2024年1月3日 10:03

能登半島地震で住宅が傾いた方へ

能登半島地震で住宅(建物)が傾いた方への参考意見を取り急ぎ書きました。

まず新潟県で起きている液状化による地盤沈下で建物が傾いているものと、地震の揺れによって建物が変形しているものとでは修復方法は大きく異なります。

①沈下修正工事→水平を直す工事

②家起こし(軸組補正工事)→垂直を直す工事

です。

今回の地震では震源に近い地区では①と②の工事を同時に行わなくてはならない建物が多いと推察できます。

沈下修正工事は1階が20坪程度の2階建てで一般的に300万円から1200万円程度。
家起こしは400万円~1200万円程度。
それぞれ給排水衛生設備工事や外構の復旧工事など付帯工事が掛かります。
特に家起こしの場合は、屋根と構造部分を遺して壁や床の修復費用も発生しますので合計すると、それなりの費用が発生します。

なので、下手に修復しようとすると、新築でローコスト住宅が建てられるほどです。
建物のコンディションや生活再建とのバランスを考えなくてはなりません。

それらを考えたうえで、沈下修正工事もしくは家起こしを依頼しようと考えたときの業者選びの参考意見としては、
その会社の施工実績やブログ等で施工品質に関する姿勢を判断してください。
かつて良い業者だった。と言われていた会社であっても、職人の高齢化、受注の苦しさ、時代に合わせたヴァージョンアップが出来ていなければ大金を預けるに値しません。

金額だけを判断基準とすると、痛い目に逢います。

宣伝になりますが、(そのつもりで書いているわけではないのですが、他に類書がないため)
沈下修正工事に関しては「曳家が語る 傾いた家を直す 沈下修正 ホントの話」(主婦と生活社)。
家起こしに関しては「曳家岡本口伝 構造から直す本気の住宅再生」(創樹社)という2冊があります。
参考になると思います。

もちろん当職への直接のご相談も対応します。
webメールでのアドバイスは無料です。お仕事のご依頼なくとも気にせずご相談ください。
hikiyaokamoto@gmail.com

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

最近の投稿
コメント
アーカイブ
能登半島地震で住宅被害に遭われた方へ

以下、実務者の立場から書かせていただきます。

  1. 液状化による地盤沈下を直す「沈下修正工事」と地震の横揺れで歪んだ建物を直す「家起こし(軸組補正工事)」は別ものです。

    水平を直すのみの工事と、垂直を直す、もしくは水平を直しながら併せ技で垂直も直してゆく工事です。

    おそらくは新潟県は沈下修正工事のみで可能です。石川県では家起こし、および座屈した柱の取り換えなども必要になると思います。

  2. 工事の着工時期についてですが。皆さま1日も早い修復を望まれていらっしゃいると存じます。しかし、地盤が充分な固さに戻るまでは施工出来ません。

    余震がこのまま収まったとして、おそらくは最低3月頭くらいまでは着工するべきではありません。

  3. にわか業者、悪質ブローカーにご注意ください。

    普段、ご縁が無い業種ですから唯一、判断できる金額のみで選ばれることもあるかとあります。

    家は安心して眠れる場所でなくてはなりません。

    歴史を背負っていない利益だけを考えている方と誠実な工事をされている業者を一緒にしないようしてください。