上野で曳家工事!デビット・キャラダイン気分。
東京・上野駅のすぐ近くと云う都心の真ん中で曳家工事をご依頼いただきました。
「曳家岡本さんって、沈下修正や家起こしばかりで実際に曳家(動かす)工事は少ないですよね」とご指摘いただくことがあります。
言い訳させていただくと12年前に関東に拠点を遷してから、埼玉県や神奈川県では曳家のご依頼ありましたものの。
「曳家する土地が無い」大都会では「家が動く」工事のご依頼はまずありません。
それに加えて、「曳家はぼったくりだ」という負の情報もあって、建築士さん、大工さんたちもやむを得ないケースを省いて曳家に相談することがないままに解体、新築という流れになっています。
そんなわけで、久しぶりの曳家。しかも東京都内デビューです。
最早、ブルース・リーのキレはありませんが。
しかーし。ブルース・リー原案「燃えよカンフー」や後に「KILL BILL」のデビット・キャラダインのように(笑)
ゆらゆらとちっとも強そうにないのに、やれてしまうのは。
「酔拳」に於けるスウ爺さんのようなものです。じゃあ、堅田さんは若いジャッキー・チェン。
はっ!視よ!(視てね)建物を安定させる為の細工の幾つか。
↑この画像と。
↑この画像に痺れる方は、同業者か?構造設計者?
X軸に対しては鋼材の上段を通すことで荷重を受けていますが、Y軸方向の土台に載るほとんどの柱を、H鋼の耳に橋を渡した短い枕木と詰め物で受けています。
こうした細工も「土佐派の曳大工」に連綿と継承されてきたものです。
もちろんいつものように鴨居の吊り束も「押し揚げて」荷重を分散させます。
↑元々の地盤から60cmほど揚がりました。
若い建築士さん、大工さんに、曳家の技術で何が出来るか?を知っていただかなければ依頼は減り、やがて廃れます。
そうならないために、本を書いたり。セミナー講師をさせていただいてます。
2024年は、既に6回ほどセミナーをさせて頂くことが決定しています。
後2年少しで引退しますが、後輩のみんなの為にも頑張り火星。
amazonや楽天ブックスでも販売されてます。しかもまあまあ売れている(笑)
送料かかるけど、サイン入りでコレクションしたいなーという方はhikiyaokamoto@gmail.comまでメールください。
※
この画像は、今から30年前に高知県高知市で当時33歳の若い親方、岡本が隣地に児童公園が出来る為に曳家した時のものです。
画面中央、左に見える枕木は、曳家するにあたって風呂場の高基礎部分を解体しているため他の土台の高さに鋼材を揃えるために組んでいるものです。
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