曳家 同業者の代打をさせて頂いています。
世の中には同業者からの「下請け」を悔しがる方もいます。
でも自分はありがたいことだと心から思います。
何しろ、それは相手の技量を認めているからこその依頼なのですから、職人冥利に尽きると云えます。
今回は、昨年、徳島での豪商の古民家修復工事のために、購入した「廃業された曳家さんからの資材」で増えすぎた資材が早くも大活躍です。
この時期にこれだけの資材を準備できる曳家さんがなかなかいらっしゃらなかったのも代打をいただけた理由かと思います。
お仕事の依頼を請けてから宿題(現地調査や他現場の入り日の調整、奈良の現場の再開が遅れたので入れたと云う色々な事情が重なりました)を終わらせて、 現場入りです。
島根県の現調には、宮村棟梁も「実家から2時間くらいだから」と来てくださってお願いしていた樫板を受け取って来ました。
でも、まだ明日、追加を届けていただきます。
雨の中の出発は辛いです。
流石にPCとかは車の中に積みますが、他の健康マットや着替えなどは、大きなビニール袋に詰めたうえで更にブルーシートで覆って縛ります。
近くのガソリンスタンドまでは助手席に無理やり詰め込んで行って、給油のあと、屋根の下で改めてシートに入れて濡れないようにします。
そしてマンスリーマンションに到着したら足らない家財道具(今回だとバスマットや物干し竿など)を買い出しに行きます。
ちょっとした引っ越しなんですが・・ 明日からの、いつものペースとは異なる現場のことを考えると寝付けなくて2時に目が醒めて結局、小説を2時間くらい読んで、布団の中で段取りをシュミレーションします。
朝はご一緒させていただく荷揚げ屋さん、小運搬をしてくださる運送会社さん(なんと迅速に運搬するため3台でピストン輸送でした!!) そして大工さんたち。
総勢20名の皆さんを指揮させていただきながら工期短縮に向けて作業しています。
それでも奈良斑鳩の現場に使い慣れた工具を回したままなので、いつもと違う1サイズ大きなH鋼を使っているため、固定するためのボルトや鉄板のサイズが合わない箇所が出てくることを予測できてなくて失敗したりしつつも。
大人数の凄さで、あっという間に進んでゆきます。
この人数を采配するのに慣れていないので、ついついボルトを組立てしたりして監督作業が抜けたりもしています。
堅田工務部長に
「親方、本当に作業しないでください。指示だけしててください」と窘められるのですが・・ついつい貧乏性の親方は自分も実務してしまいます。
これはこれで勉強させていただいていますが。 やはり自分は性格的にも年齢的にもじっくりやる現場が良いな~などと思いながらも、 代打の重責に応えなくては。と一生懸命取り組んでいます
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