2023年3月26日 6:13

千葉県柏市で不同沈下のお家を直しています。

千葉県柏市で、またまた沈下修正+基礎修復工事をさせていただいています。

今回は、「不同沈下」と言いまして、一方向に下がっているのとは違い。不揃いにあちこち沈下しています。
他にも一般的では無い施工をしている部分がままあります。
こういうお家は、自分のように気の長いのんびり屋さんでないと良い工事にはなりません(苦笑)

宏くん。雨の中、冷たい床下を這ってくれてます。

頭上では、更にこの後、配管屋さんを床下に送り込む打ち合わせをしている、(株)インテックの田所さん。柏市増尾台|お家の小さな修理、リフォーム:インテック株式会社 (intech-inc.jp)

配管屋さんに、説明するために堅田さんもいざ床下へ!

床下点検口から覗いた時に、ただの大引きの下(家の荷重を受けていない部分)に、なぜか?立派な立ち上がり(コンクリート基礎)が、あって。なんなんだろう?途中で設計変更した残骸なのかな?

ともかく隅柱の部分に、ジャッキを掛けなくてはなりませんから。進入を阻む、この余計な基礎を解体してみると・・・
ありーーー?隅柱の下のみ。ブロック基礎になっている!!


まあ、悪い自分なら、余計なことを言わず、このまま見てないことにして作業を進めてしまえ!
自分たちの仕事が終われば良いんでないか!と「男は黙ってサッポロビール」ですが。
正しく選択肢をお伝えするを信条とする「曳家岡本」では、このまま施工すること、やらないことの説明をさせていただきました。
で・・結局、この部分はブロック基礎を撤去してコンクリート基礎に変更することとなりました。

工事が、始まってからの追加工事はなかなか申し訳なくて言い辛いものなんですが・・。
やはり現在ではブロック基礎は法令で禁止されていますから、やむを得ないご判断かも知れません。

 


「悪い人」と言うなら、自分がもし悪い人であったなら。
このお家が猫土台となっていることを告げないで、風窓あるんだから、チャッチャッとコンクリートで埋めてしまえば面倒な飛び飛びの天端を復元する提案も、しません。

でも、このお家を建てた大工さんは基礎パッキンの無い時代に、床下の通気や耐久性を考えて木片を挿入したんだろうな。
あなたのお気持ちを継承して、曳家岡本一同、今回はこうした方が良いだろう。沈下修正工事+基礎修復をさせて頂きます。

こういう細工も、黙ってビール飲んでいれば作業は簡単になるし。
作業日数も減らして安く出来るから、もっと受注も楽になるんでしょうが・・。
あいにく、「劇的に売上を伸ばす経営方法を無料で教えます」等の広告メールを来ても「それは自分の幸せとは違う」と醒めた気持ちで見てしまう敏腕経営者になれない自分としては、受注するための施工品質の落ちる見積もりを書くのは、したくないです。


ここのところ、コンクリートブロックの擁壁の上に盛り土して、その上に建てているお家をどう直すか?の相談が続いてます。
コンクリートブロックを利用して土留めしていると、薬液注入やアンダーピニング工事をしたくとも、ブロック土留めが開いてしまうリスクがありますから・・・施工できません。
それゆえ土台揚げ工事の出番となるのですが、それも「傾いていた側に集まっていた荷重を水平にして分散するので、再沈下の確立をやや抑止する」という程度と理解していただけるなら施工させて頂きます。
と言う卑怯なスタンスです。
根本的な解決策は、ブロックを解体、撤去しておいて正しくコンクリートで擁壁を築いてから、基礎形状に合わせて検討です。


3月15日(水曜)
千葉への移動の途中で、大阪に立ち寄らせて頂きました。
NPO法人日本ホームインスペクターズ協会近畿エリア部会(松田貞次部会長)の研修例会で、沈下修正工事の6種類の各工法を曳家職人目線でお話させて頂きました。
質疑応答では、かなり突っ込んだ質問や意見が出るほど集まってくださった皆さんのレベルが高く、それに煽られてたぶん自分史上1番か?2番と思える良いセミナーとなりました。
妹尾和江会長を含め、皆さま本当にありがとうございました。


お仕事もそうですが、セミナー講師のお声かけもウエルカムですので、どうぞお気軽にご連絡ください。
hikiyaokamoto@gmail.com

子育て想造工務店-まつゆう-松雄建設株式会社

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能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。