけど、曳家なら出来るよな。な新しいお話のご相談を頂きました。こんな話は本来ならもっと大手さんに行くはずと質問したら案の定、大手さんがお忙しいのもあって弊社を検討して下さったとか。それでも名誉なことです。

それと宮益坂で迷わなかったこと!(笑)

14日(火曜)は、午前中は江東区の事務所の近くで沈下修正業界の先輩と老後について熱く語りました(笑)。冗談はさておき、やはりみなさん時々、出る家起こし(軸組補正)の対応には苦慮されていて曳家岡本の家起こし技術は欲しいところだそうです。資材がたくさんあるから、出来ることなんですが。

夜は、北新宿で伝統技法研究会のみなさんとお茶会。大工に頼む家起こしと曳 家に頼む家起こしの違いについて質問頂きました。

15日(水曜)は日中は、埼玉県で古民家の、やはり!家起こしの現調。素晴らしい松の梁!夜は、家内とJIO佐藤さんと、神楽坂にある建築士田中さんの「オフィス村」で古いロックバンドのビデオを観ながら馬鹿話。楽しかったです。

16日(木曜)は早朝から北海道へ。昼からは、岩見沢市で、現調。こちらは地震とは関係無いのですが、昨年からメールを何度もやりとりして機会を伺っていたお家です。

リビングのごく一部だけが沈下しているので、リフォームをする前にサッシの入れ換えをスムーズに行えるよう修正しておきたい。と、至極、真っ当なお考えでお呼び頂きました。こちらのお施主さん、よくお調べになられているなーと、感心しました。こうしたごく一部だけ直したいというリクエストに、私どもが施工している土台揚げは有効です。

夜は、千葉県建築士会でたいへんお世話になっている、荘司さんの運営されている「教育的うら指導」(一級建築士受験指導)の卒業生、坂井さんのご案内で札幌のラーメンの名店「信玄」で夕食。その後、坂井さんの 事務所にお邪魔して、北海道の一戸建てになぜ?キューブハウスが多いのか?(無落雪住宅と呼ぶそうです)自宅の屋根に落ちた雪が隣の家の敷地に落ちないようにするため行政が推奨していることや、基礎パッキンと断熱の処理は関東や四国と、どう違うのか?などをご質問させていただいていました。

17日(金)午前中は、このブログを読んで下さっていた被災者の方からご要請をいただいて、液状化の酷かった札幌市清田区近くの、沈下しているお家に現地調査。色々と検討に来て下さった職員の方や、建築士さんからのアドバイスなどを聞かせて頂きましたが。「岡本さんのお話が一番具体的で判りやすかったです。母も少し納得してくれたようです」と喜んで頂きました。

車で送迎して頂いていると今まさに!沈下修正工事をされてる現場を発見!そーと通り過ぎて頂くつもりでしたが。トラック見たら「我妻組」と書いてあったんで、急遽、車を停めて頂いて降りて行って、我妻さんと若い職人さんたちにご挨拶。現場に同業者が表敬訪問に来てくれると、弊社もみんなのテンションが上がります から、こうしたなんでも無いことはお互いにするべきだと思っています。

後で我妻専務にお伺いしたら職人さんたちが「あれ誰?」となって、「「解体屋ゲン」に登場している曳家の岡本さんだよ」と、お話下さったそうです。

お昼からは、日本インスペクター協会北海道エリア部会さんが主催して下さった沈下修正工法セミナー。北海道新聞、住宅産業新聞、北海道住宅新聞、テレビ北海道の皆さまが取材に来て下さっていて、重責を感じながら登壇させて頂きました。

インスペクターさんだけでなく、実際に被災されてどうしようか?検討されている方、工務店、不動産会社、大工さんなどが来て下さってました。

印象に残ったのは保険金を1000棟以上にお支払いした代理店の方のお話。「結構な数の方が降りた保険金で家を直さないで、そのお金で旅行や車を買ったりしている」この方は、それでも家をきちんと直したい方へアドバイス出来るようにと勉強に来ました。とお話下さいました。アンケートの評価も好評でありがたかった。

企画をしてくださいました、日本インスペクターズ協会北海道 の古田さんには「今日で終わりでなくて、今日が1回目ということでこれから宜しく」と言っていただけました。

「嵐」北海道公演で宿泊難民になるところを助けて下さいました日本インスペクターズ協会理事の栃木さんと、そのお嬢様とご主人さまにもお世話になりました。

セミナー終了後、事務所で電話お取り頂いたら参加して下さった一般の方から開催に、お褒めの言葉を頂けたそうです。関係者一同嬉しく思いました。

今から徳島に戻ります。留守中、現場をがんがんに進めてくれた須賀かつお棟梁と、兵庫県から応援に駆けつけてくれた東京出身の宮大工・広島棟梁に感謝です!

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。