築200年の茶室の曳家+家起こしです。

奈良県の東大寺の隣地にある築200年の茶室の曳家工事。
今回はドローンで空撮画像!

画面右側のレールの下になる枕木の組み方が不揃いで美しくないのは、該当部分に井戸跡がありまして、それを遺すために、ぎりぎりの高さで曳くための苦肉の策です。

曳家するには、可能な範囲で低い位置で動かすことが望ましいです。
それは余分な資材を使わない。ということだけでなく、曳く為のワイヤーの角度をウインチと出来る限り同じ高さにすることを目的としています。
障害物が高い位置にある場合は、セットするウインチも高くしなくてはなりません。
低い位置にセットしてしまうと押し込んでしまいます。


今回は、手配した輸送車の積載量の都合で余分な資材が少ないですから、少し動かしては茶室を浮かせて、レールを進行方向にずらしては~を繰り返しました。


一旦、作業がし易いところまで曳き出しまして。
いよいよ今回の工事の白眉でもあります「家起こし」作業です。
頭が重いですから、大工さんの家起こしとは逆に、梁を突いて柱への負荷を減らした状態を作って、柱の足元を動かして柱の垂直を直して行きます。

化粧野地板?を遺していますので。
そのまま枕木を組み上げても梁を突くことは出来ません。
なので、もう1度、2枚前の画像を見てみてください。
組み上げた枕木の上にH鋼を横に入れて「跳ね木」のような細工で荷重を受けています。

これで柱にかかる負荷を減らしておいて足もとをジャッキで突いたり、レバーブロックで引き締めたりして動かして行きます。
↓柱を突く為の反力を獲れるように、H鋼を一段上に組み足しました。


これがジャッキの反対側からの画像です。
梁を突くための「跳ね木」のようにH鋼を横に入れたり、反力を獲るためにH鋼を取り付けたり、曳家職人はブリコラージュに優れていなくては良い職人と云えません。
自分はどのレベルか?と問われると困りますが。
やはり長く続けてきましたので、少しは引き出しは多いかも知れません(笑)
柱を動かした後は、仮筋交いで固めます。
本当は曳家する前に固めたかったんですが、母屋との切り離しのエキスパンションの問題とかで、引き出してからとなりました。



仮置きしてゆくために。
もう一度、レベル調整と仮筋交いを入れるために外していたジャッキの掛け直し。



鴨居にジャッキを掛ける時には、埋め木を5mmほど出しておいて、鴨居に跡が付かないように細工してます。
枕木組み上げる際に、宏くんが当ててしまって、鬼二人に怒鳴られてました(泣)
預かった建物を最善な状態で再生できるよう心を砕いてます。

伝統構法を専門とする建築士の皆さまは、東大寺拝観とセットで視察に来てくださってました。
ps
何かありましたら、お気軽にお問合せください。
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